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【スノーボードスクール】中級者・上級者は迷わずスクールに行くべき

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41,085 views 2019-2-9 UPDATE

2019皆様は自身のスノーボード滑走技術が上達しない状況に陥ったことはないだろうか?
『今まさにそのような状態です』という方も、『過去にそういう時期があったけど、なんとなく脱出できた』なんて方もいることだろう。

私の周囲にも、独学でスノーボードを始め、上級者レベル(※)にまで成長した友人が多くいる。しかしその多くはスノーボード歴5年目前後で技術的な成長にブレーキがかかってしまうようだ。
※当記事のなかでは、上級者コースを難無く滑走できる方を上級者と呼ぶことにする

昨今のスノーボード用品は非常に優れており、ある程度の運動神経とバランス感覚があれば、独学でも上級者レベルに到達することも出来る。しかし、その場合スノーボード用品の力を借りているケースが多く、キレのあるターンや高いオーリーなど自分自身のスキルであるかのように錯覚してしまうことがある。
その状況で満足できるのであれば、それにこしたことはないのだが、もしそれ以上に上達したいのであれば、一度基本的な滑走スキルを改めて身に着ける必要がある。

そのような悩みを抱える友人数名から 『頭打ち状態を打開したい』と依頼され、スノーボードスクールを受講することとなった。
今回の記事では、そのスクール内容を会話形式で紹介すると共に、スノーボードの上達に必要な基礎的な注意点も内容に盛り込んだ。
スノーボードスクールに興味があるかた、スノーボードの滑走技術をより成長させたい方には参考になる内容と思うので、是非とも最後までお読み頂き、成長の助けにして頂けたらと思う。

ちなみに、今回記事を作成するにあたり、ノルン水上スキー場のノルンスノーボードスクールにご協力いただいた。
こちらのスクールは、過去にデモンストレータ経験があり現在も第一線で活躍しつづける坂本めぐみ校長を筆頭に、元デモンストレーターの岸野みのり氏や、関東テクニカル選手権連覇中の斎藤千春氏なども所属する基礎スノーボードに強みを持つスノーボードスクールなのだ。

今回レッスンを受講するのは、独学でスノーボードを始めた、レッスン未経験の4名(シン、トノ、ヤマヨー、シム)だ。

奥から、トノ・ヤマヨー・シン・シム

4人は『今回のレッスンを通じて滑走技術の質を高め、カービングでカッコよく斜面を触りたい』という共通の目標を持っており、今回のレッスンでそのきっかけを作りたいと意気込んでいる。
対するインストラクターは、現役のテクニカルボーダー 斎藤千春氏(以降:チハル先生)。

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レッスン1:関節の曲げ方を意識する

『基礎的な動作さえ身体に覚えさせればターンの質は確実にあがります』

トノ:緊張するなぁ。。。
ヤマヨー:スパルタ系の先生だと、ちょっと怖いな。。。
シン:ギャル風で可愛いインストラクターならやる気でるんだけどな。。。
シム:間違いないな。

時間通りに集合し、緊張の面持ちでインストラクターを待つ4名。そこに本日のインストラクター チハル先生の登場!

チハル先生:みなさん、おはようございます。本日みなさんと一緒にスノーボードをします、斎藤千春といいます。皆さんのスノーボード技術をがっつり上達させるためにやってきました!
4名:おぉ!


シン:(ギャル風ではないが、かわいいな。)
シム:(間違いないな。)

挨拶もほどほどに、ストレッチをしつつ各自の自己紹介と目標を確認するチハル先生。
手慣れたトークスキルで、身体とともに緊張の糸もほぐれていった。

スクールで推奨している動的ストレッチ。ヨガや体幹運動にも似た動きで、インナーマッスルや関節を効率的にほぐしていく

チハル先生:皆さんの目標はだいたいわかりました。要するに、かっこよくターンをキメて、カービングでは斜面すれすれを高速でターンしたいんですよね?
4名:そう!それ!
チハル先生:わかりました(笑)。本日のレッスン後にはそのようになれるように頑張っていきましょう!
4名:異議なし!!

4名のテンションも上がってきたところで、レストハウス付近の平たんで開けた場所に移動する一同。

チハル先生:みなさん、板に片足だけつけて、ワンフットの状態になってください。
トノ:さすがに、ワンフットやスケーティングはできますよ
チハル先生:スクールなどで基本的な動きを教わったことないですよね?実はね、これからやる動きは非常に大事なので、コースに出る前に一度やっておきたいんですよ。でもね、この動きがしっかりとできると、それだけでターンの質はかなり向上しますよ。
ヤマヨー:おぉ!やります。やります。
チハル先生:キレのあるターンをしようと思っても、ターンの後半で板がズレてしまう経験ってありませんか?
シン:あります、ターン前半ではがっつりエッジが食い込んでいるのに、後半になるとテールが流されるというか、なんとうか。。。
チハル先生:じつはその原因の多くが、『板にしっかりと加重出来ていない』という原因でおきているんです。
適切なタイミングで、しっかりと体重を板に乗せることができていれば、ターン後半でエッジが外れることは少なくなりますし、滑走自体に安定感が増します。
ヤマヨー:上級者がドカっと板の上にのって、滑りに安定感があるように見えるのと似てるのかな?
チハル先生:そうですね。まさにそれです。その安定した姿勢をとるために、3つのポイント(関節)を意識して曲げ伸ばしするようにします。3つのポイントとは、1足首 ・ 2ヒザ ・ 3股関節 の3点です。
1の『足首』をしっかりと曲げるには、ブーツの前方にスネを押し付け、ブーツに寄り掛かるようにして足首を曲げていきます。ダメな例としては、ふくらはぎがブーツの後方に強く当たってしまうこと。これではきちんと板を踏むことが出来ませんので、しっかりとスネを前に押し出して足首をまげれるように意識してください。
次に、2の『ヒザ』ですが板の上にしゃがみ込むようにしてお尻を下げることで、理想的なヒザの曲げ方になります。
最後に3の『股関節』です。これは、お尻同様に、胸を真下におろすようにすると股関節がしっかりと曲がります。


シン:きっつ(笑)
シム:これはキツい。。。こんな姿勢とったことないな。。。
ヤマヨー:でもこの姿勢だと、力強く足の裏全体で板を踏み込めるね。
チハル先生:そうですね。ポイントは足の裏でしっかりと板を踏み込むということです。滑走を安定させたいのであれば、自分の体重をできるだけ無駄なく板に伝えたいので、3点の関節をしっかりと曲げて踏み込めるようにしているんですね。慣れてくればキツくなくなるので、今後はその姿勢を維持するように心がけてくださいね。
トノ:この姿勢であれば、直滑降とかも安定しそうだな。基本姿勢ってはじめて習ったわ(笑)
チハル先生:では中級者コースに行ってみましょうか。
4名:はい!

基本姿勢を習得した4名は中級者コースに向かった。

チハル先生:先ほどやっていただいた基本姿勢を少し意識しながら、ウォーミングアップも兼ねてこのコースをフリーランしましょうかね。
ヤマヨー:やった!早速ためしてみようかな。

奇声を発しながら、全力でかっ飛ばす4名。普段はフリーランを中心に滑る彼らは先生も驚くような速さで中級者コースを駆け抜けた。

チハル先生:みなさん、速いですね(笑)速いというのは、上達するうえでは非常に重要なことで、現段階ですでにこれだけの速さが出せているのであれば、基本的なポイントを押さえるだけで大きく上達すると思いますよ。
シム:上達する必要条件はそろっていると。。。。うんうんイイね。燃えてきたヨ。
チハル先生:スピードって、恐怖心との闘いみたいな部分があるので、そう簡単には上がらないのですが、皆さんはすでにクリアしているみたいですね。ターン中に板がズレてしまっているので、いくつかのポイントを意識してターンの精度をあげれば、すぐに上達できそうです。

滑走前に課題を明確にしてくれるため、滑っているときに集中しやすい

 

レッスン2:目線と肩のラインを平行に保つ

『真っ直ぐに生えている樹木や、リフトの鉄塔などを垂直に見るようにしましょう』

チハル先生:さっきは3点の関節の動きについてレクチャーしましたが、次は目線です。
ヤマヨー:進行方向をみるということ?
チハル先生:そうですね、概ね正解です。しかし、それって既にみなさんやってますよね?よりターンの質をあげるために、目線と両肩の傾きを意識するようにします。基本的には、目線も肩も左右どちらかに傾いたりせず、水平を保ちます。
トノ:でも、カービング中に斜面触っている人とかいますけど。

※トノのイメージ

チハル先生:上手な人のターンは、ターンの内側に体軸を倒し、斜面すれすれまで体が近づくので『触ってしまう』んです。決して自分からは触りに行っていないと思いますよ。
トノ:無理に触りにいくから、エッジ外れちゃうんだ。。
チハル先生:そうですね。スピードがでて、しっかりと加重し、体軸を移動させることができれば、カービング中に斜面に触れることはそこまで難しくもありません。

3点の関節を動かす基本姿勢に続いて、エッジグリップを高める目線も習得した4名は次の課題に取り組むことになった

左右どちらかに傾くのではなく、目線も両肩もしっかりと水平を保つのが理想

 

レッスン3:体軸を倒す

『ターンの内側に倒れ込むことで、ターンのキレが向上します』

チハル先生:基本姿勢・目線 とやってきましたが、次の課題で一応最後になります。
シン:ついにきたな。。。体軸移動
チハル先生:よくわかりましたね。そうです。体軸の移動です。簡単にいうと、ターンの内側に身体を倒すということですね。基本姿勢や目線よりも難易度は上がるかも知れませんが、落ち着いてやっていけば出来るようになりますよ。
シム:ターンの内側に身体を傾けるのは少し怖いですね。。
チハル先生:スピードが出ていない状態で体軸だけを傾けたら転倒してしまいますが、加重し目線を平行に維持できていればそこまで難しいことでもないですよ。
イメージとしては、ターンに入るときに目線と肩をターン方向にひねります(バックサイド側のターンなら後ろを振り返るイメージ、フロント側のターンであれば、左手を前に出すイメージ※レギュラースタンスの場合)。その際にゆっくりと3点(足首・ヒザ・股関節)を曲げて、加重していきます。
加重すると同時に、ターンの内側に体軸を傾ける(バックサイド側のターンなら背中に寄り掛かるイメージ、フロントサイドは、前にもたれ掛かるイメージ)と綺麗な弧を描いてターンしてくれます。各自でフリーランしながらやってみてください。

片足を外し、軸を傾ける感覚をイメージする

3点の関節を意識した基本姿勢や目線を平行に保つ姿勢など、比較的簡単な注意点はすぐにクリアできた4名であったが、今回の課題にかんしては少々難航している様子。
転倒の恐怖から、基本姿勢が崩れターン後半にエッジが外れてしまい、エッジにのったキレイなターンができないメンバーが続出した。

トノ:これは難しい。。。
シン:というか、怖いね(笑)やること多くて、何をやればいいかわからなくなるわ。
チハル先生:では、場所をうつして、体軸の傾きだけで曲がれるような場所に移動しましょう。

初級者レベルの斜度のコースに移動した4名。。

チハル先生:ここの斜度であればそこまでスピードでないので、恐怖心はなくなると思います。まずは真っ直ぐ滑って、適当なタイミングで体軸のみを少し傾けてみてください。そのときに加重はしなくて良いですからね。

実際に先生の言うとおりに加重無し、体軸の傾きだけでターンを行うメンバー。
いままでやったことの無い動きに困惑しつつも、綺麗なターン弧を描けることに一同驚きの色を隠せない様子。。

加重をしなくても、目線を水平に保ち、体軸を傾ければ、キレイに曲がることができる

 

ヤマヨー:スゴい!体傾けたら曲がった(笑)
シム:しかもめっちゃキレイに曲がれたし。
チハル先生:スノーボードは、ノーズやテールからセンターにかけてエッジがカーブしている構造をしていますよね。これをサイドカーブというのですが、体軸を傾けるだけで、板がたわみサイドカーブにそってターンできるようになるんです。
トノ:今までは、変に身体をひねることで、板本来の性能を邪魔していたということか。。。
チハル先生:『3点の関節を曲げ、しっかりと加重する』『目線を水平に保ち、適切な部分に加重できるようにする』さらに『体軸を傾けることで、サイドカーブを使いターンをつくる』ということになりますね。
もちろんスピードがついたら、身体の傾き角度はより深くなるので、結果的には斜面に触れるくらいまで身体を倒すことも可能になります。
4名:おぉ!ついに見えてきた!

 

レッスン4:スノーボードを楽しむ

『課題をクリアしていくことも大事ですが、一番大切なのはスノーボードを楽しむことですよね』

チハル先生:ちなみに、昨日と今朝たくさん雪降ったので、非圧雪エリアがめちゃくちゃコンディション良いことになっているの、気付きました?
シム:いうな! 我々は行きたい気持ちを抑えているのだ。。
トノ:パウダー食いてぇ。。
ヤマヨー:今ならまだ食い散らかされてない部分もあるかも。。。。。
チハル先生:では、行きましょう。
4名:え!いいの!?
チハル先生:はい。全然大丈夫です。というよりも、私も行きたいし(笑)というのは冗談で、皆さんの滑りが上達しているので、場所をかえて実践してみるのも良いですし、今日みたいなコンディションの日はカービングだけやっていてもつまらないですからね。課題をクリアしていくことも大事ですが、一番大切なのはスノーボードを楽しむことですもんね。
シン:優しすぎるよ、、、先生。。。

かくして、一同は非圧雪エリアをフリーランすることとなった。
当日の朝まで雪が降っていたため、非圧雪エリアのコンディションは良く、各々パウダーライディングを満喫した。

トノ:気持ちよかったぁ。。。
ヤマヨー:基本姿勢とか目線を意識したら、すごく滑りやすかった。
シム:安定感がちがうな。マジで。
チハル先生:非圧雪と圧雪ではエッジの使い方や体軸の倒し方が違いますが、基本的な姿勢などはかわりません。みなさんかなり進歩してますね。では、圧雪エリアに戻り、本日の仕上げをしていきましょう。

圧雪エリアに戻り、本日の総仕上げにかかる一同。加重・目線・体軸を意識し、強くエッジグリップできるよう注意しながらターンの質をあげていく。
彼らが描くターンの後はズレがなく、レッスンを始めるまえのものとは比べ物にならないくらいに向上していた。

最後に

チハル先生:皆さん、本日は有難う御座いました。本日のレッスンはこれで終了となります。
4名:有難う御座いました。
チハル先生:本日のメニューで、まだできていない事もあるかと思いますので、重要点を忘れずに練習を重ね、しっかりとできるようになってもらえたらと思います。
トノ:このようなレッスンというのは定期的に受けた方がよいのでしょうか?
チハル先生:技術に伸び悩んだり、課題がクリアできない時にはレッスンを受けるのが良いかと思いますが、レッスン受講回数とレベルアップは比例しないので、ある程度、自己練習をしてからでよいと思います。
シン:そもそもの話なんですが、課題を見つけて滑るというのが、どうも苦手で。どのようにして課題を見つけたらよいでしょうか?
チハル先生:それもよくある質問ですね。
『どの傾斜でも、その雪質でもスピードをコントロールできるようになる』という目標を掲げるのが良いかもしれません。アイスバーンでもパウダーでもどのような雪質でも。です。
全ての雪質に対応するには、それ相応のボードコントロール技術が必要で、身体全体でバランスをとりつつ板を操るようにならなくてはいけません。そのようになるには、今日教えた基礎的な動きを身体に覚えさせ、さらに発展させることが求められます。
出来ることを延々と繰り返すのではなく、苦手な斜面や地形を一つづつ克服していくことは、『課題を持って滑ること』と近い気がしますけどね。
シム:バッジテストとかどうでしょうか?課題をもった滑りにはなるのかな?
チハル先生:なりますね。しかもかなり明確な課題です。バッジテストであれば、試験項目が明確になっていますので、練習もしやすいでしょう。そのうえ、形にも残るので一度は受験してみても良いかと思います。
乾:本日は有難う御座いました。最後にひとことお願い致します。
チハル先生:本日教えた内容は基本的な事ばかりです。しかし、基本を押さえれば格段に滑りの質はあがります。それに、スノーボードがもっと楽しくなります。本日の宿題を忘れずに、練習してくださいね。本日は有難う御座いました。

彼らのスノーボード人生を変えてくれたチハル先生に礼!

 

レッスン終了後、我々はフリー滑走を心行くまでたのしんだ。今回レッスンを受けた4名の滑りは皆各段に向上しており、滑っている姿勢に安定感がうまれ、スピードにも乗っていた。なにより、クローズ直前の荒れたバーンでもキレのあるターンをしていたし、疲れを感じさせないほどのパワフルな滑りをしていた。
もともと中級者~上級者レベルの彼らであったが、数点のポイントをおさえるだけで、激的に滑りが変化したことには正直驚いた。

もし貴方が自身の滑りに、限界を感じているとしたら、スクールを受講してみよう。
思ったよりも簡単に成長の壁を突破できるかもしれない。

 

 

今回レッスンを担当して頂いたのは、ノルンスノーボードスクールだ。
冒頭でも説明したが、同校は現役のテクニカルボーダーが直接指導してくれる。そのため、指導内容はより実践的でレッスン内容の質が高く、多くのファンを獲得している。
また、全国的に見ても珍しく、女性のインストラクターが多く在籍しているので、スクールを受講しようと考えている女性の方にも強くおススメしたいスクールだ。
我々が受けたレッスンはグループでのプライベートレッスンで、メニューも特別に組んで頂いたものである。無論この記事と同じメニューでレッスンを組むことも可能だし、よりリーズナブルなレッスンを選択することも可能だ。
もし貴方がレベルアップしたいのであれば、適確でわかりやすいレッスンに定評のあるノルンスノーボードスクールを検討してみるのが良いだろう。
気になる方は、公式Webサイトをチェック!!

Writer
乾 海老雄
乾 海老雄 チーフライター

元スノーボードインストラクターのIT系Webライター

長野や北海道、マウントフッド(アメリカ)、ウィスラー(カナダ)等
様々なスキーリゾートを転々とした後、東京に落ち着く。
現在はWeb制作を行う傍ら、スノーボード系のライティングを行う日々。
妻と娘の3人家族の35歳。

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