サーフィンのコラム

サーファーは納豆アレルギーになりやすい?原因と対策法をご紹介!

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2,877 views 2022-8-26 UPDATE

夏が来て水温が温かくなると、海パンだけでサーフィンを楽しむ人も多いでしょう。

ウェットスーツの窮屈さからも開放されるし、ウェット日焼けせずに上半身の日焼けができていいですよね。

ですが、夏頃に肌の露出が多いと「納豆アレルギー」になるリスクが高くなるのをご存知ですか?

そうなると、もう納豆が食べられない体になるどころか、その他のリスクも発生します。

本記事では、なぜサーファーは肌の露出が多いと納豆アレルギーになってしまうのか?

その原因と対処法についてまとめました。

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サーファーには納豆アレルギーの人が多い?

結論として、サーファーやマリンスポーツが好きな人には、納豆アレルギーの人が多いです。

All patients with natto allergy had positive results in skin prick test and basophil activation test with PGA. Of these, 92.3% had a marine sport hobby, especially surfing (84.6%). PGA sensitization was independently associated with marine sports
引用元:Allergology International(Volume 67, Issue 3, July 2018, Pages 341-346)

これは英文誌の「Allergology International」から引用した文です。

直訳すると、「納豆アレルギーの患者は全員、皮膚プリックテストとPGAによる好塩基球活性化試験で陽性結果を示した。このうち92.3%がマリンスポーツを趣味としており、特にサーフィン(84.6%)が多かった。PGA感作とマリンスポーツは独立して関連していた。」と書かれています。

実際に、海に関わる趣味を持っている人が納豆アレルギーになる確率が高いとわかりました。

サーファーが納豆アレルギーになる原因

なぜ、マリンスポーツ愛好家は納豆アレルギーのリスクが高いのか?その原因を解説します。

納豆アレルギーになる原因は「クラゲ」

原因はクラゲです。

ちょうど6月から8月は海にクラゲが多くなる時期。

このときに体を露出してサーフィンをしていると、クラゲに刺される可能性が高くなります。

クラゲが毒針を刺すときには、PGA(ポリガンマグルタミン酸)を生産するといわれています。

このPGAに対する抗体が体の中で作られるので、同じPGAを含む納豆を受け付けなくなるのでしょう。

PGA(ポリガンマグルタミン酸)

クラゲが刺すときに生産するPGAは、納豆アレルギーの原因物質にもなります。

納豆特有のネバネバこそが、PGAなんですね。

厄介なのが、もし納豆アレルギーになっていても、納豆を食べてから5~14時間ほど遅れて症状が出ることから、原因が納豆であると気づき難い点です。

PGAは納豆以外にも入っている

PGAは、ポリグルタミン酸やγ-PGAなどとも表記されることがあり、納豆以外にもさまざまなモノに使用されています。

たとえば、食品の保存剤・増粘剤・旨味成分・医薬品・工業用品など。

特に、ヒアルロン酸よりも保湿力があるとされ、乾燥肌やエイジングケア化粧品に配合されていることがあります。

納豆アレルギーになると、他の製品に入っているPGAにも体が反応してしまうことから、成分表示を確認する必要も出てきます。

納豆アレルギーは「アナフィラキシー」を起こしやすい

納豆アレルギーは(PGA)、アナフィラキシーを起こしやすく危険です。

”アナフィラキシーとは・・・アレルゲン等の侵入により、複数臓器に全身性にアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与え得る過敏反応”

引用元:日本アレルギー学会 Anaphylaxis 対策特別委員会

アナフィラキシーが発症すると

アナフィラキシーは、主にアレルギーの原因となる物質に、触れる・飲む・食べる・吸い込むことで発症します。

発症すると、臓器や全身に症状があらわれ、血圧の低下や意識障害なども引き起こす場合があり、これを、アナフィラキシーショックと呼びます。

このように、アナフィラキシーは命を脅かす危険なアレルギーなんですね。

アナフィラキシーの症状とは

アナフィラキシーが発症したときの症状はさまざまです。

・皮膚の症状…「蕁麻疹、赤み、痒み」
・呼吸器の症状…「咳、くしゃみ、息苦しさ」
・粘膜の症状…「目のかゆみ・むくみ、唇の腫れ」
・消化器の症状…「腹痛、嘔吐」
・循環器の症状…「血圧の低下」

アナフィラキシーは、こうした症状が全身のいずれかにあらわれます。

納豆アレルギーによるアナフィラキシーは、発症が遅いとされています。

それだけに原因に気づきにくくなりますが、納豆を食べて数時間経過した後に、上記の症状が出たら病院に行きましょう。

アナフィラキシーショックの例

クラゲに刺されてPGAが生産されると、クラゲを食べてもアレルギー症状がでるようになります。

では、アナフィラキシーが、どれくらいの時間でどのような症状を起こすのか論文を参照してみましょう。

クラゲ(タコクラゲ)経口摂取によるアナフィラキシーの1例
【症例】12歳男児、夕食(タコクラゲ入り巻きずし2本を含む)摂取25分後、部活動中に突然咽頭痛が生じ、呼吸困難・顔色不良が出現、救急搬送された。

ビゼンクラゲ科クラゲの経口摂取によるアナフィラキシーショックの1例
【症例】48歳、男性【現病歴】2000年に中華料理店で中華クラゲを食べた2時間後に蕁麻疹と呼吸困難が出現した。2013年6月、居酒屋でクラゲを食べた6時間後に蕁麻疹、呼吸困難、嘔吐が出現し、当院救急搬送された。

引用元:大森 麻美子, 小谷 晋平, 小坂 博志, 小川 真希子, 長野 徹, 清水 秀樹, 嶋倉 邦嘉, P-242 ビゼンクラゲ科クラゲの経口摂取によるアナフィラキシーショックの1例(アナフィラキシー,口演34,第26回日本アレルギー学会春季臨床大会), アレルギー, 2014, 63 巻, 3-4 号, p. 603-, 

このように、アナフィラキシーは、わずか25分で症状が出ることもあります。
クラゲに刺されると、納豆だけではなくクラゲや、その他のPGAを含む食品、製品にも注意が必要です。

サーファーが納豆アレルギーにならないための対策

サーフィンが好きだけど、納豆が食べられなくなるのも嫌だと思うなら、ご紹介する対策を行いましょう。

クラゲに刺される前なら

  • くらげよけクリームを塗る
  • 夏でもラッシュガードを着用する

くらげよけクリームを塗る

なるべくクラゲに刺されないように、市販されているくらげよけクリームを塗ってから海に入るようにしましょう。

もし、海に入っているときに刺されて、血圧低下などの症状が出てしまったら命の危険にもなります。

こちらのクラゲよけクリームは、日焼け止めの効果もあるので、一石二鳥ですよ。

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夏でもラッシュガードを着用する

夏頃の海にはどうしてもクラゲがいるものなので、刺されないためにはなるべく肌の露出を少なくしましょう。

ウエットスーツのようにかさばらず、体の動きを制御しないラッシュガードがおすすめです。

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#サーフィン

クラゲに刺された後なら

  • 病院で食物アレルギー検査を受ける
  • 食物日記をつける
  • アナフィラキシー補助治療剤を携帯する

病院で食物アレルギー検査を受ける

海でクラゲに刺されたと思ったら、病院でアレルギー検査を受けてみましょう。

クラゲに一度刺されただけで、納豆アレルギーになる可能性もゼロではありません。

たった一回でも、PGAに対する抗体が体の中で作られてしまうと、納豆やその他のPGAを含むモノを受け付けなくなります。

アナフィラキシーを発症する前に診てもらいましょう。

食物日記をつける

クラゲに刺されたと思ったら、食物日記をつけるようにしましょう。

食物日記をつけておくことで、納豆アレルギーが発症しても、何を食べたことが原因なのか可視化できるようになります。

PGAは納豆以外にも含まれていることから、何によって発症したかを突き止めやすくなります。

アナフィラキシー補助治療剤を携帯する

食物アレルギーにて納豆アレルギーだと診断されたら、アナフィラキシー補助治療剤をもらいましょう。

アナフィラキシー補助治療剤は、重度の納豆アレルギーの症状が出たときに速やかに注射して、症状を緩和させるものです。

真夜中に症状が出たときやお医者さんに診てもらえないときなど、命に危険が伴うときに使いましょう。

 

サーファーが納豆アレルギーになったときの治療法

納豆アレルギーになったときの治療法は大きく分けて2つあります。

  • 根本的治療(経口免疫療法、減感作療法/アレルゲン特異的免疫療法)
  • 対症療法(アナフィラキシー補助治療剤(アドレナリン))

経口免疫療法

経口免疫療法とは、専門医師のもとで段階的にアレルギーの原因食物を少しずつ食べていきながら、最終的に耐性獲得を目指す治療法です。

しかし、食物経口負荷試験において陽性と診断された場合になります。

減感作療法/アレルゲン特異的免疫療法

減感作療法とは、アレルギーの原因になる成分を、意図的に体内に投与して身体を慣れさせ、症状を緩和させていく治療法のことです。

アナフィラキシー補助治療剤(アドレナリン)

アナフィラキシー補助治療とは、アナフィラキシーがあらわれたときに、症状を一時的に緩和させるための補助治療剤です。

あくまでも補助治療剤であり、アナフィラキシーの根本的な治療にはなりません。

医師の治療を受けるまでに時間がかかり、症状の緩和が必要なときに使います。

 

サーファー・マリンスポーツ愛好家はクラゲに気をつけよう!

本記事では、「サーファーは納豆アレルギー注意」ということで、納豆アレルギーが起こる原因や対処法について解説しました。

サーファーには納豆アレルギーの人が多く、その理由はクラゲに刺されることによって、PGAが注入されるからでしたね。

これからも長くサーフィンを楽しむためにも、夏頃の装備には気をつけましょう。

Writer

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