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サーフィンするなら知っておこう!カレント(離岸流)の仕組みと種類

サーフィンするなら知っておこう!カレント(離岸流)の仕組みと種類の画像
15,443 views 2022-3-5 UPDATE

カレントまたは離岸流と聞いて、皆さんはどんなイメージを抱きますか?

毎年夏になると耳にする水難事故の原因となるものであったり、ネガティブなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?

たしかにカレント及び離岸流は、こわいものです。

しかしサーファーにとっては必ずしもそうではなく、実は上手く利用すれば便利な存在でもあったりします。

「え、カレントが便利な存在ってどういうこと?」

この記事ではそんな疑問を抱く方に向けて、カレント及び離岸流の発生の仕組みや特徴の解説をします。

また、
「これからサーフィンを始めたい!でも、海って怖いしよく分からなくて不安...」

「この前サーフィンした時にカレントに流されて怖い思いをした...」

「カレントに流されたらどうしたらいいの?」

「どうすればカレントを上手く利用してサーフィンできるの?」

そんな不安や疑問を感じている方も、基本的なカレント(離岸流)の仕組みをしっかり理解し、海で起こる危険なリスクを回避して安全にサーフィンを楽しみましょう。

海を知ることは、サーファーのマナーとも言えます。

それでは、カレントとはなにかという基本的な説明をメインに、プラスαでカレントの種類や見分け方などにも言及し解説していきます。

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カレント(離岸流)ってなに?

それではまず、カレント(離岸流)とはそもそもなにかという基本的な説明をします。

カレント(離岸流)とは、 海岸に打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する強い流れ のことです。

波は沖から続けて海岸に打ち寄せますが、海水はどんどん岸に貯まってしまうので、当然沖に戻ろうとします。

その時に岸から沖へと流れる速い流れのことを、カレント及び離岸流と呼びます。

↑上に載せた写真は、筆者が実際にサーフトリップで行った東台湾のポイントで、カレントがとても強かった場所の写真です。

ではここで質問です。

この写真を見て、カレントがどこでどう発生しているか分かりますか?

もし写真だけを見てパッと分かる方は、この記事は読まなくても全く問題ありません。海をよく知るサーファーと言えますね。

ほとんどの方が、この質問に答えられないかと思います。

答えは、↓こうです。

写真右下の、海に向かって左側に流れる流れと、写真左の沖に向かって流れる流れです。

このポイントは、ボトムが玉石(砂利)と呼ばれる地形で、一般的に玉石のポイントは強いカレントが発生しやすいとされています。

特に写真右下のカレントは強く、岸寄りのインサイドと呼ばれる場所でのカレントになり、海底も大きな石がゴロゴロしているため危険です。

沖に出ようとしても、カレントがとても強いのでなかなか思い通りの方向に進みません。

どんどん左に流されていきますし、流れが強いので板も矢印の方向に向いてしまい、打ち寄せる波に対して板が並行になってしまいます。

そうなると波に板ごと巻き込まれてしまい、最悪海底の大きな石に体も板も強く打ちつけられます

怖がらせるのが目的ではありませんが、これがカレントの危険性です。

しかし!

写真左の、沖に向かって真っ直ぐ進む流れは、 サーファーの味方となる頼もしいカレント なのです。

それはどういうことか。

サーフィンは沖に向かってまずはパドリングし、波が崩れる"ブレイク"と呼ばれるポイントを目指します。

そのブレイクポイントからサーファーは波に乗っていくわけですが、そのブレイクポイントまで辿り着くのがなかなか大変でしんどいんです。

波数が多いと最悪で、1本の波に乗るために何度も何度も沖に向かう途中波を越えて、ようやく沖に辿り着きます

辿り着いたときにはもうヘトヘト...なんてことはよくあります。

そんな、サーファーが沖に出る時に、このカレントが大活躍します。

写真左のカレントは沖に向かって真っ直ぐ流れていると説明しましたが、基本的にカレントが発生している場所では波が立たないか、立っても小さい波に抑えられます。

つまりこの流れを利用して沖に出る時は、波を越える必要もなく、かつ素早く流れに乗って沖に出ることができるのです。

疲れずに素早く沖に出られるので、サーファーの味方だということです。
※カレントを利用してそこから出る時は、そのカレントの流れに対して垂直に(岸に向かって並行に)、横にパドリングすると出られます

カレント(離岸流)の基礎について理解していただけましたか?

それでは次に、そんなカレントの種類とその特徴について簡単に解説したいと思います。

カレント(離岸流)の種類

カレント(離岸流)は実は大きく分けて2種類あります。

それが、砂地のビーチで発生しやすいリップカレント珊瑚や岩の切れ目で起きやすいリーフカレントです。

では実際どんな違いがあるのか。どんな注意が必要なのか。

早速、この2種類のカレントについて解説をしていきます。

リップカレント

海底が砂地のビーチなどの海水浴地でも発生しやすい一般的なカレント及び離岸流を、リップカレントと呼びます。

夏はよく、海水浴客が海に流されたという事故を耳にすると思いますが、それら大半がこのリップカレントによるものです。

ビーチに打ち寄せた波が運んできた海水が、沖へ引き返すことによって発生する強い流れです。

打ち寄せた波は、比較的波の勢いが弱いところや、海底が少し掘れていて水路のような地形になっているところに集まって、沖に向かって引いていきます。

波が大きければ大きいほど水量が増えカレントの力は強くなり、流れの速さも速くなります。

海底が砂地だと、常に地形は動き変化し続けるので、カレントが発生する場所も変化します。

そのため、カレントの場所を特定するのに慣れるには、最初時間がかかります。

場所を特定するコツは、海面上のゴミや浮遊物を探して追跡し、どのようにそれらが移動するかを見極めるか、実際に海に入って、急に水深が深くなる所があれば、そこは沖に向かう水路のようになっている可能性が高く、怪しいです。

砂地のビーチのポイントでサーフィンをする際は特に、毎度カレント観察を欠かさずにすることで、スムーズにサーフィンができるはずです。

以上がリップカレントの特徴です。

リーフカレント

海底が珊瑚や岩のポイントで、その切れ目から沖に向かって流れるのがリーフカレントです。

その原理はリップカレントと同じで、岸に集まった海水が、勢いよく沖に向かって流れる流れです。

地形がほとんど変化しない珊瑚や岩の切れ目から流れていくので、地形が動きやすい砂地のリップカレントとは違い、いつも同じ場所でリーフカレントは発生しています。

また、リーフカレントの場所は、通常下げ潮の際の海水の通り道となっていることも多く、リーフカレントに下げ潮の時間帯が重なると、かなり流れは速くなります。

下げ潮の際は水深も浅くなり、珊瑚や岩も剥き出しになることもあるため、この時間帯にリーフカレントに近づくのは大変危険です。

一度沖に出てしまったら戻って来れなくなる危険性は、リップカレントよりもリーフカレントの方が非常に高いです。

サーフィン上級者であれば、リーフのポイントの波質は良く、上手くカレントに乗って沖に出て、良い波に乗って帰ってくることも可能です。

しかしそうでなければ、リーフカレントに近づくことは得策とは言えないかと思います。

また、リーフカレントが発生する地形の切れ目の場所は、高い場所から俯瞰して観察しないと肉眼で確認することが難しかったり、アウトの遠い沖の方で発生するカレントは、近づかないと分かりません。

そのため、カレントを見極める難易度も、リップカレントよりもリーフカレントの方が高いと言えます。

以上がリーフカレントの特徴です。

まとめ

カレント(離岸流)は危険なものですが、上手く利用すればサーファーにとっては便利なものだということが分かったかと思います。

しかし、いくら上級者であっても注意深く観察しないと、海はこわいです。

筆者の周りのサーファーにも、カレントに流され、テトラに衝突しかけて死にかけたという人や、カレントが強すぎて岸に戻って来れず溺れかけた人がいたりします。

どれだけサーフィンの経験があっても過信せずに、自分の力量に合った海に入ることも大切かと思います。

海をフィールドにするサーファーとして、しっかり海の知識は付けておきましょう。

きっと、勉強しておいて良かったと思える時がくるはずです。

もっと海の知識を幅広く知りたい方は、↓こちらの本もおすすめなので、ぜひ読んでみてください。

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Writer
KATSU
KATSU 千葉北サーファー

千葉北をホームとするサーファーです。
オルタナ系ボード好き。
サーフィン中心の生活を送りながら、色々と事業をしています。

長野県白馬村出身・千葉県在住
嫁の出身地フィリピンと千葉のサーフデュアルライフを目指してます。
海沿いのマンションを購入してのんびり暮らしてます。

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