コロナウィルスの脅威で、人との距離を取ること(ソーシャルディスタンス)が重要視されるようになった世の中。
インターネット技術を駆使した、テレワーク・ビデオ通話・オンライン飲み会などが急速に広まりました。
そんな中、サーフィン界にもオンラインの波が確実にきています。
最近注目を集めているのが、サーフィンのオンラインレッスン。
ビデオ通話などを通して、サーフィンのコーチングが受けられます。
実は筆者も、以前から気になっていたサーフィンのオンラインレッスンを受講し始めました。
受講して3ヶ月。
サーフィンのオンラインレッスンって
■どんなことをするの?
■効果あるの?
■必要な道具は?
さらに、実際にサーフィンのオンラインレッスンを主催するコーチにインタビュー。
■海でのレッスンとオンラインレッスンの違い
■オンラインレッスンだからこそ上達しやすいこと
■オンラインレッスンの効果を最大限に引き出すためのポイント
を教えてもらいました。
「サーフィンのオンラインレッスンってどうなの?」
という疑問に、筆者の体験談も交えてお答えします。
Contents
サーフィンのオンラインレッスンの内容は?
サーフィンのオンラインレッスンには様々な種類があります。
どのレッスンにもおおむね共通する内容は「ライディング動画をみて、講師がフィードバックしてくれる」こと。
自撮りや人に撮ってもらった映像など、自分のライディング映像を講師に見てもらい、改善点などのアドバイスがもらえます。
また「オンライン上で、講師と受講者が一緒にトレーニング」をする場合も。
筆者が受けているオンラインレッスンでは、パドル強化のストレッチやトレーニングをおこないます。
実際の自分の動きを講師がチェックし、正しい身体の動かし方や腕の角度などを教えてもらえます。
サーフィンのオンラインレッスン3つのメリットと効果
サーフィンのオンラインレッスンのメリットは、大きく3つ。
1.場所や時間を選ばない
2.波のコンディションに影響されない
3.効率的に上達できる
それぞれのメリットについて解説します。
メリット1.場所や時間を選ばない
オンラインレッスンの魅力は、場所や時間を選ばずレッスンが受けられること。
スマホやパソコンがあれば、自宅で受講可能。
平日仕事終わりの夜など、あいた時間に受けられるので効率的です。
県外移動や外出が難しい時期でも、オンラインレッスンなら影響がありません。
筆者が受けているオンラインレッスンの講師も、拠点は関東。
筆者が住むのは関西で、交通費・移動時間などを考えると通うのは難しい。
オンラインがあるおかげで、遠方のレッスンでも定期的に受けられています。
メリット2.波のコンディションに影響されない
海でのレッスンは、波のコンディションに大きく影響されます。
せっかくレッスンの予約を取っても、波がフラットでは練習できません。
オンラインレッスンは、映像を見ながらコーチングやトレーニングをします。
そのためレッスンの質が、波のコンディションに影響されません。
メリット3.効率的に上達できる
オンラインレッスンは、サーフィンが効率的に上達できるのもメリット。
オンラインレッスンでは、サーフィン上達に欠かせない「知識」や「正しい身体の動き」を身に付けます。
海に入る前に「知識」と「動き」を習得しておくことで、海に入ってからの上達スピードが早くなります。
何も考えず2年間海に入るより。
月1回のオンラインレッスンを受けながら1年間サーフィンした方が、上達スピードは速いでしょう。
実際に、サーフィンのオンラインレッスンを受けた人のビフォーアフター映像がこちら。
▼澤井革(KakuSawai)オンラインコーチング
サーフィン歴1年10ヶ月のレッスン受講者。
サイドには走れているものの、技ができないと悩んでいます。
確かにレッスン前の映像では、なんだか板が重そう。
そこからわずか1年半。
レッスンの成果を発揮し、軽やかにプロ級のオフザリップを決めている映像はまさに衝撃。
ライディング映像のフィードバックやスケボーレッスンで、身体の動かし方を徹底的に覚えたことがポイントのようです。
わずか1年半の短期間で、サイドに走るだけ→オフザリップまで上達するって、独学ではなかなか難しいですよね。
サーフィンのオンラインレッスンに必要な物は?
サーフィンのオンラインレッスンを受けるにあたって、必要な物は3つ。
1.スマホ、PC、タブレットなどのオンライン機器
2.ZoomやSkypeなどのビデオ通話アプリ
3.自分のライディング映像(自撮りカメラ)
それぞれの道具について詳しく説明していきます。
1.スマホ、PC、タブレットなど
基本はスマホが1台あれば十分。
画面の大きなPC(パソコン)やiPadなどのタブレットがあれば、より快適です。
トレーニングを行う場合もあるので、カメラに全身が映るスペースも確保しておきましょう。
2.ZoomやSkypeなどのビデオ通話アプリ
レッスンによって異なりますが、ビデオ通話ができるアプリは必須です。
使用されることが多いのは「Zoom」や「Skype」。
マンツーマンはもちろん、複数人で同時にビデオ通話することができます。
画面共有もできるため、講師と同じライディング映像を見ながらアドバイスしてもらえます。
基本的に無料で使えるので、ダウンロードしてアカウントを作っておきましょう。
3.自分のライディング映像(自撮りカメラ)
オンラインレッスンを受けるなら用意しておきたいのが、自分のライディング映像。
レッスン用に準備するライディング映像のポイントは、
■できるだけ高画質
■近すぎず遠すぎないアングル
■被写体となるサーファーが、常に映像の真ん中にいるアングル
であること。
高画質な映像は、目線・スタンス・ちょっとした手の向きなど細部まで確認することができます。
また程よいアングルを保っていると、レッスン前後の比較映像がわかりやすくなります。
▼程よいアングルや、わかりやすい比較映像のイメージがこちら
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サーフィンのオンラインレッスン映像におすすめのカメラ4選
レッスンに程よい、自分のライディング映像を用意する。
これがサーファーにとってはなかなか高いハードルかもしれません。
知り合いにカメラマンがいたり、仲間とライディング映像を撮り合ったり。
人に撮ってもらえる環境があれば、それがベスト。
ただ暑い日・寒い日・雨の日など…人に撮影をお願いするのがためらわれる場面もありますよね。
筆者はなかなか波に乗れないので、30分や1時間以上待ちぼうけさせるかもしれないと思うと申し訳なくて、気軽に「撮って」と頼めません。
自分のライディング映像を毎回確実に、それもわかりやすい形で残すには、高性能の自動りカメラがおすすめです。
おすすめカメラ1.ソロショット3
オンラインレッスン用にライディング自撮りをするなら、ソロショットが一番おすすめです。
ソロショットは、被写体を認識・追跡して撮影してくれるロボット型カメラ。
「タグ」と呼ばれる送信機を腕に巻いておけば、カメラが自動追跡して撮影してくれます。
カレントに流されたり、ピークを追いかけたり、とにかく動きの激しいサーフィンの自撮りに最適です。
ライディング中のフレームアウトの心配もありません。
ただし価格が15万円前後と、サーフボード1本買えるぐらい高価なのがネック。
ソロショットには
・光学ズーム65倍(最長610m先まで撮影可能、4K画像対応)
・光学ズーム25倍(最長180m先まで撮影可能、4K画像非対応)
の2種類があります。
撮影場所から海までの距離によって、最適な方を選びましょう。
固定用の三脚も忘れずに。
おすすめカメラ2.フルハイビジョンのビデオカメラ
人に撮ってもらえるのであれば、一般的なビデオカメラもおすすめ。
フルハイビジョンであれば高価である必要はなく、2~3万円のカメラでも十分です。
手ブレ防止のため、三脚にセットして撮影しましょう。
おすすめカメラ3.GoPro
水中で使えるGoproは、口にくわえたり、サーフボードのノーズにつけることで、臨場感ある自撮りができます。
ただしGoProの自撮りは、ライディング全体がわかりにくい映像になるため、レッスン用にはあまり向きません。
レッスン用映像として使うなら、「追い撮り」など人に撮ってもらうのがベスト。
しかし「追い撮り」は撮り手に高いスキルが必要になり、混雑した海では危険も伴います。
▼GoProのサーフィン自撮り映像イメージ
No.10が「口にくわえる」、No.9が「追い撮り」に近い、No.5が「ノーズに付ける」撮影イメージ。
おすすめカメラ4.スマホ+三脚
スマホを三脚に設置して、ビーチや駐車場に立ててもサーフィン自撮りは可能です。
ただスマホのズーム機能は限られているので、海が遠いと、自分の身体の動きまで鮮明に映らない場合も。
フレームアウトする可能性も高いです。
レッスン用としては厳しい映像になる可能性も。
ただし比較的コストをかけず、ライディング映像を用意できるのがメリットです。
サーフィンのオンラインレッスンおすすめ3選
ここからは、サーフィンのオンラインレッスンおすすめ3選をご紹介します。
1.Surfing University パドリングオンラインサロン
千葉鴨川のスイミングプールで、パドル専門レッスン「SWIM×SURF」を主催する松本信吾氏(@shingoman.1172)のオンラインレッスン。
プロのパドル専門コーチとして、雑誌サーフィンライフ(2020年7月号など)にも登場している松本氏。
オンラインレッスンの内容は、
・自宅やお風呂でできるパドルトレーニング
・ライディング映像をもとにしたオンラインコーチング
など。
オンラインレッスン内容の一部が、下の動画。
なぜ非力なはずの女性の方がパドルが進み、波に乗れたのか?
なぜ男性はパドルが進まず、波に置いていかれたのか?
皆さんも原因がわかるでしょうか?
筆者は、実際に松本氏のパドリングオンラインサロンに入会しています。
非力で犬かきのようなパドリングを何とかしたくて…
オンラインレッスンは、パドル強化のトレーニングだけでなく
・サーフボードのどこに乗ると、パドルが一番進むのか
・テイクオフ時のパドリングは、全力が正解か
・ライディング時の目線は、どこが正解か
など、サーフィン全般について毎回目からウロコが落ちるような教えが盛りだくさん。
始めて3ヶ月ですが、課題だったパドルは後ろまでぐっと水をかけるようになり、周りから「犬かきパドル」と言われることがなくなりました。
パドルが進むようになったことで、テイクオフの確率も上がったように思います。
パドリングはサーフィンレベルに関係なく、永遠の課題。
サーファーであれば、学んでおいて決して損はありません。
2.balisatoshiオンラインレッスン
サーフィンのドローン映像で世界的に有名な中村聡志氏(@balisatoshi)のオンラインレッスン。
ケリー・スレーター、ジョンジョン、五十嵐カノアなど、世界のトップサーファーを多くドローン空撮するbalisatoshi氏。
波のリズムと身体の動きの連動に注目した独自のメソッドで、「サーフィンの身体の動きの基礎」を教えてくれます。
下の動画は、サーフィン初心者の女性がbalisatoshi氏のメソッドでターンに挑戦する様子。(※動画は対面レッスン)
シンプルかつ身体の動きがイメージしやすい指導方法です。
受講者には、プロサーファーで日本チャンピオンの西元ジュリ選手などが名を連ねます。
高度な技や技術を目指すサーフィン上級者はもちろん。
テイクオフは安定してきたけれど、サイドに走れない・ターンできない…など、初心者から中級者へのステップアップを目指す人にもおすすめです。
■料金:zoomオンライン8,000円/1回約1時間
■公式Youtube:https://www.youtube.com/c/balisatoshi
■Instagram:@balisatoshi DMからお問い合わせください
3.澤井革(kakusawai)オンラインコーチング
プロサーファー、コーチ、JPSA(日本プロサーフィン連盟)ツアージャッジ、サーフムービープロデューサーなど多彩な顔を持つ澤井氏。
オンラインレッスンでは、比較動画・スロー再生などの編集を駆使して、1人1人のライディングを丁寧にコーチングしてくれます。
海でのライディングだけでなく、サーフスケートを使った身体の動かし方やクセ直しについても指導。
▼澤井氏のコーチング映像イメージ
澤井氏のレッスン受講者のビフォーアフターは、本当に衝撃的です。
現役コーチに聞いたサーフィンのオンラインレッスンQ&A
サーフィンのオンラインレッスンを実際におこなっている現役コーチに、気になる疑問をぶつけてみました。
コーチによって考え方は様々ですが、「サーフィンが早く効率的にレベルアップできる」という想いは共通のようです。
Q1.海でのレッスンとオンラインレッスン、教え方に違いはありますか?
・海の場合
実践を大切にしています。話すより動きの中で覚えてもらいます。
・オンラインの場合
会話を大切にしています。
言葉と映像で必要な知識を高めてもらいます。
教え方を変えているところは特にありません。
学ぶステップは同じなので、同じ内容で受講できます。
海でもオンラインでも、同じ知識・体験・反復・スタイルの習得が可能です。
基本的には教え方は同じです。
・海の場合
ライディング撮影をおこない、その場でもアドバイスします。
また撮影した映像をすぐに編集し、改善点を生徒さんと一緒に確認します。
生徒さんが今後取り組むべき陸トレやサーフスケートを、お手本を示しながら教えます。
・オンラインの場合
事前にライディング映像を送ってもらい、参考映像などの比較とともに、改善点をわかりやすく編集。
ビデオ通話で、生徒さんと映像を見ながら改善点を確認します。
またビデオ通話越しに、陸トレやサーフスケートの動きをお手本を示しながら教えます。
生徒さんが身体の使い方を覚えるまで繰り返します。
Q2.オンラインレッスンでもサーフィンは上達するんですか?
海では人がいたり、波が来たり自然が相手なので誰でも思考能力が低下するんです。
オンラインだと今自分がやるべき事に集中し、課題を明確にできます。
オンラインレッスンだからこそ、好きな時間や日時でできるので、レッスン回数も増えます。
短時間で何度も学ぶことで早くレベルアップできます。
海でのレッスンの場合は、波が小さすぎる・大きすぎる・風が悪い・地形が悪いなど、波のコンディションによって生徒さんがいつもの自分を出せなかった、などの問題があります。
オンラインレッスンの場合は、生徒さん自身が見てもらいたいライディング映像に対してコーチングできます。
またライディング映像を事前に細かく確認できるので、改善点などに取りこぼしがありません。
オンラインレッスンを始める前は、前もって予定を組んで遠方から来てもらっても、当日波が小さい場合は、結局生徒さん持込のライディング映像でレッスンしていました。
今はライディング映像を送ってもらい、こまめにオンラインレッスンを受けられる生徒さんがほとんどです。
今まで遠すぎて受けるのが難しかった地域や、国外在住の生徒さんにもレッスンすることができています。
海と違って夜にレッスンできるのも、オンラインレッスンの強みです。
忙しい生徒さんでも、平日仕事終わりにオンラインレッスンを受け、週末の海で試すということができています。
Q3.サーフィンのオンラインレッスンを受講するときのポイントは何ですか?
自分の課題が何かを考える
↓
オンラインレッスンで知識を叩き込む
↓
トレーニングで正しい動きを身体に覚えこませる
↓
頭で理想のイメージを作れるようになる
↓
海で実践する
↓
海での実践動画をオンラインで修正し、改善していく
好きなサーファーや、好きなライディング映像を教えてください。
本や動画など、独学で学ぶことはとても良いことです。
しかしサーフィンの正しい知識を学んだ後で、改めて本や動画を見てみると、テーマを持って見れたり自分に必要な映像を見極めることができます。
同じ動画を見るにしても、より有意義な時間にできます。
用意してもらうライディング映像は、できるだけ高画質なものが良いです。
高画質だと目線、ちょっとした手の向き、スタンスの位置、向きも見えるのでより細かいところまでチェックできます。
ただそんなに高価なカメラを使う必要はなく、フルハイビジョンであれば2~3万のビデオカメラでも大丈夫です。
また近すぎず遠すぎないアングルで、サーファーが常に真ん中にいるように撮ってもらうと、比較動画などの質が上がります。
あとは三脚を使い、急にズームしたり引いたりしないと良いです。
ソロショットはかなり使えますが、携帯の置き撮りはレベルによっては厳しい場合もあります。
映像を送る際は画質をなるべく落とさないように、ドロップボックスやファイル便などで送って頂けると編集動画の質があがります。
オンラインレッスンは、身体の使い方の基本を覚えるまでやります。
できるだけカメラに全身が写るスペースの確保をお願いしたいです。
また外でサーフスケートのレッスンをする場合は、電波の良い場所の確保も重要です。
まとめ
これまでサーフィンスクールといえば、実際に海に入ってのレッスンが中心でした。
しかし
・ビデオ通話などのインターネット技術
・スマホカメラ、Gopro、ソロショットといった高性能カメラ
の発展と普及。
・ソーシャルディスタンス
・県外移動自粛
・サーフィン自粛
など、思ってもみなかった世の中の動き。
そんな中で、オンラインレッスンという新たなサーフレッスンの形が普及し始めています。
筆者自身、実際にオンラインレッスンを受講し、また記事を書くにあたってコーチ陣にインタビューをする中で、
自由や時間に制限のある大人サーファーこそ、オンラインレッスンに向いている
と思うようになりました。
もちろんサーフィンの楽しみは「上達」だけではないけれど。
限られた休日、限られた入水時間、いつも良いとは限らない波のコンディション。
オンラインレッスンで正しい知識や動きを覚えて、海で試し、効率的にサーフィンが上手くなれたら。
サーフィンが今よりもっと楽しくなるはず。
サーフィンのオンラインレッスン、気になった人はぜひ挑戦してみてください。
きっとサーフィンが変わるきっかけが見つかるはずです。
▼おすすめサーフィンスクールについてはこちら
初心者・女性におすすめのサーフィンスクール7選【千葉・湘南・愛知・大阪・神戸・四国】
#サーフィンサーフィン歴2年、万年初心者ママサーファー。
スノボ歴は5年。
リアル初心者・女性・2児の母である独自の視点を交えて、横ノリスポーツの魅力や情報を記事にのせてお届けします。
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