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日本の伝統菓子「和菓子」について

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43 views 2024-11-16 UPDATE

「和菓子」は、今日まで伝わる日本独自のスイーツです。その見た目の鮮やかさや美しさから、「日本に行ったらぜひ一度食べてみたい」と興味を惹かれている方も多いのではないでしょうか。しかし、一言で和菓子と言っても、実に幅広い種類が存在しており、味や見た目もさまざまです。

そこでこの記事では、日本の伝統菓子である和菓子の基礎知識について、日本人がわかりやすく解説していきます。材料や味、ポピュラーな和菓子の種類についても紹介していきますので、「どんな味か知りたい」「自分の好みのスイーツを見つけたい」という方は必見です。

和菓子は緑茶に合う植物ベースのスイーツ

日本の「和菓子」は、植物由来の食材を使用した伝統的なスイーツです。現在に伝わる和菓子は江戸時代発祥のものが多く、さまざまな食材や調理方法で知られています。まずは和菓子の定義や歴史、味の特徴といった基礎知識から詳しくみていきましょう。

【定義】和菓子とは何か

「菓子」は、古来の日本人にとって果物やナッツを指す言葉でした。「和菓子」という言葉は、1800年代に西洋からの「洋菓子」と区別するために生まれたとされています。実は和菓子に明確な定義はなく、和菓子同士における分類も曖昧です。

たとえば、同じ「饅頭」という和菓子であっても、蒸して調理するものやオーブンで焼くものもあります。和菓子に共通しているのは、伝統的な植物由来の食材をベースに、緑茶や抹茶に合うように作られているという点です。とくに現代の和菓子は洋菓子の要素を取り入れたものも多く、和菓子は「和風の創作菓子」「創作甘味料理」といった扱いがされています。

和菓子の味はどんな感じ?

和菓子は、自然由来の優しく繊細な味わいが特徴的です。使用する食材によって味わいは異なりますが、ほんのり甘い、あるいはほんのりしょっぱいといった、主張しすぎない味がお茶によく合います。伝統的な和菓子には、オイル・バター・卵などは使われておらず、砂糖の量も洋菓子よりはるかに控え目です。これは、古くから日本に伝わる仏教や「茶道」の価値観に基づいていることに由来しています。苦味のある「抹茶」の味わいを引き立てるため、上品かつ繊細な甘みを再現しているのです。

和菓子の歴史

日本最古の菓子は、縄文時代(紀元前5世紀〜794年頃)にまで遡ります。弥生時代には、すでに穀物や米粉を丸めた「団子」の原型のようなものがありました。しかし、日本に砂糖が伝わったのは奈良時代後半であり、和菓子が広く作られるようになったのは江戸時代になってからです。奈良時代には、中国から伝来した揚げ菓子「唐菓子(からくだもの)」がありましたが、当時は儀式の食べ物としての扱いでした。

その後の平安時代になると、貴族の間で唐菓子を日本人好みに改良した「椿餅」「青差」などの菓子が流行するようになります。さらに鎌倉時代には、日本の僧侶たちが中国から茶文化を持ち込み、お茶と菓子を一緒に食べる習慣が始まりました。

和菓子は何でできている?

和菓子の多くには、茹でた小豆をすりつぶし、砂糖で甘く味を付けた「餡子」が使われています。また、以下は和菓子の中心的な食材です。

  • 餡子(小豆)
  • 米・小麦
  • 砂糖
  • 寒天
  • ごま
  • 抹茶
  • 栗などの季節のフルーツ
  • 天然の香料(桜や梅など)

昔ながらの方法で作られている和菓子は、植物由来のシンプルな素材が主原料であるため、ヴィーガンフレンドリーです。ただし、近年では「ネオ和菓子」と呼ばれる、和洋折衷なハイブリッド和菓子も存在します。国外発のフルーツを使った「フルーツ大福」などは、その代表的な例です。

和菓子の作り方

和菓子は、餡を生地で包んだものが基本です。材料にはさまざまなものがありますが、ここでは餡子の作り方を紹介します。

まずは洗った小豆を10~15分程度煮て、渋みを逃がす「渋きり」をしてください。煮立ったら一度お湯を捨てて新しい水を入れ、今度は柔らかくなるまで30分程度煮ます。その後、弱めの中火にかけて、砂糖を加えて煮汁がなくなるまで煮てください。煮汁がなくなってきたら塩をほんの少し加え、味を調えます。また、生地は米粉に水や砂糖を加えて加熱し、柔らかくペースト状にしたものが基本です。

ただし、和菓子には実に多くの種類があるため、一概には言えません。また伝統的な和菓子職人は、この生地に鮮やかな彩色を施して、複雑かつ精巧なデザインに仕上げます。

代表的な和菓子の種類

和菓子の種類は幅広く、実にさまざまな見た目・形のものが存在しています。ここからは、代表的な和菓子を8種類紹介していきますので、何を食べようか悩んでいる方やお土産などに迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

生菓子(ねりきり)|米粉とあんこの和菓子

和菓子の中でも、水分を多く含むものは「生菓子」と呼ばれており、中でも有名なのがお茶菓子のイメージがある「ねりきり」です。ねりきりは上生菓子と呼ばれる上等な生菓子で、求肥(ほんのり甘く弾力性のある生地)・小麦粉・つくねいも・やまいもなどを白餡に混ぜ込んだ、「ねりきり餡」で作られています。

季節の草花や干支、日本の伝統行事などをモチーフにしたものが多く、鮮やかな色合いと美しく精巧な細工で見た目も楽しめるのが特徴です。

大福|柔らかい餅で包んだ和菓子

「大福」は、甘く滑らかな餡を弾力のある柔らかい餅で包んだ、楕円形の和菓子です。包まれているのはペースト状の餡子が代表的ですが、豆・いちご・クリームなどさまざまなバリエーションがあります。米粉・片栗粉・コーンスターチなどをまぶすことで、お互いにくっついたり指にくっついたりするのを防いでいるのも特徴です。

饅頭|甘い詰め物をした和菓子

大福と似ている和菓子に「饅頭」というものがあります。大福は穀物を蒸して叩き、柔らかくした餅で包んだものを指しますが、饅頭は小麦粉の生地に餡を包み、蒸したり焼いたりするのが特徴です。そのため、饅頭はパンのようなふかふかとした食感をしています。伝統的な酒饅頭をはじめ、温泉饅頭・栗饅頭・もみじ饅頭など、さまざまなバリエーションが楽しめる和菓子です。

団子|米粉を丸めて蒸した和菓子

「団子」は、米粉やもち米粉を蒸してボール状に丸め、水で冷やして固めた和菓子です。餅や大福のように柔らかく弾力がありますが、作り方が違います。団子自体の味はシンプルで、餡子や醤油、甘辛い「みたらし」などのソースをかけて食べるのが一般的です。3~5個を連ねて串刺しにした「串団子」が基本の形ですが、「月見団子」のように丸めただけのものもあります。

羊羹|砂糖と寒天でできたゼリー状の和菓子

「羊羹」は、砂糖と寒天を使った四角い形状の和菓子です。小豆・栗・抹茶・黒砂糖など、さまざまな味が楽しめます。ゼリーのような見た目をしていますが、きめ細かくずっしりと重いのが特徴です。チューインガムのパックくらいの小さなサイズ感のものはそのまま食べられますが、太いものは一口大に切って提供します。

どら焼き|パンケーキのような餡子の和菓子

「どら焼き」は、厚めのパンケーキのような、ほんのり甘いカステラ生地に餡子などを包んだ焼き菓子です。日本の漫画キャラクター「ドラえもん」の好物なので、知っている方も多いのではないでしょうか。中身は餡子であることが多いですが、ホイップクリームやカスタード、抹茶クリームなど、さまざまなバリエーションも存在します。

たい焼き|魚を模った甘い和菓子

「たい焼き」は、魚の形を模った焼き菓子で、パンケーキのようなほんのり甘みのある生地を使っています。中身は餡子が基本ですが、カスタードクリーム・チョコレート・チーズなどのモダンな具材もあるのが特徴です。焼きたては生地がカリカリしているため、とくに美味しく食べられます

あんみつ|寒天ゼリーと餡子の和菓子

「あんみつ」は、餡子と寒天ゼリー、黒蜜シロップとフルーツをふんだんに使った、和製パフェのような冷たいデザートです。「白玉団子」と呼ばれる、白いボールのようなもちもちとしたお団子が入っているものや、アイスクリームが添えられているものもあります。さっぱりとした爽やかな味わいなので、夏に好まれるスイーツです。

東京のどこで和菓子が買えますか?

日本の和菓子は、東京のさまざまな場所で食べられます。

  • カフェ
  • レストラン
  • お寺
  • 庭園
  • 専門店
  • 洋菓子店 など

お土産として持ち帰りたい場合は、浅草や銀座などの専門店がおすすめです。

和菓子のワークショップはどこでできますか?

東京や京都では、和菓子作りのワークショップや、茶道などが体験できる場所がたくさんあります。ワークショップによっては、自分の作った和菓子を伝統的な抹茶と一緒に味わうことも可能です。ねりきりやお団子、たい焼きなどさまざまな種類があるので、気になるものを選んでみてください。

まとめ

日本の和菓子は伝統的なスイーツですが、近年では洋菓子の素材やデザインを取り入れたものも多く存在しています。伝統的な味を試してみるのはもちろん、挑戦しやすいものから食べてみるのもおすすめです。ぜひ日本に来た際は、和菓子の魅力と繊細な味わいを楽しんでみてください。

Writer

北海道から沖縄まで、国内各地のリアルな観光情報を発信中。
穴場スポットやアクティビティをはじめ、その土地の文化・歴史・グルメなどの魅力を、地元ライターならではの視点でお伝えします。

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