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リゾートバイトのとある一日の流れ~リフトスタッフ編~

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11,013 views 2019-1-18 UPDATE

スノーボーダーなら誰しも一度は耳にしたことがある「篭り」やアルバイト情報サイトなどでも目にする「リゾートバイト」。
文字どおりゲレンデ周辺に家を借りたり、住み込みのアルバイトをしたりなど、手段はいくつか存在します。

「リゾートバイトに興味があるけど、実際どんな感じなの?」って人はぜひ最後まで読んでみて下さい。

 

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スノーボードの話で良く聞く”篭り”って何?

 

筆者が過去に数回”篭り”を経験している中から、とあるリゾートバイトの実際の一日の流れを紹介したいと思います。

今回はリフトスタッフの一日を紹介していきます。
リフトのことは「索道」(さくどう)とも呼ばれます。

索道(さくどう)は、空中を渡したロープに吊り下げた輸送用機器に人や貨物を乗せ、輸送を行う交通機関である。ロープウェイ(ropeway)、ゴンドラリフト、スキー場などのリフトなどが索道に含まれる。
Wikipediaより

ローカルたちの会話で「○○ってバイト何してるの?」「おれ?索道だよー」みたいな会話聞いたことありませんか?

ズバリこれです。

さて、その索道で働く人の一日を紹介します。
筆者は北海道の有名なスキー場で1シーズン索道のアルバイトをしておりました。
その当時の様子を振り返りながらご紹介します。(昔の話ですが)

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1日の流れ

◆6:30頃起床◆

当時、筆者は寮に住んでおり定員4人の部屋にて3人で生活していました。
集団生活なので早く起きる人の目覚ましで起こされていました。

◆7:20頃出勤◆

服装は支給された制服(防寒着)とサングラス(任意)、手袋、長靴、板、ブーツ、ゴーグル、他身の回りのものです。
勤務中は休憩を兼ねたリフト小屋での待機があるので暇つぶしの本や編み物用の毛糸など持って行く事もありました。
(当時ゲレンデでは手編みビーニーが流行っていたため自作していました)

寮から職場のリフト乗り場まで循環バスで運んでくれました。
距離は短いですが登り坂なので寝起きの身体にはありがたいです。

◆7:30頃勤務開始◆

前日の営業終了から朝までに雪が降った日はせっせと除雪を行います。
お客さんが入ってくる導線やゲート等の設置から、リフトに乗車する乗り場や、降り場の整備(整地)など営業開始の準備を行います。
営業時間外は搬器(リフトの椅子やゴンドラのキャビン)を片付けているリフトでは、営業開始に向けて搬器を手で押し出したりと結構な重労働です。

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リフト係の主な仕事は接客と肉体労働です。

1.乗り場・降り場でお客さんの誘導、接客、安全確認
2.リフト小屋での運転監視(風が強い日は風監視)
3.降雪時の除雪
など。

主に1~3を20分(職場により異なります)毎の交代制です。

ちなみに、下品な話で申し訳ないですがアイドル以外は避けて通ることの出来ない、生理現象について触れておきます。
男が多い仕事ということや、小規模なリフトなどはトイレ設備を有していないため、小さいほうは外でする職場もあります。(もちろん女性や大きい場合はどんなに遠くても然るべき所まで行きます)
筆者が働いていたゲレンデではメインで勤務するリフトの他、シフトによっては他のリフトで勤務する場合がありました。
ゲレンデ施設内のトイレに行けるようなリフトもあれば、氷点下や猛吹雪の中においてリフトの乗り降り場から死角となるような所で用を足す場合もありました。

◆12:00前後お昼ごはん◆

交代で食事を取ります。
肉体労働の中での楽しみの一つです。
勤務先により色々あると思いますが、筆者の場合はお弁当が運ばれてきてリフトの小屋内で食べていました。
水筒のような保温弁当箱のあったかいお弁当と、インスタントの味噌汁(袋に味噌と具が入っているタイプ)がすごくおいしかったのを今でも覚えています。
その他にゲレンデ内に従業員食堂があり、勤務先によってはそこに食べに行くような職場もあります。
また、待機小屋にはポットが備えてあり、みんなでお金を出しあってインスタントコーヒーなどを飲むことが出来ました。

ちなみに勤務中は多少滑ることができる場合もあります。
詳しくは本記事下部を参照してください。

◆16:00前後リフト運行終了◆

営業運転終了後、片付けや翌日の準備などを行います。
ナイター勤務が無ければここで下山となります。
諸々一通り仕事が終わると麓まで滑って降ります。
お昼ごはんと同じくらいテンションが上がる時間です!
後述する作業のための移動手段だけではなく、滑って帰るために板やブーツなど滑る準備も持って出勤するのです。

筆者が働いていたゲレンデは毎日ナイター営業を行っていたため、仕事が終わると一回寮に戻って制服から着替えてナイターを滑っていました。
ナイター営業を行っているゲレンデの場合は、夕方にその日の勤務が終わればナイターは自由に滑れる職場が多いと思います。

◆20:30前後ナイター営業終了◆

日によっては営業開始からナイターまで通しのシフトもありました。
(もちろん休憩はありましたが滑る時間ほどはありませんでした・・・)
また、ゴンドラや搬器を撤収させるリフトでは搬器回収という作業があります。
朝の搬器出し同様に手押しで一つ一つ搬器を回収していきます。
一日の最後はハードな仕事で締めくくりです。
諸々一通り仕事が終わると麓まで滑って降ります。
なお、ナイター営業終了後の人気のないゲレンデを職場の人たちとだけで滑って降りるため、貸切のような感覚でテンションが上がります。
勤務するリフトがゲレンデ上部だとゲレンデによっては長い距離を滑る事ができます!
ただし、週末や春はバーンがボコボコなため重労働の後の身体に堪えます。
疲れた身体で荒れたバーンを滑るため、ポジティブに捉えると良い練習になるとも言えます。
ちなみに、ゲレンデ下部の職場の場合は歩いて帰ることになり、唯一の楽しみも奪われますが・・・。

◆帰宅◆

同じ寮の人たちとワイワイやって寝る。
(これは正直かなり楽しかったです)

これがリフトスタッフの1日の流れになります。

勤務中の滑走について

さて、リフトのお仕事で仕事中に滑れるかどうかですが、これは職場によって異なります。
主な滑れる機会をピックアップしました。

持ち場交代

索道の場合は「山麓駅」と「山頂駅」がありますが、職場によっては山麓と山頂を交代するところもありますし、一日中どちらかのみで勤務する職場もあります。
交代がある場合は山頂駅から滑って山麓駅まで降りるため、リフト1本分を楽しむことができます。
ただし、ゲレンデスタッフ用の制服を着用しているので転倒できないプレッシャーに晒されます・・・。

作業時の滑走

積雪が増えた際にリフトの支柱に巻いてある衝突防止のマットが相対的に低くなったり、リフトの支柱の上に積もった雪を除雪する必要が出てきます。
そのような状況になると「○○号柱のマット上げして来い」とか「支柱の雪下ろしするぞ」とか指示されるのです。
現場までは滑って向かうことになり、普段滑走禁止と言われていたリフト線下のノートラックバーンを堂々と滑れるなどちょっとだけ楽しめます。

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ちなみに筆者は高所恐怖症なため、リフトの支柱に登るという行為は人生最大サイズのキッカーを飛んだ時より怖かったです。

まとめ

リフトのアルバイトでの滑れる時間

①休日
②勤務終了後のナイター(ナイター営業がある場合)
③早番時の退勤後・遅番時の出勤前
④勤務中(時間の多い・少ないは職場による)

<総括>
・自由に滑れる時間は決して多くはない
・勤務中に多少滑れる職場と滑れない職場がある
・休日は少ないことが多い(4週6休など)
・どちらかというと滑る時間よりお金を稼ぎたい人には向いている(ただし時給は決して高くない)
・勤務先及び関連するゲレンデのリフト券は無料(非番勤務者に貸し出しなど)
・肉体・精神面共に鍛えられる

一言でまとめると・・・
休みや滑る時間は少ないが、寮生活の場合は生活基盤があるため貯金が無くても生活に支障はない
という感じです。

がっつり滑りたいならお勧めしません。
経済的な余裕が無い方や滑る時間はそこまで多くなくても良いという方は選択肢としてアリだと思います。
また、運営会社によってはグループ内の他ゲレンデのパスを貸してもらえる(ようは他ゲレンデをタダで滑れる)など、リフト会社ならではのメリットもあります。
逆に、ゲレンデ内に複数のリフト会社がある場合は自社のエリアしか滑れない場合もあります。
リフトを経営する会社が異なるかどうか、ゲレンデ内全てのリフトに乗れるのかどうかなど、事前によく確認しましょう。

<当時を振り返って>
当時の筆者は準備が出来ておらず、シーズンイン直前でこのバイトを選択しました。
「滑れる」と思っていたら実際はそこまで滑る時間はなかった、などスノーボーダーとしては若干悔いの残るシーズンとなりました。
ただし、沢山の仲間が出来たりシーズン通して考えると非常に楽しかったし、後につながる良い経験となりました。

何を目的としてリゾートバイトをしたいのか、このバイトで叶うのか。
充実したシーズンを送れるよう、自分のやりたいことができるようにしっかりと準備をしましょう。

※本記事は当時の体験をもとに書いております。
勤務先や待遇により内容は大きく異なります。

Writer

高校生の頃、今は無きザウスにてスノーボード人生がスタート。
5シーズン篭りを経験した後、双子が生まれるまでの10シーズン以上もの間、年間滑走日数が50日を超えていた生粋のスノーボーダー。
当面の目標は家族全員でスノーボードすること。

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