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【理学療法士監修】サーフィンの筋トレ11選!動ける体をつくる4つのポイント

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44,304 views 2021-2-23 UPDATE

サーフィンの筋トレは、「動ける体づくり」を意識することが重要です。

ジムに行ったり重いダンベルを持って筋肉を増やすだけでは、サーフィンは上達しません。

筋肉・骨・関節の可動域を広げ、サーフィンの「動作」がしやすい体をつくることが大切です。

そこで理学療法士・渡辺聡一郎氏に、サーフィンに効果的な筋トレを教えてもらいました。

理学療法士は医学的リハビリテーションの専門職で、いわば「動作」の専門家。

病院や介護施設などで、歩く・座るなどの日常動作に障害がある患者の回復支援をするほか。

関節可動域の拡大や筋力向上など「動作改善」の専門性を活かし、スポーツチームに属する理学療法士もいます。

今回サーフィンの筋トレを教えてくれた理学療法士・渡辺氏は、自身もサーファー。

プロサーファーのボディケアを手がけることもあります。

渡辺氏に教わる筋トレにはどれも、派手な動きや、大きな負荷はありません。

しかし、じわじわとインナーマッスルに効いてくるものばかり。

さらに

■ジムに行かなくても、自宅でできる

■ダンベルやチューブなどの特別な道具不要(タオルなど家にあるものでOK)

■女性や子供にも負担が少ない

ので、「継続」しやすい筋トレメニューなのもポイントです。

サーフィン初心者や、筋力不足を感じる女性サーファー。

体が重いと感じる40〜50代以上のミドルサーファーはもちろん。

冬の間あまり海に行っておらず、筋力低下が心配…

というサーファーにも、ぜひ試してほしい筋トレです。

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サーフィンで動ける体をつくる筋トレとは

サーフィンで動ける体をつくる筋トレには、4つのポイントがあります。

1.「背骨」「股関節」を伸ばす

●広背筋ストレッチ
●腹直筋ストレッチ
●腸腰筋ストレッチ

2.「肩甲骨」の動きをよくする

●大胸筋ストレッチ
●三角筋ストレッチ
●結髪動作と肩関節包のストレッチ

3.「パドル筋」を鍛える

●広背筋トレーニング
●脊柱起立筋トレーニング
●大臀筋トレーニング

4.「腹筋」を鍛える

●腹直筋トレーニング
●体幹(腹筋群)トレーニング

ここからは4つのポイントに応じた、サーフィン用筋トレ11選を詳しくご紹介します。

サーフィンの筋トレ1.「背骨」「股関節」を伸ばす

理学療法士・渡辺氏いわく、背骨や股関節まわりは、筋力をつけるより可動域を広げることが最優先。

プロサーファーの体をマッサージしていると、背骨や股関節の柔らかさに驚くと言います。

サーフィンは、パドル時などに体を反ることが多いスポーツ。

背骨や股関節の可動域が狭いまま体を反ると、腰痛や肩の痛みにつながります。

背骨を柔らかくするには、広背筋(こうはいきん)腹直筋(ふくちょくきん)

股関節を柔らかくするには、腸腰筋(ちょうようきん)のストレッチがおすすめです。

広背筋ストレッチ

広背筋(こうはいきん)は、背中の広範囲につく大きな筋肉。

体を反らす・肩甲骨を下げる・手を後ろに引く時に使います。

広背筋が硬いと、パドル時に肩の重みや痛みを感じやすく、疲れやすくなります。

しっかり伸ばすことで、腰痛予防の効果もあります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

家事や介護で前屈みの作業をすることが多い・猫背・反り腰の人は広背筋が硬くなりがち。

左右それぞれ20〜30秒間、しっかり体をひねって伸ばしてみてください。

腹直筋ストレッチ

腹直筋(ふくちょくきん)は、お腹のシックスパックの部分の筋肉。

体を曲げる時に使います。

実は頑張って腹筋運動をしても、その後のストレッチをしっかりしないと、腹直筋がかえって硬くなる恐れが。

腹直筋が硬くなると猫背になり、体を反らす動作がしづらくなります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

ストレッチをする時に肩がすくんでしまうと、上体が沈んで体の反りが甘くなります。

しっかり肩を落として、脇が開かないようにするのが腹直筋を伸ばすポイント。

体を反ると腰が痛くなる場合は、胸を張るように意識してください。

腸腰筋ストレッチ

腸腰筋(ちょうようきん)は、腰骨・骨盤から股関節の前側についている筋肉。

腰を反らせたり、股関節を曲げる時に使います。

サーフィンでは、正しいフォームでサーフボードに力を伝えるのに、股関節の動きが非常に重要。

股関節の動きを良くするためには、腸腰筋を柔らかくしておくことが大切です。

腸腰筋の柔らかさは、腰痛や股関節痛の予防にもつながります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

股関節の前側が張ってきたら、正しくストレッチできている証拠。

伸ばした姿勢を30秒間キープし、戻す動作を3回ほど繰り返すと効果的です。

サーフィンの筋トレ2.「肩甲骨」の動きを良くする

肩甲骨の動きが良くなると、肩全体の動きが良くなり、パドルで疲れにくくなります。

肩甲骨の動きを良くするためには、胸や肩まわりを柔らかくすることが大切。

大胸筋(だいきょうきん)三角筋(さんかくきん)、肩の関節包(かんせつほう)のストレッチがおすすめです。

大胸筋ストレッチ

大胸筋(だいきょうきん)は、胸の前側についている筋肉。

大胸筋が硬いと、肩の可動域が激減します。

猫背気味の人は大胸筋が萎縮したまま固まり、肩甲骨が外に開いた状態になっていることも。

大胸筋を柔らかくすると、肩こりや肩の痛みを解消する効果もあります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

しっかり肩を沈めて、胸の筋肉が伸びているのを感じられればOK。

肩を沈めた時に、伸ばす方向と反対側に顔を向けるとより効果的です。

三角筋ストレッチ

三角筋(さんかくきん)は、肩を覆う筋肉。

手を外に開いたり、上にあげる動きをする時に使います。

三角筋が硬いと、肩の可動域が減って胸も張りづらくなるため、パドルで疲れやすくなります。

とくに猫背や巻き肩の人は、三角筋の前側が硬くなりがち。

筋トレでしっかり動かして柔らかくし、三角筋の動きを良くしましょう。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

腰を落として、肩の前側や胸の筋肉が張ってきたらストレッチできている証拠。

腰を落とす時、肘が開かないように注意してください。

大胸筋ストレッチと合わせてやることで、更に効果がアップします。

結髪動作と肩関節包のストレッチ

文字通り、両手で髪を結う結髪(けっぱつ)動作の筋トレ。

三角筋の前側や大胸筋など、肩の前側につく筋肉をほぐす効果があります。

猫背や巻き肩の人は、肩の前側の筋肉が萎縮したまま固まって、肩が前側にズレています。

肩の前側の筋肉をほぐして正しい位置に戻すと、肩の可動域が広くなります。

また肩まわりは筋トレだけでなく、肩関節を包みこむ関節包(かんせつほう)という組織を柔らかく伸ばすことも大切。

関節包のストレッチは、四十肩や五十肩の予防にもつながります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

肩の前側と、肩の関節包を鍛えて伸ばす4つのエクササイズ。

頭を洗いにくい、ドライヤーが使えないほど肩が痛いという人にも効果的です。

サーフィンの筋トレ3.「パドル筋」を鍛える

パドルでは、背中を反った姿勢をとります。

この姿勢を支えるのが、背中の広背筋(こうはいきん)・脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)と、お尻の大臀筋(だいでんきん)

反った姿勢を維持できなければ、体幹がフラつきがちになり、良いパドリングができません。

テイクオフも遅れがちになります。

また背中の筋肉は、パドルで肩を大きく動かす時にも使います。

広背筋トレーニング

背中につく大きな筋肉、広背筋(こうはいきん)

肩甲骨を下げたり、手で引っ張るときに強く働きます。

広背筋がしっかり働くことで、反った姿勢が維持できるとともに、パドルで大きく肩を動かすことができます。

筋トレとストレッチを合わせて広背筋を柔らかく保つことで、体を反りやすくする効果もあります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

タオルを胸に近付けるように引く際は、しっかり肩甲骨を下げます。

肩がすくまないように注意しましょう。

背中から腰にかけて力が入っていれば、正しくトレーニングできている証拠です。

脊柱起立筋トレーニング

脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、首から腰にかけてつく細長い筋肉。

背筋を伸ばしたり、姿勢を保持する働きがあります。

サーフィンで背中を反らす姿勢を維持するには、脊柱起立筋の働きが不可欠。

しかし猫背や反り腰気味の人は、脊柱起立筋が硬くなり、動きが悪くなっていることが多いです。

筋トレで意識的に動かし、筋肉の緊張を緩和させましょう。

腰痛予防にも効果的です。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

背中を丸める時は徐々に力を抜き、骨盤を「後ろ」に倒します。

胸を張る時は背中に力を入れ、骨盤を「前」に倒します。

坐骨がタオルの上を転がっていることを意識しましょう。

大臀筋トレーニング

大臀筋(だいでんきん)は、お尻の大きな筋肉。

サーフィンでは、背中を反った姿勢や体幹の保持に大臀筋を使います。

パドリングの時、お尻をキュッと引き締めることを意識している人も多いはず。

大臀筋が弱いと背中が曲がって腰が前に出るため、股関節が伸びず硬くなる原因に。

また腰痛や膝関節痛の原因にもなります。

大臀筋を筋トレすることで、姿勢改善やお尻の引き締め効果もあります。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

できるだけ体が一直線になるまで、お尻をあげると効果的です。

お尻を意識するため手を添えるのがポイントですが、手の力でお尻を上げないよう注意してください。

サーフィンの筋トレ4.「腹筋」を鍛える

サーフィンではパドルや胸をしっかりと張るために、背筋や肩まわりの筋トレだけに集中しがち。

しかしボードを体幹で押さえて安定させるためには、腹筋も重要です。

腹筋に力を入れて腹圧を高めることで、ボードを押さえやすくなります。

腹筋群(腹直筋・腹横筋・腹斜筋)の筋トレで、お腹のインナーマッスルを鍛えましょう。

腹筋群トレーニング

腹筋群(ふっきんぐん)は、腹直筋(ふくちょくきん)・腹横筋(ふくおうきん)・腹斜筋(ふくしゃきん)からなるお腹の筋肉群。

腹式呼吸など深い呼吸や、体幹を安定させる作用があります。

特に腰まわりにつく腹横筋・腹斜筋は体幹を安定させるコルセットのような役割があります。

腹筋が弱いとパドル時に体幹がブレて、サーフボードが安定しません。

また腰に負担がかかるため、腰痛の原因にもなります。

腹筋群の筋トレで、お腹のアウターマッスルとインナーマッスルを同時に鍛えましょう。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

四つん這いになった時、背中は軽く丸くするのがポイント。

肘と膝を引き寄せた時に息を吐き、戻した時に吸うと効果的です。

腹直筋トレーニング

腹直筋(ふくちょくきん)は、お腹の前面についている筋肉。

呼吸に関わるほか、腹圧を高める働きがあります。

腹圧を高めると、サーフボードを体幹でしっかりと押さえることができます。

また起き上がる・体を曲げる・ひねるなど、日常の様々な動きに関わる重要な役割も。

腹直筋トレーニングのあとは必ずストレッチをして、柔らかくしなやかな筋肉を保つのがポイントです。

理学療法士からのワンポイントアドバイス

足を上げる時に腰が浮かないよう、お腹に力を入れながら行うのがポイント。

足を上げる時に息を吐き、戻す時に吸うと効果的です。

まとめ

理学療法士に教わる、「サーフィンの動作がしやすい体をつくるための筋トレ11選」をご紹介しました。

どの筋トレも、サーフィン上達に効果があるだけでなく。

腰痛・猫背・五十肩の改善や予防など、日常動作に役立つ筋トレばかり。

筆者も実際にこの筋トレをすると、肩や胸まわりがスッキリして肩こりが改善されます。

陸トレでパドルをしていても、肩甲骨の動きが良くなっているのがわかるほど。

サーフィンは、腰痛や首肩の痛みなど慢性的な怪我も多いスポーツ。

サーフィンの動作をスムーズにする筋トレで、サーフィン上達とともに怪我も予防しましょう。

取材協力:渡辺聡一郎氏(理学療法士)

約10年間、岡山の総合病院で理学療法士として勤務。

NSCA認定パーソナルトレーナー。

現在は理学療法士 兼 トレーナーとして、Shore Fitness岡山を運営。

40代・50代からの動ける体づくりをモットーに、体のセルフケアや健康についての情報発信のほか。

オンラインレッスンでの個別指導、フィットネスジムでの健康指導をおこなう。

InstagramやTwitterには、自宅でできる痛み改善・怪我や病気予防のセルフケア法が満載。

DMやオンラインレッスンによる、痛みや動きづらさに対する個別指導もおこなっている。

Instagram:@shorefitness_okayama

Twitter:@Shore fitness 岡山

Writer
Nanae.A
Nanae.A ライター

サーフィン歴2年、万年初心者ママサーファー。
スノボ歴は5年。

リアル初心者・女性・2児の母である独自の視点を交えて、横ノリスポーツの魅力や情報を記事にのせてお届けします。

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