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【日本酒の魅力】作り方や種類による味の違い!料理と一緒に楽しむコツも

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114 views 2024-10-22 UPDATE

日本の魅力を語る上で外せないのは日本酒です。

稲作が始まった弥生時代には作られていたと言われるように、古くから愛される日本酒は、豊かな味わいが特徴となっています。

日本酒の魅力を知ることで、日本の豊かな伝統への理解を深められます

日本旅行の計画を立てる際にも役立つ情報が満載です。

日本酒とは?

日本酒

日本酒(sake)は、主に米、水、麹(こうじ)から作られる伝統的な日本のアルコール飲料です

英語では「Japanese rice wine」と呼ばれることもありますが、ワインとは異なる発酵過程を経て作られます。

日本酒のアルコール度数は通常15〜16度です。

強さの面ではワイン(約10〜15度)と蒸留酒(約40度〜55度)との間に位置します。

日本酒は独自の醸造過程により、さまざまな料理と相性がよい、豊かな風味と香りが生み出されます

日本酒の作り方|製造工程や発酵プロセス

麹

日本酒の製造は、「一麹(いちこうじ)、二酛(にもと)、三造り(さんつくり)」と呼ばれる複雑な工程を経て行われます。

複雑かつ伝統的な方法のおかげで、独特の味と香りが作り出されます

主な製造工程を見てみましょう。

1.精米と蒸米

精米された米を洗い、水に浸し、蒸します。

この蒸した米が、以降すべての工程の基礎です。

2.麹造り

蒸した米の一部に麹菌を振りかけ、麹を作ります。

麹は米のデンプンを糖に変える重要な役割を果たします。

3.酒母(しゅぼ)造り

蒸し米、水、麹、そして酵母を混ぜ合わせて酒母を作ります。

ここで作られたものは「酒の母」と呼ばれ、後の発酵過程で必要になる大量の酵母を培養する際に使われます。

4.もろみ造り(三段仕込み)

酒母に、麹と蒸し米、水を加えて「もろみ」を作ります。

もろみ造りの工程は「三段仕込み」と呼ばれる独特の方法で行われ、3日間かけて少しずつ材料を追加していくのがポイントです。

一気に発酵させてしまうと、酒母のなかの酸が薄くなり酵母菌の増殖が間に合わなくなります。

ゆっくり発酵させることで、雑菌の繁殖を抑えつつ、酵母の増殖を促進します。

  • 1日目:初添え(はつぞえ)最初の材料を加え発酵を促進
  • 2日目:踊り(おどり)仕込みはせず、酵母をゆっくり増殖
  • 3日目:仲添え(なかぞえ) 2回目の材料を追加
  • 4日目:留添え(とめぞえ) 最後の材料を加え、仕込み完了

5.発酵

もろみは約20日間かけてゆっくりと発酵します。

この間、デンプンが糖に変わり、さらに糖がアルコールに変わっていきます。

6.上槽と仕上げ

発酵が終わったもろみを搾り、酒と酒粕に分けます。

搾られた新酒は、ろ過され、多くの場合は火入れ(加熱殺菌)された後、熟成のために貯蔵されます。

一部の日本酒は、「生酒」として火入れが行われません。

また、貯蔵後に出荷時のみ加熱する「生貯蔵酒」として製造されることもあります。

出典:日本酒造組合中央会|日本酒を知る 日本酒の製造工程
出典:沢の鶴 酒みづき|日本酒の「三段仕込み」とは?仕込みによる味わいの変化を知ろう

日本酒の種類と味わいの特徴

おちょこと日本酒

日本酒にはさまざまな種類や名称があり、それぞれが独特の味わいです。

以下に代表的な種類とその味わいを紹介します。

なお、精米歩合に着目した場合、70%以下「本醸造酒」、60%以下「吟醸酒」、50%以下「大吟醸酒」と規定されています。

種類 原料や特徴 味わい
純米酒 ・米、米こうじ、水のみで作られる。 ・ふくよかな味わい。
吟醸酒 ・米、米こうじ、水、醸造アルコールで作られる。
・60%以下の精米歩合の米を使用。
・少量のアルコール添加で、より香り高く複雑な味わい。
本醸造酒 ・米、米こうじ、水、醸造アルコールで作られる。
・70%以下の精米歩合の米を使用。
・スッキリ辛口。
大吟醸酒 ・米、米こうじ、水、醸造アルコールで作られる。
・50%以下の精米歩合の米を使用。
・少量のアルコール添加により香りが引き立ち、軽い味わい。
純米吟醸酒 ・米、米こうじ、水のみで作られる。
・60%以下の精米歩合の米を使用。
・軽やかでフルーティーな香りとクリアな味わい。
純米大吟醸酒 ・米、米こうじ、水のみで作られる。
・50%以下の精米歩合の米を使用。
・優雅で洗練された味わいと繊細な香り
にごり酒 ・ろ過していない白く濁った外観。 ・甘くクリーミーな舌触りで濃厚な味わい。
生酒 ・もろみを搾った後火入れ(加熱殺菌)をしない。 ・フレッシュで生き生きとした味わい。

出典:GEKKEIKAN|吟醸、純米、本醸造とは、どのような酒ですか?香り・コク、特定名称の各製法で生み出される特徴ある酒質

日本酒の味は、ドライでキリッとしたものから甘くフルーティーなものまで幅広く、リンゴやバナナ、もしくは花を思わせる風味を感じることもあります。

テクスチャーも軽くてなめらかなものからにごり酒のように、濃厚でコクのあるものまで多様です。

日本酒の楽しみ方

日本酒を存分に楽しむためには、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。

1.温度の違いを楽しむ

日本酒は冷酒(れいしゅ)、常温(じょうおん)、熱燗(あつかん)と、さまざまな温度で楽しめます。

それぞれの温度で、同じ日本酒でも風味が変化します。

昔から日本人が温度に敏感にお酒を楽しんできたことを感じながら、お酒ごとに個性が輝く温度で味わうことが可能です

出典:日本名門酒会|お酒の用語ひとくちメモ[お酒の温度(おさけのおんど)]

2.グラスを変えて楽しむ

伝統的な陶器の杯(おちょこ)で飲む方法があります。

ワイングラスでおいしい日本酒アワード」が開催されるなど、ワイングラスでも日本酒の香りを堪能することが可能です。

出典:ワイングラスでおいしい日本酒アワード公式サイト

3.テイスティングの表現を知って楽しむ

日本酒のテイスティングは、外観、香り、味わいの3つの要素を言葉で表現することで、豊かな味わいをより深く理解し楽しめるでしょう。

外観では、透明度や色合いを「冴え」「照り」「黄金色」などと表現します。

香りは「華やか」「爽やか」「穏やか」「ふくよか」の4つに大別され、果物や花、ハーブなどにたとえて表現するのが特徴です。

味わいでは、甘味、酸味、旨味、苦味を「まろやか」「シャープな」「芳醇な」「スッキリした」などの言葉で表現し、飲み口の印象も加えます。

日本酒の微妙な違いや特徴を捉えることで、日本酒の楽しみ方が増えるでしょう。

出典:たのしいお酒.jp|日本酒のテイスティングの仕方を覚えよう!

日本酒と料理のペアリングも素敵

寿司と日本酒

さまざまな料理とのペアリングが楽しめるのも日本酒の魅力です。

和食はもちろん、各国料理との調和も素敵です。

以下に、代表的な組み合わせをご紹介します。

  • 寿司と刺身:クリアな味わいの純米吟醸酒が、生魚の繊細な味わいを深める
  • 天ぷら:軽くてサクサクした衣には、なめらかな純米酒がマッチ
  • 焼き魚や焼き肉ふくよかな純米酒が、肉や魚の強い味わいを引き立てる
  • スパイシーな料理:辛さとのバランスをとるのにやや甘口の日本酒がおすすめ
  • チーズ多くの日本酒はワインのようにチーズと相性がよい

ペアリングで新しい味の発見や驚きを得て、食事の時間を記憶に鮮明に残る思い出のひとときにしてみてください。

日本酒を日本的により楽しむマナー・コツも紹介

日本酒を注ぐ

日本酒のマナーを意識することで、単に日本酒を味わうだけでなく、一緒に飲む相手と過ごす時間も楽しむことが可能です。

注ぐ際は、相手のお猪口を手に持ってもらい、徳利(とっくり)を両手で持って注ぎます。

注がれる側は、一口飲んでから差し出します。

徳利を覗いたり振ったりするのは控えましょう。

「もっきり」(升に溢れるほど注ぐスタイル)の場合、まずグラスから飲み始め、徐々に升の日本酒をグラスに移しながら楽しみます。

出典:KUBOTAYA|これだけは知っておくと安心!日本酒を注ぐ・飲む時のマナー

地方の日本酒の特徴!日本を巡る旅もおすすめ

日本の各地域には、地元の米の品種、水源、醸造技術を生かした独自の日本酒があります。

  • 北海道淡麗辛口の傾向です。
  • 岩手(東北地方)濃醇甘口の日本酒を造り、郷土料理とよく合います。
  • 新潟キリッとしたドライな味わいとクリーンな後味が人気です。
  • 京都:軟水を使用し、優雅で洗練された日本酒を生産しています。
  • 佐賀(九州地方):甘口の傾向です。

出典:日本の心酒 地酒蔵元会|美味しい地酒の選び方「地域」別日本酒の特徴
出典:九州観光情報サイト「九州旅ネット」|九州のお酒の特徴

日本で日本酒体験ができる場所

レストランやバーだけでなく、独特の日本酒体験ができる場所が数多く存在します。

たとえば、多くの酒蔵では製造過程を見学でき、試飲を通じて日本酒造りの奥深さを直接感じ取れます。

新潟の朝日酒造株式会社、北海道小樽の田中酒造株式会社などで可能です。

日本酒博物館では、日本酒の歴史や文化的意義が学べるため、日本の伝統文化への理解を深められるでしょう。

新潟にある「ぽんしゅ館」や兵庫にある「明治の酒蔵酒ミュージアム」などが代表的です。

季節ごとに開催される日本酒フェスティバルは、さまざまな地域の日本酒を一度に味わえる絶好の機会です。

また、日本酒を取り揃えている居酒屋を巡るのもよいでしょう。

カジュアルな飲食店では、豊富な日本酒メニューと、おつまみなどの小皿料理が楽しめます。

日本酒体験をお土産として持ち帰ることも可能

 

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日本酒が気に入ったら、「酒杯(ぐいのみ)」や、「徳利(とっくり)」とおちょこのセットなどの伝統的な日本の酒器を持ち帰ってみましょう

素晴らしいお土産になり、自宅で日本酒体験を再現できます。

日本酒には、1合180ml程度のコップサイズの容器に詰めて売られているカップ酒があり、手軽なお土産にもぴったりです。

多様な魅力を備えた日本酒を自分らしく堪能しましょう

日本酒は豊かな歴史や複雑な製造過程、多彩な味わい、そして料理とのペアリングの可能性など、実に多様な魅力を持っています。

各地域の特色ある銘柄、さまざまな飲み方、日本酒独自のマナーを知ることで、日本酒の楽しみがさらに広がるでしょう。

日本酒の魅力を探ることは、日本の文化と伝統への理解にも役立ちます。

ぜひ自分好みの楽しみ方を見つけ、日本酒の魅力を存分に堪能してみませんか。

Writer

北海道から沖縄まで、国内各地のリアルな観光情報を発信中。
穴場スポットやアクティビティをはじめ、その土地の文化・歴史・グルメなどの魅力を、地元ライターならではの視点でお伝えします。

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