サーフィン

サーフィン初心者が知っておきたい3つのルールとマナー

サーフィン初心者が知っておきたい3つのルールとマナーの画像
56,507 views 2020-5-4 UPDATE

私はサーフィン歴1年6ヶ月のリアル初心者。

サーフィンを1年ちょっと続けて

「これはサーフィンするうえで知っておいた方がいいな」

と思うルールやマナー、失敗や痛い目もする中で、たくさん知りました。

というのも、サーフィンは軽いノリだけで始めると

・想像以上に過酷

・ガチで危険

・全然うまくならない

・怖いおじさんに怒られた

など苦い思いをすることも。

実際、短期間で辞めてしまう人も多いんです。

しかしルールやマナーを守れば、サーフィンは人生を変えるぐらい魅力的なスポーツ。

そこで、サーフィン経験者に「初心者に知っておいてほしいルールやマナー」のアンケートをとりました。

サーフィン経験者たちは、どんなルールやマナーを守り、どんな心構えでサーフィンするのが良いと知っているのでしょうか。

回答からは、サーフィンを安全・楽しく・快適に続けるための「3つのルールとマナー」が見えてきました。

初心者の私も、サーフィンを始める1年前に知っておきたかったなと思うことばかり。

「これからサーフィンを始めたいと思っている」

「最近サーフィンを始めた」

という人は、安全で楽しいサーフィンのためにぜひ読んでみてください。

サーフィン経験者に聞いた「初心者に知っておいてほしいルールやマナー」は?

サーフィン経験者に「初心者に知っておいてほしいルールやマナー」についてアンケートをとりました。

寄せられた回答は以下の通り。

周りを見てやってほしい

ライン上にいないように

●ドルフィン出来ない人で波がきたら板を離す人がいます。後ろに人がいると大変危険です

先人と自然を侮らず、リスペクトする

素直に謝る気持ち自然にリスペクト

離岸流(カレント)に流される危険性

小波でも油断しないこと

カツオノエボシには、マジで気をつけて!オシッコ効きませんから!

●リーシュの耐久性と、リーシュが切れたときの危険性

サーフィン1年目の私にとっては、

「それほんと大事!」

「もっと早くちゃんと知っておけば…」

と痛感するものばかり。

アンケート回答から見えてきたのは、サーフィンを安全に・楽しく・快適に続けるための「3つの心構え」

サーフィンを安全・楽しく・快適に続ける3つの心構え

1.海でのルールとマナーを知る

2.ローカリズムを知る

3.海と自然の怖さを知る

ここからは、それぞれの心構えについて詳しく解説していきます。

1.海でのルールとマナーを知る

サーフィンは思っているより危険なスポーツ。

海が混雑する季節ほど、サーファー同士の衝突といった事故も増えます。

▼サーフィンで気をつけたい事故については、こちらの記事をどうぞ

サーフィンで気をつけたい事故

#サーフィンのコラム

ケガや事故を防ぎ、気持ち良くサーフィンを楽しむためには、海でのルールとマナーを守ることが大切です。

特に、以下の3つのルールとマナーは必ず押さえておきましょう。

●ワンマン・ワンウェーブ

●前乗り禁止

●ゲッティングアウト時のマナー

ワンマン・ワンウェーブ

サーフィンには、「ワンマン・ワンウェーブ」というルールがあります。

ひとつの波に同じ方向(レギュラーまたはグーフィー)に乗れるのは1人だけです。

なお、左右別々の方向に乗る場合は、1つの波に2人が同時に乗ることができます。

前乗り禁止

別のサーファーが先に乗っている波に、後から乗ることは「前乗り(またはドロップイン)」というタブー。

衝突の危険があるだけでなく。

前に割り込む形になるので、相手サーファーのライディングを邪魔するマナー違反です。

波は一番初めに割れるピークを起点に、左右に割れていきます。

波のピークに一番近いサーファーが、その波に乗る権利があります。(ピーク優先)

前乗りをしないためには、自分が乗ろうとしている波に、先に乗ってくるサーファーがいないかどうか。

波を見つけてパドルを開始してから、テイクオフする直前まで、周りをしっかり見る癖をつけましょう。

とはいえ、初心者は余裕がなく気付かず前乗りしがち…。

実は私もよくやってしまいます。

たとえ故意でなかったとしても、前乗りしてしまったことに気付いたら、すぐに相手に謝るのがマナーです。

昔はグーパンチが飛んでくることもあったようですが、今は軽く睨まれるぐらいで済みます。

ゲッティングアウト時のマナー

海でアウトに出る(ゲッティングアウト)時は、他のサーファーの動きに注意する必要があります。

他のサーファーの真後ろでパドルをしない
→ 前のサーファーが波に巻かれた時、サーフボードが飛んでくる可能性があり危険です

テイクオフやライディングをするサーファーがいたら、逆方向にパドルして避ける
→ テイクオフやライディング中のサーファー優先です

私は一度アウトに出るときに、テイクオフ中のサーファーとぶつかったことがあります。

アウトに出る途中に波に巻かれ、あっぷあっぷしていると。

気付くと目の前に、波に乗ろうと、こちらに向かって一直線に猛パドルするサーファーが。

そのサーファーも後ろに迫る波を追いかけていて、目の前の私に気付きません。

とっさに逃れようと横にパドリングしましたが、間に合いませんでした。

お互いのボードレールがゴツンと当たりましたが、幸いにも正面衝突は免れました。

しかし衝突寸前の、波と一緒に相手サーファーがこちらに向かってくるスピード感や、とっさに体が動かなかった感覚は忘れられません。

この場合、相手のテイクオフを邪魔しないよう、ゲッティングアウト中の私が避けなければいけません。

大きな事故にはなりませんでしたが、怖かったやら相手にも怒られるわで、苦い経験のひとつです。

どうしても避けるのが間に合わない場合は、大声を出してテイクオフ中の相手に気付いてもらうのも回避策の1つです。

▼サーフィンの事故に備えるための保険については、こちらの記事をどうぞ

サーフィンの事故に備える保険選びのポイント&おすすめ保険3選

#サーフィン

サーフィン初心者必読「NSAサーファーズ ルール&マナーブック」

海でのルールを学ぶには、NSA(日本サーフィン連盟)が発行している「NSAサーファーズ ルール&マナーブック」がおすすめです。

どういった状況が「前乗り」になるのか、海でよくある危険なシチュエーションや、それを回避する方法まで。

サーファーのルールやマナーが、初心者にもわかりやすくイラスト入りで解説されています。

サーフィンを始めるときに、一度は目を通しておきたいルールブックです。

NSAのHP上でも閲覧できるほか、サーフショップなどでも無料配布されています。

2.ローカリズムを知る

サーフィンには、ローカリズムという独特の文化があります。

いわゆるサーフポイントの「縄張り」みたいなもの。

どのサーフポイントにも「ローカル」と呼ばれるサーファーがいます。

ローカルは、

そのサーフポイント付近に住む地元サーファー

地元住民でなくても、そのサーフポイントに長年通うサーファー

のことを指します。

ローカルに対して、地元外から訪れるサーファーを「ビジター」と言います。

たとえば私は関西在住ですが、主に四国のサーフスポットへ通うビジターサーファーです。

サーフポイントによっては、

●ローカルオンリー(ビジターは入れない)ポイント

●ローカル優先の駐車場

などがあります。

「縄張り」とか「ローカルオンリー」とか、

・なんかサーフィンって閉鎖的で怖い…

・海は皆のものなのにおかしくない?

と感じた人もいると思います。

しかし、ローカルと呼ばれる人たちは、そのサーフポイントを長く大切に守っている人たちでもあります。

海は自然だからこそ、誰のものでもない代わりに、誰かが掃除やメンテナンスをすると決まっているわけではありません。

・地域の海を守るため、ゴミ拾い(ビーチクリーン)活動を率先しておこなう

・地元の漁業組合や地元住民と、サーファーとの良好な関係を保つ

・サーフスポットの地形や流れを熟知し、危険な場所や状況をビジターや初心者に教える

など、そのサーフスポットで安全に・気持ち良くサーフィンが続けられるよう尽力しているのがローカルサーファーたちです。

人気のサーフスポットほど多くの人が訪れるので、ゴミ・騒音・路上駐車など、地元住民とのトラブルも多くなります。

地元住民とのトラブルが原因でサーフィン禁止となったり、ローカルオンリーとなったサーフスポットもあります。

あるサーフスポットでは「ローカル」の人も、地元を出て別のサーフスポットに行けば「ビジター」。

それぞれのサーフスポットを守り、危険を知っているローカルの言うことは聞いておくのが賢明です。

ローカルサーファーを見分けるポイント

・車ではなく、自転車や原付バイクでサーフスポットに来ている(=近所に住んでいる)

・そのサーフスポットで、多くの人と会話や挨拶をしている

・「昨日は波がよかった」「最近の地形だと、潮が引きすぎると波がわるい」など、サーフスポットの事を熟知している会話をしている

こうしたサーファーは、ローカルの可能性が高いです。

ローカルの会話や行動には、ビジターやサーフィン初心者にとって有益な情報もたくさんあります。

たとえば、いい波が割れているのに、ローカルが誰も入っていないエリアがあるとき。

そのエリアは、浅い場所にテトラポットが埋まっていたり、流れがキツかったり、危険な場合があります。

この人ローカルかも…と思ったら、会話や行動をさりげなくチェックしておくのがおすすめです。

ローカルリズムを守るには、基本的マナーを守ろう

ローカルと良好な関係を築きながらサーフィンを楽しむためには、基本的なマナーを守ることが大切。

・駐車禁止の場所(路上・民家などの私有地)に車を停めない

・大勢で一気に海に入らない

・夜中や明け方に騒がない

・海・駐車場・地元コンビニなどで、ゴミを散らかさない

こうした常識を守れば、ビジターだからといって、やみくもに怒られることはありません。

ローカリズムは、経験者や地元サーフショップなどに確認しよう

サーフスポットによってローカリズムは違います。(ローカル優先のエリアがあったり、ローカルに波を譲る文化があったり)

初めて行くサーフスポットでは、サーフィン経験者や地元サーフショップなどに、あらかじめそのサーフスポットのルールについて聞いておくと安心です。

3.海と自然の怖さを知る

サーフィンは自然相手のスポーツ。

自然は思い通りにならないからこそ、奥深くもあり、怖さもあります。

実際に、サーフィン中の事故は毎年一定数起こっています。

2019年に、日本の海でサーフィン中に事故に遭った人数は以下の通り。

・水難事故に遭った人…69人(※1)

・うち死亡、行方不明者…12人(※2)

(※1 海上保安庁HP「H30年 海難の現況と対策」より)
(※2 警察庁生活安全局生活安全企画課「平成30年における水難の概況」より)

海の怖さを知り、自然をリスペクトする気持ちを忘れないことが大切です。

サーフィンをするにあたって、海で起こり得る3つの危険

●カレント(離岸流)の危険性

●クラゲの危険性

●雷の危険性

について解説していきます。

また、海での事故を回避するため、気をつけておきたい2つのこと

●リーシュコードの管理

●実力以上の無理をしない

についても解説します。

カレント(離岸流)の危険性

カレント(離岸流)は、ブレイクした波が、岸から沖に戻っていく流れのこと。

流れが速く強いので、上手く利用すると「アウトに出るのが楽」という便利な面もあります。

しかし「気付いたら、遠い沖まで流されていた」という危険性も。

カレントは、

・波と波の合間

・突堤や浅瀬沿いに発生することが多いです。

■ 波の合間に発生するカレント(離岸流)↓

■ 突堤沿いに発生するカレント(離岸流)↓

■ 浅瀬沿いに発生するカレント(離岸流)↓

図のようにカレント(離岸流)が発生しやすい場所では、沖に流され過ぎることのないように

●自分がどこから海に入ったか覚えておく(防波堤や木など、岸にあるものを目印に)

●周りのサーファーの波待ち位置を確認する

●波待ち中も、周りの景色・岸の目印などを時々見て、海での自分の位置を確認しておく

といったことに気をつけましょう。

【カレントに流された時の対応方法】

カレントに流されると、どんどん沖に連れて行かれ、岸に戻れなくなってしまいます。

カレントに流されていると思ったら、下記の2ステップで、流れを避けて岸に戻ることが大切です。

1.いったん岸と平行に泳ぎ、カレント(離岸流)を避ける

2.波が岸に向かって割れている場所(向岸流)を選んで戻る

▼カレント(離岸流)の仕組みや種類について、詳しくはこちら

サーフィンするなら知っておこう!カレント(離岸流)の仕組みと種類

#サーフィン

クラゲの危険性

8月中旬~10月頃まで、海にはクラゲが大量発生します。

地域にもよりますが、日本でよく見られるのはミズクラゲ

ミズクラゲは刺されても軽い痛み・痒み程度か、気付かないことがほとんどです。

<ミズクラゲ> 出典:SOZAING

しかし、カツオノエボシのように、注意が必要な猛毒クラゲもいます。

<カツオノエボシ>出典:Instaglam

カツオノエボシは刺されると

「バチーンと電気が走ったような激痛」

「アイスピックで刺されたような鋭い痛み」

があります。

その後、腫れ・痛み・かゆみ・皮膚のめくれなどの辛い症状が続きます。

長期間にわたって、傷跡が残る場合も。

<カツオノエボシに刺された傷の経過>出典:Instaglam

もしクラゲに刺されたら、

●患部を海水で洗う(こすらない)

●すぐに海からあがり安静にする

●毒針が残っている場合は、ピンセットなどで取る(素手で触らない)

●痛みがひどい場合は病院に行く

といった対処が必要です。

またクラゲに何度も刺されると、アナフィラキシーショックという重篤なアレルギー症状を起こす場合もあります。

クラゲに刺されないためには

●ウェットスーツやラッシュガードで肌の露出を避ける

●クラゲ予防ローションを塗る

といった対策が有効です。

▼クラゲ予防効果のある日焼け止めはこちら


クラゲは海中にいるだけでなく、海岸に打ち上げられている場合もあります。

うっかり踏んでしまったり、子どもが触らないように十分気をつけましょう。

雷の危険性

雷が海に落ちると、感電する危険性があります。

過去には、海にいたサーファーに雷が落ちる事故も起きています。

その事故では、雷に当たったサーファーだけでなく、周りのサーファーも感電して12人が死傷しました。

サーフィン中に雷が鳴ったら、すぐに岸へあがりましょう。

リーシュコードの管理

<リーシュコード>

安全に関わるリーシュコードの管理も大切です。

たとえば、サーフボードと自分を繋ぐ命綱のようなリーシュコード。

リーシュコードの寿命は、約2~3年といわれています。

もし切れてしまったら、サーフボードが流されて人に当たる危険性があります。

●中古サーフボードについてくるリーシュコードは使わない

●日頃からリーシュコードの劣化がないか気をつける

ことが大切です。

実力以上の無理をしない

自然相手に、自分の実力以上の無理をしないことも大切です。

波は、自分の実力には合わせてくれません。

休日に海に行ったら、たまたま「ムネカタたまに頭」なんていうビッグサイズの波にあたる日もあるでしょう。

風や海の流れがきつく、流されやすい時もあります。

危険だと思ったら無理せず海に入らないという選択が必要な時もあります。

アウトに出るのが危険だと感じたら、インサイドのスープで練習することも決して無駄ではありません。

その時の環境に合わせて、その時の自分にできることをしっかりやることが大切です。

ルールとマナーを学ぶには、サーフィンスクールもおすすめ

写真提供:SurfClub

ルールとマナーを学ぶには、サーフショップが開催するサーフィンスクールもおすすめです。

地元から都市部まで、多くのサーフショップがサーフィンスクールをおこなっています。

サーフィンスクールに入ると、

●経験豊富なサーフショップスタッフから、海でのルールやマナーを教えてもらえる

●サーフショップスタッフはローカルとの繋がりが深い人も多く、ローカリズムを教えてもらえる

など、ルールやマナーをしっかり学べるメリットがあります。

他にもサーフィンスクールには、

●我流でやるより、サーフィンの上達が早くなる

●サーフボードやウェットスーツのレンタルができるので、いきなり道具を揃える必要がない

●海から遠い都市部でも、海までの送迎付きスクールがほとんどなので、アクセス面で安心

サーフィン仲間ができやすい

といったメリットもあります。

サーフィンスクール選びのポイントはいろいろありますが、スタッフの人柄・教え方・お店の場所など、自分に合ったスクールを見つけるのが一番

プロに教えてもらえる・女性限定など、様々な特色のスクールがあるので、ぜひ探してみてください。

▼サーフィン初心者におすすめのサーフィンスクール特集。スクール選びのポイントも

初心者・女性におすすめのサーフィンスクール7選【千葉・湘南・愛知・大阪・神戸・四国】

#サーフィン

まとめ

サーフィンを安全で快適に楽しむためには、

1.海でのルールとマナーを知る

2.ローカリズムを知る

3.海と自然の怖さを知る

の3つの心構えが大切です。

私自身、サーフィン初心者真っ只中。

海に行くたび、いろんなルールやマナーを知ったり、怪我したり反省したり…学びの連続です。

特に始めたての頃は、

「このポイントは初心者は入れない」

「初心者のエリアはこっち」

「海でのこういうシーンではこう動くべき」

みたいな独特のルールがいまいちわかりませんでした。

サーフィンってちょっと閉鎖的で怖い世界だなという印象も持っていました。

しかしちょっとしたルールやマナーを知っておけば、初心者もビジターも、サーフィンがより楽しく・続けやすくなるはず。

そして経験者もローカルも、気持ちよくサーフィンを楽しめる時間が増えるはず。

これからサーフィンを始める人も、

最近サーフィンを始めた人も、

3つの心構えをもって、楽しいサーフィンライフを送りましょう。

▼サーファーの基礎知識。波と地形の種類とは?

波と地形の種類って?サーフィンするなら知っておきたい超基礎知識

#サーフィン

▼初心者必見!サーフィンに必要な道具一式と値段の目安

サーフィンに必要な道具一式16選と値段リスト。初心者が賢く選ぶポイントは?

#サーフィン

▼サーフ用品を探すなら

Writer
Nanae.A
Nanae.A ライター

サーフィン歴2年、万年初心者ママサーファー。
スノボ歴は5年。

リアル初心者・女性・2児の母である独自の視点を交えて、横ノリスポーツの魅力や情報を記事にのせてお届けします。

関連記事

Most Popular

Tag

more

Recommend

Link

  • link

ページトップへ戻る