スノーボードの滑走性能と操作性能を高めるために必要不可欠とされているワクシングだが、広義な意味合いで分ければホットワックスとスプレーワックスに代表される生塗りに分類される。
一般的に
ホットワックス = 手間がかかり、大のスノーボード好きがするもの。
スプレーワックス = 初心者がスキー場に来てから滑る直前にするもの。
見方をされている方が多くいるかと思うが、決してそういう訳ではない。
下記ガリウムの本社にお伺いしてワクシングについて色々とお話を聞いた中でも取り上げられているのでチェックして欲しいのだが、その日の雪温に対して柔軟に対応できるスプレーワックスは、競技に参加する選手が試合直前にスタートワックス(これもワックスの生塗り)を行うほど重宝されるのだ。(ホットワックスの場合は滑る前日にワクシングすることがほとんどなので、次の日の天候を読むという作業が発生する)
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ホットワックスについて、もっと知りたくて仙台にあるガリウム本社に行ってきた
#REPORTまた、短時間で且つ技術をそれほど要さないというのもスプレーワックスのポイントだろう。
今回はホットワックスではなく、スプレーワックスにフォーカスして色々と解説していくことにしよう。
Contents
スプレーワックスのメリット・デメリット
冒頭でもスプレーワックスのメリットをざっくりと述べたが、詳しくメリットとデメリットの双方を深堀していこう。
メリット
技術を要さない
ホットワクシングには技術が必要だということをご存知だろうか。
ホットワックスとは、読んで字の如くなのだがソールに熱を入れながらワックスを浸透させることに意味のあるワクシングであって、単にワックスを溶かしてソール面に塗っている訳ではない。
このソールを焦がすことなく、ソールを適度に温めながらワックスを入れていく工程は、何度もワックスがけをしながら体で覚えていく他なく、ホットワックスを長年やっている人も意外にもその意味を捉えてワクシングできている人は少ない。
一方のスプレーワックスはムラなく塗ることができ、初心者の方でも簡単にワクシングすることができる。
短時間でワクシングできる
ホットワックスのデメリットとして、ワクシングに時間がかかることが挙げられる。
時間もかかり、且つかなり疲れる。
対してスプレーワックスの場合は、ワックスを剥がすという工程が無いため短時間で終わるし、楽にワクシングすることができるのだ。
その日の雪のコンディションに合わせる
みぞれが降っているのか、パウダーなのか、ピーカンなのか。
その日になってみないと分からないのが山の天候。
スプレーワックスとはいうものの、固形ワックスでの生塗りの工程を挟むことによって、その日の雪温に合わせることができるので、最適な滑走性能を引き出すことができる。
デメリット
長持ちしない
ホットワクシングする最も重要な意味合いとして、ソールに浸透させたワックスをゆっくり出しながら滑るという表現されるように、ワックスの持ちは長い。
では、スプレーワックスはどうだろう。
熱を入れないスプレーワックスはソールの表面にワックスを塗っているだけなので、滑っているうちにワックスが剥がれ落ちてしまう。
早いと半日滑るだけで著しく滑走性能が低下することもあるため、継ぎ足しでワックスを塗らなければならない。
スプレーワックスの手順
それでは本題でもある、スプレーワクシングの一連の流れをご説明していきたいと思う。
ここでは、ガリウムワックスが提供している"GENERAL・F SET"を題材にする。
クリーニング
まずはソール面についている汚れを落とすために、クリーニングを行う必要がある(ホットワクシングでもこの過程は存在する)。
クリーナーをキッチンペーパーや専用のペーパーに染み込ませてソール面を拭いていく。
ソールが汚れていれば、その分だけペーパーに汚れが付くので、なるべく付かなくなるまで拭こう。
最後に乾拭きを行うときれいに且つクリーナーの乾きが速くなる。
拭き終わったら、数分放置してクリーナーの液が完全に乾くのを待つ。
生塗り
ここでスプレーワックスをするかと思いきや、固形ワックスでソール面に生塗りをしていく工程。
写真では、ベースワックスのVIOLET(雪温-4℃〜+3℃に適した)を塗っているが、その日の雪温に適したベースワックスを塗ることでより滑走性能を向上させることができる。
言うまでもないが、ホットワックスの考え方同様にフッ素の配合された、HYBRIDシリーズや滑走シリーズのワックスを使用すれば、より大きな効果を得られる。
ワクシング
生塗りが終わったところで、次に本題のスプレーワックスをかけていく。
ソール全体に伸ばすように塗っていこう。
ちなみに、GENERAL・F SETに入っているGENERAL F100はフッ素を配合しているため、ベースワックスのみのホットワクシングよりも質の良いソールを作り上げることができる。
コルク掛け
スプレーワクシングが終わったら、ソール面が濡れていると思うので乾くまで待とう。
完全に乾いたところで、コルク掛けをしていく。
意味合いとしては、ソール面に塗られたスプレーワックスを均質に伸ばし、ソール面に圧着するために行う。
ブラッシング
コルクでワックスを伸ばせたところで、仕上げにナイロンブラシでソール面を磨きあげていく。
ホットワクシングの工程にある、ボアブラシを用いてストラクチャーからワックスを掻き出すような感じではないため、それ程力を入れる必要はないが、磨くために少し力を入れて行うと良いだろう。
綺麗にブラッシングできたところで、終了。
『コルク掛け』と『ブラッシング』をしっかり行うとワックスの効果が長続きするので頭の片隅で覚えておこう。
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スプレーワックスについてのまとめ
スプレーワックスの記事いかがだっただろうか。
固形ワックス生塗りの工程を挟むことで、滑走性能を向上させることができるのに加えて簡単お手軽に導入することができる。
ホットワックスまではさすがに面倒だ。という方は是非、スプレーワックスをお試しになってみて欲しい。
ちなみにスノーボードの滑走性能やソール面の持ちなどを考えると、ホットワックスをかけた方がやはり良いというのは間違いない。
手間はかかるがその分の効果は得られるだろう。下にホットワックスの詳細情報が書かれているコラムをご紹介しておく。
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TAIVAS オーナー 兼 編集長
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