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ハーフパイプってどんな競技?
"ハーフパイプってどんな競技なんだろう?なんとなくは知っているけど、細かいルールや採点方法が分からない。。。"
というオリンピックのハーフパイプ競技を楽しく観戦したいという方のために、ハーフパイプのご説明を詳しくしていきたいと思います。
最近では、ハーフパイプではなくスーパーパイプという呼ばれ方をされるようになってきましたが、近年ハーフパイプ自体の大きさが巨大化していて、トリックの難易度や飛距離も大きくなってきています。
技は華麗でインパクトのあるエアーにと、観戦する側からするとエンターテイメント性が高まっているが、その反面ミスした時のライダーのリスクが大きくなってきているのも事実です。
そんなハーフパイプは長野オリンピックから正式種目として認可されて、世界から何十人という選手が参加する人気競技へと成長しました。
もちろん世界に通用する日本人ライダーも数多くいます。詳しい選手の情報は下記リンクから。
https://giver.jp/archives/39895
ハーフパイプの大きさ
この写真のような円柱を半分にカットしたような形状をしています。(だからハーフパイプという名前。)
通常は
横幅が15m〜20m
全長が120m〜160m
最も低いボトムといわれる底からリップ(ハーフパイプの最上部)と呼ばれるトリックを繰り出す際に踏み切る、最も高い位置までの距離が6m〜7mになります。
オリンピックで使用されるハーフパイプの大きさ
横幅:20m
全長:180m
高さ:6.8m
上の数字を見てみると、その大きさは最大級であることが分かります。
競技内容、評価基準
ハーフパイプは、ほとんどの方がご存知だとは思いますが、このパイプの中を振り子のように行ったり来たりしてトリックをします。
通常、5回〜6回トリックを繰り出して、そのトリックについて得点が付けられます。
ハーフパイプ採点方法
・ジャッジは6人でスコアを満点を100点として付ける。
・その最も高いスコアと最も低いスコア、2つを除く4つのスコアの平均がスコアとなる。
・ベストスコア採用法で、各選手予選では2本、決勝では3本滑って、最も高いスコアが個人スコアとして採用される仕組み。
評価基準
・技の難易度
言わずもがな、技の難しさのこと。
回転数が多ければ多いほど、難しくなり、スイッチスタンスでトリックをすると高得点に繋がります。
また、平野選手が得意としているコークやロデオと言われる、3D系のトリックを用いると更に高得点をもらえます。
・技の完成度
主に空中での体勢を見られています。
しっかりとグラブをして、板を体に引きつけ、体をコンパクトにして回すことができているのか。
空中で手が泳いでないか。
これらの要素で得点が付けられます。
・技の高さ
ハーフパイプで見落とされがちなのが、技の高さです。
いくら回転数が多かろうが、高さのないトリックは評価されません。
世界のトップクラスになると、リップ(ハーフパイプの最上部)から9mも上空に飛び出します。
よく解説でリップトゥリップという言葉が出てきますが、これはエアの飛び出しがリップのギリギリから飛び出し、着地もリップのギリギリでランディングしていることを表しています。
平野選手は特にこのリップトゥリップでトリックを繰り出すことが有名で、高得点を叩き出す一つの要素になっています。
トリックの高さにも注目して、見ましょう!
・着地の安定感
ハーフパイプにおいて、着地の安定感ほど大切な要素はありません。
なぜなら、着地が安定していないと、失速してしまい次のトリックに上手く繋げることができなくなってしまうからです。
回転数を上げれば上げるほど、着地でピタっと回転を止めることは難しくなります。
ハーフパイプ攻略に、着地の安定感は欠かせません。
・全体の構成
トリックから、ボトムラン、技の回数など
全体的なクオリティで判断されます。
これは審査に慣れていないと見分けることが難しいので、なんか雰囲気良い感じだなーと思う程度で大丈夫です。
減点されてしまう要素
インパクフルなトリックに目を引かれて、どの部分で点数を減点されているのか分からないことがあるでしょう。
テレビでの観戦で頭にクエスチョン"?"がでないように、減点される点数が大きいものから順に列挙したいと思います。
・ランディング(着地)で転倒してしまう
転倒してしまうと、ほとんどの場合次の技ができなくなってしまうため大幅な減点になってしまいます。
転倒したらいくらルーティーンの途中でも滑るのをやめる選手がほとんどです。
・手をついてしまう
これはルーティーンの中で何度かは起こってしまいますが、安定したランディングができれば手をつかずに済みます。
もちろん得点を伸ばそうと、高難度のトリックに挑戦すればするほど、ランディング時に回転を抑えることができずに手をついてしまう可能性が高くなります。
・軸が入りきっていない
近年、フラットスピン(並行に回るトリック)ではなく、3Dと呼ばれる縦と横に同時に回るトリックが主流になっています。(ダブルコークやマックツイストなど)
この時に縦回転があまり加わらずに、フラットスピンっぽくなってしまう場合、減点の対象になってしまいます。
正直、この領域はジャッジなど、スノーボードを見ることに長けていないと判断できない部分ではあります。
・グラブをしていない(時間が短い)
上記の技の完成度のところでも書いていますが、グラブをしているかしていないか、グラブしている時間が長いか短いかで得点が上下します。
滞空時間を長くすることで、グラブできる時間が増えるため、高得点を狙うことができます。
ハーフパイプ競技を見る上で注目したいポイント
難易度に関しては、技の回転数、回転方向、グラブの位置などで大きく変わってきます。
エアーの高さは全選手を見比べると一目瞭然でしょう。
完成度に関しては、グラブの長さ、エアー中のスタイル、リップから飛び出て、リップに戻ってくる(外に飛び出たり、内側に落ちると減点対象)などです。
近年はベーシックの底上げが行われており、さらに高難易度の技が出てきているので、優勝候補に組み込まれる技を紹介していきます。
・フロントサイドダブルコーク1440 縦2回転、横4回転の大技である。 優勝ルーティーンの鍵となってくる
・フロントサイドダブルコーク1260 縦2回転、横3回転半のこちらも大技。 ルーティーンの中で2回繰り出せる選手も少ない
・CABダブルコーク1260 上記トリックのスイッチスタンスからエントリーする大技。 スイッチスタンスからエントリーするので難易度としては高い
・バックサイド1260 回転方向が体を閉じる方向に3回転半する技。 踏切と回転力を付け加えるのが難しい高難易度のトリック
・ダブルマックツイスト1260 ショーンホワイトが得意とする大技。
先日ショーンホワイトが100点満点を叩き出したW杯の動画では、
フロントサイドダブルコーク1440→CABダブルコーク1080→FS540→バックサイドダブルコーク1260(ダブルマックツイスト)→フロントサイドダブルコーク1260
と、ダブルコーク1260以上のスピントリックを5ヒット中3トリックも入れ込んで100点満点を叩き出した。
トリプルコークとは?
回転軸を斜めにして、縦に3回転し横回転も加えた最高難度の大技です。
「トリプルコーク1440」となると、回転軸が斜めに入りながら縦3回転に横に1440度なので、4回転(360×4)となります。
ハーフパイプに関する用語集
レギュラースタンス
左足が前で右足が後のスタンスのこと。
グーフィースタンス
レギュラースタンスとは逆で、右足が前で左足が後のスタンスのこと。
メインスタンス
通常のスタンスのこと。
レギュラースタンスの人はレギュラースタンス。
グーフィースタンスならばグーフィースタンスでいる状態のこと。
スイッチタンス
通常とは逆のスタンスになっていること。
メインスタンスがレギュラーの人はグーフィースタンスになっている状態。
グーフィースタンスなら、レギュラースタンスになっている状態のこと。
ヒールエッジ
かかと側のスノーボードと雪面が接地している端のこと
トゥエッジ
つま先側のスノーボードと雪面が接地している端のこと
フロントサイド(オープンサイド)スピン
フロントサイドとは、前方に胸を開きながら回転していく方向のことを指します。
レギュラースタンスならば、左方向。
グーフィースタンスならば、右方向の回転。
バックサイドスピン
バックサイドとは、前方に背中を向けていく方向に回転していくことを指します。
レギュラースタンスならば、右方向。
グーフィースタンスならば、左方向の回転。
キャブ
スイッチスタンスでフロントサイドに回転することを、キャブという。
ボトム
ハーフパイプの底のこと。
底の平になっている部分。
ボトムラン
ボトムでの滑りのこと。
ここでの滑りでスピードを落とさない滑りができるかどうかで技の高さが変わってくる。
フリーランが下手クソな人はスピードが落ちる。
リップ
エアの飛び出し口のこと。
プラットフォーム
ハーフパイプの上部の平な部分。
カメラマンなどが、そこからリップを抜けてトリックをしている選手を撮影したりする。
R(アール)
ボトムからリップに向かって、上に曲がっている部分のこと。
ドロップイン
ハーフパイプに入ること。
滑り初めて、プラットフォームから滑り降りる時のこと。
グラブ
空中で板を掴むこと。
掴む手の違いや、掴む箇所の違いで名前が異なる。
ミュートグラブ
前の手(レギュラースタンスなら左手グーフィースタンスなら右手)でトゥエッジ(つま先側)のエッジを掴むグラブのこと。
インディグラブ
後ろの手(レギュラースタンスなら右手グーフィースタンスなら左手)でトゥエッジ(つま先側)のエッジを掴むグラブのこと。
トーウィーク
前の手でヒールエッジ(かかと側)のエッジを掴みながら、体をひねり、前方に板の裏を見せるようにするグラブのこと。
エア
ジャンプのこと。
空中にいる間のこと。
ルーティーン
何回目のジャンプに何を持ってくるのかという、技の構成のこと。
3D(3Dエア)
横回転と縦回転が同時に入っているエアーのこと。
ダブルコーク
ダブルコークスクリューの略。
横に3回転、縦に2回転する技はダブルコークテン(1080°)
横に3回転半になれば、ダブルコークトゥエルブ(1260°)
となります。
回転数の表現
ワン・ワンエイティー(180°)半回転
スリー・スリーシックスティ(360°)1回転
ファイブ・ファイブフォーティ(540°)1回転半
セブン・セブンツー(720°)2回転
ナイン・ナインハンドレッド(900°)2回転半
テン・テンエイティ(1080°)3回転
トゥエルブ・トゥエルブシックスティ(1260°)3回転半
フォーティ・フォーティフォー(1440°)4回転
※ハーフパイプの場合、実際に回った回転数の+180°される。
なので2回転の場合は2回転半となりファイブフォー。
2回転半の場合は3回転でテン。
といった具合に少し回転数を把握するのが難しい。
これだけの知識があれば、充分ハーフパイプを見て楽しむことができると思います。
さあ!
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