サーフィンはとても楽しいマリンスポーツですが、その反面で危険の伴うスポーツでもあります。
他のサーファーとの接触やフィンでの怪我をはじめ、もっと重度な事故につながることも…
本記事では、
■サーフィンに多い事故の種類・件数
■サーフィン事故率が高い年齢層・海に行く頻度
■サーフィン事故を避ける4つの心がけ
などをご紹介していきます。
読み終えることで、怪我をしないためにどのように振る舞うべきか、サーフィンへの取り組み方がわかりますよ。
Contents
サーフィンは事故件数が多いマリンスポーツ
結論からお伝えすると、サーフィンはマリンスポーツの中でももっとも事故が多いです。
参考元:銚子海上保安部
銚子海上保安部の調査によれば、事故の多さは以下の順で多いんですね。
- サーフィン
- 遊泳
- 釣り
サーフィンと遊泳とほぼ同じ事故件数ですが、死亡率は遊泳事故の方が高いです。
さらに釣りともなるともっと高くなるので、サーフィンでは死亡に至らない負傷が多いのだと考えられます。
サーフィンに多い事故の種類
銚子管内での海難事故は次のような結果となっています。
出典:銚子海上保安部
- 帰還不能
- 溺水
- 負傷
帰還不能の死因は溺死となっています。
サーフィンはボードが浮き輪代わりにもなりますが、なぜ溺死に至るのでしょうか?
以下の原因が考えられます。
- 沖に流されて疲れ果ててしまうから
- 消波ブロックに入り込み抜けられなくなるから
- 大波に巻かれてパニックになるから
- リーシュコードが切れてしまったうから
上記はあくまで予想ですが、共通する原因としては海が荒れている日に起こっているのではないかと考えられます。
サーフィン事故率が高いのはどっち?
サーフィンの事故率の高さは、サーフィン歴・年齢層などに関係があるのでしょうか?
サーフィン初心者orベテラン
まだ海やサーフィンのことを知らない初心者ほど事故に合いやすいイメージですが、そんなこともないようです。
出典:銚子海上保安部
調査によると、サーフィン歴1年未満と10年以上の人では同率で事故が発生しています。
なぜ、ベテランが事故に合うのか?
考えられるのは、ベテランほど良い波を求めて堤防近くのポイントを好むことや、台風時の大波を好むということです。
それだけにリスクも高く、一歩間違えれば大事故につながります。
20代or40代
サーフィンで事故に合うのは若者が多いというデータが出ていますが、一概にそうとはいえません。
出典:銚子海上保安部
図では、サーフィンをしている20代の107名が事故に合ったというデータを示しています。
しかし、死亡事故につながっているのは20代(11名)に対して40代(17名)となっています。
サーファーの人口的に20代が多いだけで、母数が多いので事故件数も比例して多くなっていると考えられます。
20代 | 11名(死亡)÷107名(事故)=10% |
40代 | 17名(死亡)÷50名(事故)=34% |
このことから、若者の方が事故には合っているが、死亡事故に合っているのは40代の方が多いことがわかります。
サーフィンに行く頻度が多いor少ない
一般的なイメージだと、毎週サーフィンに行く人と年に数回サーフィンに行く人とでは、海への慣れなども含めて、後者の方が事故に合いそうに感じます。
出典:銚子海上保安部
しかしデータによれば、サーフィンに行く回数が少ないほど、事故に合うわけではないことがわかります。
最も事故に合っているのは、年に数回海に行く人よりも、月に1~2回の頻度で海に行く人たちなんですね。
なぜ、この層が一番事故に合いやすいのか。
その答えを明確にするデータはありませんが、仮説をしてみると毎週海に行く人は海の状況をしっかりと理解していて、地元のサーファーとも交流があり事前に危険を察知している場合があります。
次に、年数回ほど海に行くサーファーは、そもそも海とサーフィンを楽しみに行っているので危険な挑戦はしない。
そして、サーフィンの実力も特別高いわけではないことから、危険な場所には近づかないと考えられます。
最後に、月に1、2回のサーファーは、波情報アプリなどで波が大きいときをピンポイントで狙って海に出かけている可能性も考えられます。
波が大きければ、その分強い流れが発生していることも考えられ、事故に合う確率が高くなっているのではないでしょうか。
実際に起きたサーフィン事故のニュース
サーフィンの事故ではどのようなものがあるのか?
検索してみると、いくつかの事例が出てきました。
福井県沿岸でのサーフィン事故
福井県高浜町の海岸にてサーフィンを楽しんでいた女性が、パドリングをして沖に出ようとしていたところ、テイクオフしてきた男性と接触し、サーフボードが女性の顔面にぶつかってしまいました。
女性は目の下を深く切り出血、救急車で病院に搬送されましたが、命に別状はありませんでした。
参考:福井新聞online
徳島の海岸でのサーフィン事故
徳島市の海岸で男性が倒れているのが発見した通行人が119番しました。
男性の近くにはサーフボードがあり、意識不明の状態のまま病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
伊勢志摩地域周辺でのサーフィン事故
三重県の伊勢周辺は、人気のサーフィンスポットとなっており、多くのサーファーで賑わっています。
それだけに人も多く、他者との衝突や溺水などで40代の男女3人が搬送されるなど、3日間で相次いで3件の事故が発生。
この地域で起こる事故は、大半がサーファー同士の衝突などによる負傷事故や、離岸流による帰還不能や溺水事故となっています。
参考:YAHOO!ニュース
サーフィン事故はどっちが悪い?過失割合で争った裁判例
サーフィンの事故の判例は件数が少ないものの、以下の事例があります。
原告であるサーファーは海上で波待ちをしていたところ、前方からきたウインドサーフィン(被告)と衝突し、左頬部などに大怪我をしました。
原告のサーファーは、ウィンドサーフィンをしていた被告に対し、治療費や休業損害費など約512万円を請求しました。
しかし判決では、
・サーファーの有無を十分に確認しないまま、漫然と進行したウィンドサーファー(被告)には大きな過失がある
・しかし原告も、波待ちの際にはウインドサーフィンの動向に十分注意すべきであった
と両者の過失を認め、被告の過失割合を「1割5分」と判断して約59万円の支払いを命じました。
サーフィンでは、波に乗っている人の進路を妨げてはいけないというルールがあります。
しかし、いざぶつかって怪我をさせてしまうと、波に乗っている方の過失が認められる場合もあります。
サーフィン事故の過失割合はケースバイケースで一概には言えませんが、いずれにしても
・波に乗っている方
・波待ちをしている方
どちらの立場にあっても、互いが衝突や怪我のないよう、周りに十分注意する必要があります。
サーフィンで事故を避ける4つの心がけ
サーフィンで事故に合わないためには、以下の4つが大切です。
- しっかりとした準備
- 優れたテクニック
- 適度な練習
- 正しい装備
それぞれ解説していきます。
1.しっかりとした準備
準備には、海の状況の把握、体調管理、ウォーミングアップがあります。
海に着いたら、しばらく海の状況を見つつカレントが発生しているか確認しましょう。
着替える前には、空腹状態を避けて適度な食事と適度な水分を補給しておきましょう。
海に入る前には、しっかりと準備体操とストレッチを行い、体の全身のウォーミングアップを行いましょう。
2.優れたテクニック
海での事故を避けるためには、適切なテクニックを見につけましょう。
たとえば、カレントで流されたときの対処法や、沖からサーファーが波に乗って迫ってきたときの対処法。
また、あなた自身が波に乗っているときに、沖に出てくるサーファーを交わすためのテクニックなど。
自分のテクニックでカバーできない場合は、なるべく人の少ない場所でサーフィンを楽しみましょう。
3.適度な練習
優れたテクニックを身につけるには、練習が必要です。
年に1回や2回だけのサーフィンだとテクニックを身につけるにも時間がかかります。
また、自宅でもイメージトレーニングやスケートボードを使ってトレーニングすることもできるので、常にサーフィン上達のために向上しましょう。
4.正しい装備
ウエットスーツの糸のほつれ、リーシュコードの状態、ワックスがしっかり塗れていて滑り止めとして機能するかなど。
自分が怪我をしないために、そして相手を怪我させないためにも、しっかりと確認をしておきましょう。
【徹底解説】サーフィン用ウェットスーツにおすすめのブランド7選
#サーフィンサーフィンの事故に対応する保険もある
サーフィンの事故は、いつ起こるかわかりません。
そのため、いざ事故を起こして相手を怪我させてから賠償責任を問われても、パニックになってしまいますよね。
そんなときのために、保険に入っておくと安心できます。
たとえば、サイト「波伝説」では、波伝説保険というものがあります。
こちらは、保険料が年間3720円で、障害と賠償責任をカバーできます。
賠償内容 |
ケガによる通院補償:最大6万円 |
ケガによる手術補償:入院中4万円 |
他人への賠償責任補償:最大1,000万円 |
サーフィンの事故に備える保険選びのポイント&おすすめ保険3選
#サーフィンまとめ
本記事をおさらいしてみると、20代でも40代でも事故は発生していました。
40代の死亡事故が多いからといって、20代は大丈夫ということでもありません。
また、次のデータが更新されたときには、逆転している可能性だってあります。
サーフィンをするときは、しっかりと海と波の状況を把握して、自分のスキルと照らし合わせながらステップアップしていきましょう。
波が大きいときほど、危険度は高いので細心の注意が必要です。
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