スノーボードのコラム

スノーボードチューンナップのプロが伝えるホットワックスをする前には必ずチューンナップをした方がいい理由

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24,520 views 2019-12-14 UPDATE

スノーボードの板が万全の状態でメンテナンスされていないとスノーボードの上達に悪い影響を及ぼす。

こんな話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この話は本当なのか、それとも嘘なのか。
答えは簡単。

本当です。

ところで、メンテナンスの代表的なものといえば、ホットワックス。

自分のスノーボードを購入して、スノーボードしに行く人はワックスをかける習慣があると思いますが、もしかしたらホットワックスをかけて効果が全く得られていない可能性があります。

ホットワックスについての詳しい情報は下記記事を参照して下さいね。

プロが教えるホットワックスのかけ方『たった6つのコツ』

#スノーボードで使う道具

どうすればホットワックスの効果を最大限得られるのでしょうか。

答えは自分の板をチューンナップに出すことで解決します。

なぜチューンナップに出すとホットワックスの効果を最大化させることができるのか、

そのポイントについては、スノーボードチューンナップのプロ、√J FACTORY(ルートジェイファクトリー)の代表 中井さんにお話しをお伺いしてきたので、記事の本文で詳しく解説していきます。
人柄も素晴らしい方で、奇策にホットワックスとチューンナップについてお話しして下さいました。
それでは、インタビュー形式でホットワックスとチューンナップの関係について深堀りしていきましょう。

中井 徹 : スノーボード最大手ブランドBURTON関東にてチューンナップ業務に5年間従事。その経験を元に2002年に独立。スノーボードチューンナップ工場、√J FACTORYを設立し、今に至る。チューンナップ歴は20年を超え、そのチューンナップ技術はプロをも唸らせる。 

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ホットワックスは化粧水。滑走面は肌

R/ForA(以下R) : ホットワックスをかける前にチューンナップした方がいい理由について教えて下さい。

中井さん : この質問に対しては、よくこの例えで話すんだけど。 ガッサガサの肌に化粧水をしても化粧水が染み込んでいかないよね。この考え方と同じで滑走面が肌で、ホットワックスが化粧水というイメージで考えてもらえればいいと思う。

中井さん : ちなみに自分のスノーボードの滑走面が、こんな感じで白くなってしまっていることってないかな?

中井さん : これは焼けて毛羽立っている。という状態で、この状態でホットワックスをかけたところで毛羽が邪魔をしてソールの中にホットワックスが染み込んでいかない。だからホットワックスを頑張ってしたところであまり意味がないんだよね。

R : これ初心者の板はみんなこうなってませんか?

中井さん : メンテナンスをしていない初心者の方の板はよくこうなってしまっているね。ホットワックスをしても1日滑って、滑走面が白く毛羽立った状態になってしまっている場合は、チューンナップに出さない限り、ホットワックスをソールの中に染み込ませることは難しい。
この場合はチューンナップでソール面を一皮むいてあげてから、ホットワックスを入れていってあげることが大切です。

R : なるほど。ちなみに、チューンナップをするとどれくらい滑りに影響するものなのでしょう。

中井さん : チューンナップをしてホットワックスをかけている板と、チューンナップをしていないでホットワックスをかけている板とで比較すると、滑り始めの1本2本はほとんど大差は出ない。
だけど、滑っていくうちにどんどんその滑りに差が出てくる。緩斜面でその違いがすごく分かると思うよ。
毛羽立った状態でホットワックスをかけただけの板は緩斜面でおいていかれるけど、しっかりとチューンナップをしてホットワックスしている板であれば、板が走る。

なぜ毛羽立つのか

R : すごく基本的な質問になってしまいますが、なぜ毛羽は立ってしまうのでしょうか?

中井さん : 滑走面の毛羽立ちは、雪との摩擦によるもの。スノーボードはエッジトゥエッジで滑って面圧がかかるから、特にエッジ付近は焼けて毛羽立ちが目立ってしまいがち。これはスノーボードをしていれば必ずなっていってしまうものだから仕方のないことなのだけれど、定期的にホットワックスをかけてあげれば軽減できますが、自分でできない作業はチューンナップに出して滑走面を整えてあげましょう。

R : ウェブで毛羽取りを自分でやる方法など紹介されていることがありますが、実際に実践してみれば毛羽は取れるものなのでしょうか。

中井さん : 正直、ブロンズブラシで取りましょうなど書いてあるけど、取れていない場合がほとんど。セルフでやれることには限界があり、それなりの技術が必要です。自信の無い方や迷ってる方はチューンナップに出すのが一番良いです。

チューンナップに出す最適なタイミングは?

R : チューンナップに出す最適なタイミングはいつがいいでしょうか。

中井さん : チューンナップに出すタイミングは、シーズンが終わったら出すのがベスト。
1シーズン使って汚れてしまった滑走面をチューンナップで整えてあげて、√J FACTORYではオプションになってしまうけれど、プラスでベースワックスを入れてから保管してあげることで滑走面の酸化を防いで、来シーズンまで直射日光が当たらないスペースで保管することがベストだね。

R : スノーボードの初心者目線だと、シーズンが終わったらケースに入れたまま押し入れにドーン。シーズンの直前に、そういえば板ってどんな状態だったっけ?メンテナンスしないとダメかな。というケースがすごく多いと思いますが、これはあまりよくないですか?

中井さん : それで板がダメになるって事はないけどお勧めできないです。シーズン直前はスノーボード業界全体が繁忙期だから、納品できる時期が変動してしまうから、最大で約2週間は返送するまでかかってしまうケースもあるから、チューンナップしてほしい場合はLINEで直接連絡してほしいかな。

R : なるほど。ということはやはりシーズンの終わりにチューンナップに出すことがベストですね。

中井さん : √J FACTORYでは、シーズンの終わりにチューンナップキャンペーンという名目でセールをやるから、手元に板があるなら、早い時期に出してもらうと余裕もあり、お財布に優しい。来るシーズンの突然のお誘いでも完璧な状態で滑りに行けるしね。
なので、シーズン終わりのタイミングで出してもらえるのがベスト。
しかし、シーズン終わりに出し忘れて現状滑走面がガサガサな方がいましたら、今からでも遅くはありません。
シーズン初滑りの前に、チューンナップに出してシッカリと板を整えてゲレンデで楽しみましょう

R : ありがとうございます。

チューンナップに出す頻度はどれくらいがいいのか

R : チューンナップに出す頻度はシーズンが終わったら出すという年に1回というペースが一番いいですか?

中井さん : 自分でメンテナンスをしっかりとできないという人は毎年出した方が良いと思う。板の持ちもよくなるし。
けれど、年に数回しか滑りにいけないっていう人は、毎年出さなくてもいいかも。シーズン終わりで板を保管するときは滑走面をクリーニングしてホットワックスをかけて保管してください。

R : 必ずしも毎年チューンナップに出さないといけないわけではないということですね。

中井さん : そうですね。やっぱりその人の滑り方、日々のメンテナンス状況によってチューンナップした方がいいのか。しなくてもいいのかは変わってくるから、その板自体を見てみないと判断つかないというのが正直なところ。
まずは写真でもいいから滑走面を見せてもらうことができれば、ある程度は判断できると思うからぜひ今の板の状態を見せてもらえればと思います。

プロスノーボーダーのチューンナップに対する個人的見解

今回行なった中井さんへのインタビューとは別で、いつもお世話になっている、プロスノーボーダーであり、WOOT SNOWBOARD PARK SCHOOLの関東代表でもある加賀大貴プロにスノーボードの板に関する質問に答えてもらうという企画動画の中で、"板のメンテナンスの頻度"についての質問をしてみた。
詳しくは動画をみて頂ければと思うが、その答えを要約すると、春の板が走らなくなる時期でもホットワックスは週に1回程度しかかけない。(毎日滑っている)
なぜなら、シーズンのはじめ or 板を新しく購入したらプロにチューンナップをお願いしているから。
プロスノーボーダーも板はチューンナップに出すことをおすすめしている。

※あくまで、一人のプロスノーボーダーの個人的見解。

結論

板の滑走面が白くなって毛羽立った状態の板は、まずチューンナップに出して滑走面を綺麗に整えてからホットワックスをしないとシーズン中、スノーボードを楽しめなくなってしまうというのが結論だ。

まずはLINE@にて今のあなたなのスノーボードの状態を写真に撮って送ってもらえれば、こちらでチューンナップが必要なのか必要ないのかを判断できますので、お気軽にお問合せ下さい。(強引な営業などは一切いたしませんので、ご安心下さい。)

※実際にスノーボードの現物を見ないと判断できない場合もありますので、ご了承下さい。

√J FACTORY ホームページ : http://root-j.com/

http://blog.livedoor.jp/rootjblog1/

Writer

TAIVAS オーナー 兼 編集長
横乗り3Sの業界活性化が地方の経済活性化に繋がり、社会を色々な面で豊かにすると信じて疑っていません。

編集長コラムも絶賛更新中!
https://giver.jp/category/takami-column

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