スケーターにとって、スケートボードはコンプリート(完成品)で買うよりも、パーツを自分で組み合わせて完成させるほうが一般的といえます。
なぜなら、パーツごとにそれぞれ使いたいブランドが多々あるから。
スノーボードに置き換えてみたとき、ボードとバインディングの決められたセットアップよりも、それぞれ別個に好きなものをチョイスするのが当たり前、というのと同じ感覚です。
しかし、これからスケートをはじめたい!という初心者にとっては、まだなにもわからない状態でパーツを選べと言われても……というのが実情だし、組み立てるにもハードルがあります。
もちろん詳しい知識のあるショップに足を運べばゼロからやさしく店員さんが教えてくれるはずですが、どうせ言われるがままに組んでもらうのであれば、コンプリートを買うのもあまり変わらない気がしませんか?
とにかく手っ取り早くスケートをゲットしたい!というのであれば、コンプリートボードという選択肢は当然アリです。
(しかもパーツを買い揃えるよりもリーズナブルであることがほとんど!)
そこで当記事では、知っておきたいスケートパーツの大まかな説明と、コンプリートを出しているおすすめブランドを紹介します。
ぜひスケート選びの参考にしてみてください。
Contents
スケートボードのパーツについて
スケートボード一台を組むのに揃えなければいけないパーツには以下のものがあります。
1_デッキ x1
2_トラック x2
3_ブッシュ x4
4_ウィール x4
5_ベアリング x8
6_ナット&ビス x8
7_デッキテープ x1
それぞれについて解説していきましょう。
デッキ
スケートのメインとなる足を乗せる板のことをデッキといいます。 足を乗せる表面にはデッキテープを貼り、裏面のボトムにはブランドロゴやグラフィックが描かれています。デッキはショップで売られている段階では表面にもデザインが施されていますが、残念ながら滑り止めのデッキテープを貼るのでほぼ拝むことはありません。
サイズ
デッキのサイズ選びについては、スケートの全長よりも幅が重要視されます。一般的にスケートボードの幅は7.5~8.25インチで、 幅が狭いほどスピン系トリックがしやすく、幅広なほど安定性が増します。体重や足のサイズが小さなキッズや女性には細めのスケートのほうが操作しやすいのでオススメです。
素材
デッキを横面からよく見てみると、薄いベニヤ板のようなレイヤーが7層に重なっているのがわかるはずです。デッキは木材をプレス(圧着)して作られていて、その素材にはメープルが多く使用されます。気温の低い地域のメープルが丈夫という理由でカナダ産が人気です。また、リーズナブルな中国産もよく使用されています。
形状
デッキは両端にかけて反り上がったような形状をしています。進行方向側がノーズ、後方側がテールで、それぞれの反りをキックと呼びます。短く強めのキックがあるほうがテールです。
また、足がデッキにフィットして踏み込みやすくなるように、デッキには全体的に船底のような緩やかな横方向の凹み=コンケーブが入っています。
知っていて損はない。スケボーデッキの基本知識と海外ブランド14選。
#スケートボードで使う道具トラック
スケートの乗り味を左右する重要なパーツのひとつであるトラック。トラックはデッキとウィールをつなぐ金属の部分で、一台のスケートに前後合わせて2つ必要です。パッと見はどれも同じように見えますが、デッキの幅に合わせてトラックにもサイズがあり、デッキサイズとブランド別トラックサイズの整合表が存在します。
またトラックには高さ別にHI(ハイ)とLOW(ロー)があり、スケートの車高が変わってきます。乗った時にデッキの高さを感じるHIはカービングがしやすく、オーリーで高さを出しやすいというメリットが。一方で地面に近いLOWは安定感があり、軽い力でテールを蹴ることができます。
スケボーのパーツの中で最重要なトラックの説明と有名ブランド紹介
#スケートボードで使う道具ブッシュ
ブッシュはトラックについているゴム素材(ウレタンの場合もあり)で、キングピンと呼ばれるトラックの中心の大きなネジを上下で挟んで締める役割があります。つまりひとつのトラックに2個、一台のスケートで4個必要です。
ブッシュの硬さによりトラックの柔軟性は変化し、同じスケートでもまったく違う乗り心地にすることができます。
もともとトラックとセットになっていますが、ブッシュの硬さが乗り味を大きく左右するため、また定期的に交換が必要な消耗品であるため、もっもとカスタマイズされるパーツです。
ウィール
ウィールはスケートに装着する4本のタイヤのことで、サイズと硬さで選びます。
サイズは直径がミリ(mm)表記され、50~75mmが一般的。ウィールは大きくなるほどスピードが出やすくなります。
硬さは「(数字)a」として表し、この数字が大きくなるほど硬いウィールです。
98a以上がハードウィール、97a以下がソフトウィールで、面がスムースなパークやストリートで乗る場合は100a前後、路面が荒れた場所で乗る場合は80a前後がよく選ばれます。
スケボーのウィールに関して知らないと恥ずかしい4つの知識
#スケートボードで使う道具ベアリング
ベアリングはウィールにはめ込まれているドーナツ状の金属パーツで、内部の金属ボールが回転することでウィールの回転をスムースにしてくれます。 ひとつのウィールにつきベアリングを2個装着するので、一台のスケートには8個のベアリングが必要です。
ベアリングには工業規格で決められている「abec3」、「abec7」という表記があり、数字が高いほど回転性がよく高級になります。ただし、数値が大きくよく回転するものほど摩擦抵抗が少ないため熱を発生しやすく、こわれやすいという側面もあり。
スケートは乗っているうちに地面の細かな砂や汚れがベアリング内に入り込み、また濡れている場所で乗った場合には錆びも発生するので、ウィールの回りが悪いなと感じたら、ベアリングをメンテナンスするか交換するようにしてあげましょう。
小さいけど精密に作られているスケボーのベアリングについて
#スケートボードで使う道具ビス&ナット
トラックとデッキを固定するのに不可欠なのが、ビスとナットです。一台のスケートにビス&ナット計8本を使用します。
ビスの長さは7/8~1インチのものであればだいたいOKで、デッキの高さを出すためにデッキとトラックの間に挟むライザーをカマす場合には、その厚みの分だけ長さが必要です。
ビス山には6角(ヘキサ)型と+型があります。
デッキテープ
デッキテープはグリップテープとも呼ばれ、デッキの足を置く面に貼り付けるザラザラとしたヤスリのような滑り止めテープです。デッキテープは目の粗さに違いがあり、目が粗いほど足の食いつきがよく、細かいほど足を振り抜きやすいという特長があります。
デッキテープの多くは黒ですが、グラフィックが入ったものや透明のタイプもあり、貼り方を工夫すればオリジナリティあるデッキに仕上げることができます。
失敗しないデッキテープの貼り方と有名ブランド紹介
#スケートボードで使う道具コンプリートを買うなら! おすすめ5ブランド
ここまでスケートのパーツについてざっくり紹介しましたが、やっぱりまずはコンプリートからスタートしたいと思った人に、オススメのブランドを5つ紹介します。
GIRL SKATEBOARDS(ガール スケートボード)
1993年にプロスケーターのリック・ハワード、映画監督のスパイク・ジョーンズ、グラフィックアーティストのアンディ・ジェンキンスら3人により設立されたGIRLは、スーパースターが揃う名実ともにNO.1のスケートブランド。もちろん女の子向けのブランドというわけではなく、デッキからウェアまで一貫したポップな世界観が人気を博している。
ELEMENT SKATEBOARDS(エレメント スケートボード)
アメリカ東海岸出身のスケーター、ジョニー・シラレフが1992年に設立したブランド。90年代以降のストリートカルチャーに多大な影響を与えたスケートブランド「NEW DEAL」のセカンドブランドとしてスタートし、軽くて丈夫な独自のデッキシェイプで世界中で人気に。
スケートだけでなくシューズやアパレルなども幅広く展開し、キッズのラインナップも充実している。
ANTI HERO SKATEBOARDS(アンチヒーロー スケートボード)
1995年にジュリアン・ストレンジャーが中心となり誕生したサンフランシスコ発のデッキブランド。パンチの効いたブランド名の通り男気溢れるハードコアブランドで、ロゴの鷹がインパクト大。トニー・トルフィーヨ、ジョン・カーディエルなど伝説的なライダーが在籍する。ロックやメタルミュージックシーンにもファンが多い。
ENJOI SKATEBOARDS(エンジョイ スケートボード)
上目使いのキュートなパンダが目を惹く個性派ブランドのENJOI。圧倒的なテクニックで魅せる人気スケーターのマーク・ジョンソンと、神業的な技術が光るレジェンドスケーターのロドニー・ミューレンが2002年に設立した。カラフルでポップなグラフィックはブラックユーモア溢れ、ストリートでの評価も高い。個性的なスタイルを持つライダーが揃い、ぶっ飛んだ滑りがつねに注目されている。
CHOCOLATE SKATEBOARDS(チョコレート スケートボード)
1994年にリック・ハワードが設立したCHOCOLATEは、先に紹介した人気スケートチームGIRLの弟分として誕生。正統派スター集団のGIRLに対し、CHOCOLATEは個性的なスケーターが多く、もともとは有色人種に限ったチームという位置づけだった。アーティスティックなスケートブランドとして人気が高く、リアルなスケーター達の手によって運営される数少ないブランドでもある。
白馬でスノーボードショップを営む、元スノーボード誌編集者のフリーライター。
田舎ライフをマイペースに満喫しながら、とことん遊びを追求しています。
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