スケートボード

スケボー界の傾奇者・吉岡賢人とは

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17,525 views 2021-8-21 UPDATE

曰く、マジシャン
曰く、革命家
曰く、ヘンタイ
曰く、異端

吉岡賢人を形容する言葉は数多く存在する。
しかし、今回は“傾奇者”という言葉を使用したいと思う。

傾奇者とは、
「異風を好み、派手な身なりをして、常識を逸脱した行動に走る者たちのこと」という意味である。

彼の滑りはテクニカルでトリッキー、予想だにしないトリックが繰り出される。

彼のファッションは、時にはモヒカン、時にはスキン、時にはネズミのような髪型…… そして彼のスケーティングを表するようなパンクススタイル。

これを傾奇者と言わず、どう形容しようか。

本記事では、“傾奇者”吉岡賢人について詳しく紹介していく。

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なぜ、今なのか?

吉岡賢人氏を知っている人で、なぜ今このタイミングで紹介するのかと疑問に思う人もいるだろう。

ストリートカルチャー誌『Ollie』を始め、さまざまなメディアへの露出があり、彼を知らないスケーターはほとんどいないだろう。

東京オリンピックで堀米雄斗氏や西矢椛氏などが偉業を成し遂げ、スケボーが注目されている。

最近スケボーを始めた人、やってはいないが興味がある人など、そういった人たちに知ってほしいのである。

堀米氏のような王道のスケーター以外にもイケてるスケーターはたくさんいるということを。

吉岡賢人とは?

 

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吉岡氏は愛媛県出身、22歳のスケーター。中学卒業と同時に上京し、またたく間に日本のスケートボード界のスターダムを駆け上がった。

現在まで、WELCOMEやVENTURE、BONESなどのスケートボード関連企業からのスポンサードはもちろん、DICKIESやADIDASなどのアパレルブランドからのスポンサードも受け、現在若手ナンバー1スケーターと言っても過言ではない。

温故知新なクリエイティブスタイル

ある程度スケボーをしたことがある人ならわかると思うが、彼のスケートスタイルは“普通”ではない。

ここで言う“普通”とは、東京オリンピックにて金メダルを獲得した堀米雄斗氏のような、いわゆる王道や正統派のようなスタイルのことである。

百聞は一見に如かず。

まずは彼の滑りをご覧あれ。

スケボーについてまだあまり知らない人が見ても、一目瞭然だろう。

オリンピックにより、“王道=スケボー”というイメージができあがっている人からすれば衝撃なのではないだろか。

色とりどりのノーコンプライ、キレのあるスラッピー、絶妙なハンドフリップ、変態チックなセックスチェンジ……。

それらはオールドトリックと呼ばれる、昔はよく見たが現在ではあまり多用するスケーターがいないトリックたちである。

彼はオールドトリックを自身の滑りに取り入れ、さらにすごいことにアレンジを加え、真新しいトリックへと昇華させている。

ひたすらにスケボーを愛し、ひたすらにスケボーと向き合い、ひたすらにスケボーを研究してきた彼の“スケボー愛”がそうさせたのであろう。

もしかすると、そういった王道ではないトリックばかりやっているのでは? と感じる人もいるかもしれない。

ちょっと異質なスタイルのゴリ押しで滑っているだけなのでは? と思う人もいるかもしれない。

いやいや、少し考えてほしい。

基本ができなければ、応用はできない。

普通のオーリーも非常に上手く、高さもキレも相当なものだ。
フリップ系トリックもなんのその。カーブやランプなんかも当たり前のようにこなす。

こなすというより、天才的に上手い。

彼が王道ではない、ヘンタイ的なスタイルに至るまでには試行錯誤や研鑽が間違いなくあったであろう。

それも“スケボー愛”ゆえだろう。

中学を卒業後、スケボーのために上京してきたという時点で彼の愛は深い。

Shake Junzi・Evisen Skateboardsとの出会い

吉岡氏を語る上で外せないのが、Shake Junzi氏とEvisen Skateboardsとの出会いだろう。

Shake Junziとの出会い

 

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Shake Junzi氏は、吉岡氏と同様にトリッキーなスタイルのスケーター。

また、自身の名前を冠したデッキテープを製作、そこから派生したアパレルブランドMaison Shake Junziを主宰している。

また、氏はそのオリジナリティーあふれるクールなファッションも注目を集める。

そのセンスは、間違いなく吉岡氏に影響を与えている。

詳しくはShake Junzi氏と彼のブランドのInstagramを覗いてみてほしい。
https://www.instagram.com/shakejunzi/
https://www.instagram.com/maisonshakejunzi/

Evisen Skateboardsとの出会い

Evisen Skateboardsのロゴ(Evi logo)を見たことのないスケーターはほとんどいないだろう。

TIGHT BOOTH PRODUCTIONの上野伸平氏、ローレンス・キーフ氏など個性豊かなライダーを抱える日本のデッキブランドである。

吉岡氏は過去に“apple”や“pokett patrol”という若手スケーターを巻き込んだプロジェクトを主宰していたが、そこではSNSを用い世界へと発信することを目的としていた。

その根底には世界に日本のスケートスタイルを広げていきいたいという強い気持ちがあった。

その後、氏はスポンサーであったデッキブランド・WELCOME Skatebordsとの契約を解消し、プロライダーとしてEvisen Skateboardsにジョイン。

2020年10月に公開されたEvisenが氏の新パートを公開したのだが、なんと『Thrasher Magazine』のYouTube上でアップロードされたのだ。

もちろん、Welcomeでのパートも世界へと向けられたものではあったものの、氏の「日本から世界へ」という強い思いが、Evisenのライダーとして『Thrasher』という最大手のスケートボードメディアから発信できた要因ではないだろうか。

このことにより、“日本の吉岡賢人”から“世界の吉岡賢人”への足がかりとなったに違いない。

現在では、Instagramのフォロワー数が10万人を超え、確実に世界が氏の存在に気づき始めている。

Evisen Skateboards公式サイト:https://www.evisenskateboards.com/

日本のスケートカルチャーを革命する

東京オリンピックを経て多少は認知度が向上していきていると感じるが、日本でのスケートカルチャーはまだまだアンダーグラウンドなものだという認識である。

アンダーグラウンドまではいかないが、確実にメジャーではなくマイナーだと感じる。

そこには法や国土の狭さ、イメージなどさまざまな要因がある。

そんな日本のスケートカルチャーを変えようと思って動いているのかはわからないが、吉岡氏は確実に変革をもたらしているように感じる。

日本初のスケーターを育てる高校・バンタンデザイン研究所の高等部 第1期生になったり、新宿や渋谷の巨大街頭ディスプレイにて彼の映像が流れたり……(しかも、付近には交番がある)。

数年前までは考えられなかったような現象が彼を中心に巻き起こっているのだ。

意図しているのか否か、日本のスケートカルチャーを革命している。

堀米雄斗氏が東京オリンピックというメジャーな舞台からスケボーを革命したが、吉岡氏はストリートから革命しているように感じる。

これは語弊があるかもしれないが、陰と陽――氏は陰の側からスケボーを押し上げている。

氏は小学校の文集でこう語っている。

ぼくのやっているスケートボードは、日本ではあまりやられていません。だから、スケートボードのすばらしさや楽しさを多くの人に伝えたいと思っています。(中略)スケートボードは楽しむものだということを伝えて行きたいと思います。

出典:https://www.instagram.com/p/CAMDHLXAOLt/

まさに有言実行だ。

彼の滑りを見ると、スケボーは楽しいものだと深々と感じる。

すぐにでも滑りたくなるのである。

幼少期からのマインドが、楽しさを伝播させる彼のスタイルを形成しているのだろう。

スケボー界の“傾奇者”吉岡賢人から今後も目が離せない。

最後に

いかがっただろうか?

吉岡賢人氏がいかにすごいか、いかにカッコいいのかというところを少しでも感じ取ってもらえたら嬉しい。

そして、今すぐにでもデッキを片手に滑りに行ってほしい。

スケートボードは楽しいのだから。

 

吉岡賢人氏Instagram:https://www.instagram.com/japanese_super_rat/

氏のハードウェアブランド:https://www.instagram.com/kentohardware/

Writer

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