「スノーボードを楽しむうえで、ビンディング角度はどれくらい重要なのだろう?」
「自分に合ったビンディングのセッティングは、どうやって見つけるの?」
といった疑問を抱えている方に向け、本記事では以下の内容を詳しく解説します。
- ビンディング角度が重要な理由
- 初心者におすすめの角度
- スタイル別ビンディング角度の設定
特に初心者の方が押さえるべき、ビンディング角度の基本から、少しずつ上達していく過程での調整方法まで、わかりやすく説明します。
また、ビンディング角度の微調整がスノーボードの楽しみ方に、どう影響するかについても触れます。
本記事を読めば、ビンディング角度に関する基本知識が身につき、自分に適したセッティングを見つける手助けとなるでしょう。
Contents
ビンディング角度が重要な理由
ビンディングとは、板とブーツを結び付けるための重要な器具です。
その他にバインディングとも呼ばれ、スノーボードの基本性能を左右する役割を持っています。
一般的なタイプからワンタッチ構造タイプまで、さまざまなビンディングが存在し、装着方法や部品、重さも異なります。
ビンディング選びでは、使用するブーツとの相性が重要です。
ブーツとビンディングが適切にフィットすれば、ボードへの力の伝達が向上し、スノーボードのパフォーマンスを最大化します。
ベースプレート中央の円形ディスクを通じて角度調整が可能であり、これによりさまざまなスタイルに合わせたセッティングが実現可能です。
ビンディングは単なる固定具ではなく、滑走の質を決定づける重要な部分であることを理解できれば、スノーボードをより楽しむための鍵となります。
セッティングの手順
スノーボードのビンディングセッティングは、滑走の快適性とパフォーマンスに大きく影響します。
セッティングの手順は以下のとおりです。
- スタンス幅を決め、ビンディングをボードに仮止めする
- このとき、ビンディングのディスクを使用して角度調整をおこなう
- センタリングの位置を設定するため、重心を確認し、ビンディングの円盤で整える
ビンディングをボードに取り付ける前に、上記の調整をうことが重要です。
そしてビンディングを固定する際には、メジャーやプラスドライバー、レンチを使うと便利です。
取り付け位置を決めたら、センターディスクの角度を合わせ、ディスクの穴にビスとワッシャーを取り付け、センタリングを確認して仮止めのビスと締め付けて完了。
もしスタンス幅やビンディングの角度が不安な場合、スノーボードショップでスキルやスタイルに合わせたセッティングをしてもらえるので、アドバイスを求めるとよいでしょう。
初心者におすすめの角度
スノーボード初心者にとって、ビンディングの角度設定は重要です。
適切な角度は、ボードの操作性と快適性を向上させるための鍵となります。
初心者に推奨されるビンディングの角度は、フロント(前足)15°〜21°、バック(後足)3°〜9°です。
この角度の範囲は、初めてスノーボードに挑戦する方にとっても、理想的なスタートポイントとなります。
初心者がスノーボードのターンを練習する際には、足首が動かしやすいように角度を調整することが大切です。
もし動きにくさを感じた場合は、多少の調整をおこなってみましょう。
また、女性や子供の場合でも、基本的な角度の考え方は同じです。
肩の幅程度のスタンス幅を目安にし、初心者と同じ角度から始めるのがよいでしょう。
スタイル別ビンディング角度の設定
下記のスタイルごとでのビンディング角度について解説します。
- フリースタイル
- グラトリ
- パウダーラン
- オールラウンド
フリースタイル
フリースタイルスノーボードにおけるビンディング角度の設定は、パークでの滑走やトリックの成功に大きく寄与します。
このスタイルで一般的なビンディング角度は、前足が9°〜18°、後ろ足が0°〜マイナス15°です。
フリースタイラーはしばしば後ろ足をマイナスに設定することで、多様なトリックや着地の際の柔軟性を高めます。
フリースタイルは、キッカー(ジャンプ台)やレール、ボックス、ハーフパイプなどのスノーパークアイテムでの滑走に特化しており、角度の調整はトリックの実行に直接影響します。
例えば、外股気味の姿勢を取りやすくするマイナス角度の設定は、重心を低く保ち、スタイリッシュなトリック実行を可能にします。
また、スイッチスタンス(逆足先行)でもスムーズに滑走できるように、ビンディング角度を調整することが重要です。
フリースタイルで最も一般的なスタンスは、ミラーダックスタンス(前足プラス、後足マイナスの同じ数値)です。
これにより、多方向への滑走やトリックの幅が広がり、スノーボードの楽しさをより深く味わえます。
グラトリ
グラトリ(グランドトリック)は、地形やアイテムを利用して技を決めるスノーボードのスタイルです。
このスタイルに最適なビンディング角度の設定は、フロント(前足)を12°〜21°、バック(後ろ足)を0°〜マイナス12°です。
特に、後ろ足をマイナス方向に振るダックスタンスが多く用いられます。
ダックスタンスは、重心をボードの中央に保ちやすく、フェイキー(逆足先行)での安定性を高めます。
一般的にダックスタンスでは、フェイキー時に体が前方を向きやすいですが、レギュラー(通常の足先行)時に後ろ足が後方へ振られるため、ターン時のエッジコントロールが難しくなる可能性も。
また、ジャンプの着地時に後ろ足の膝への負担が大きくなるため、膝の調子が悪い人にはおすすめできません。
グラトリを楽しむには、ビンディングの角度を細かく調整しながら乗り味を見極めることが重要です。
標準的なスタンス角度は、左足がプラス3°〜18°、右足がマイナス3°〜18°となります。
これにより、ジブやジャンプなどのさまざまなトリックをおこないやすくなります。
グラトリに挑戦する際は、ビンディングの角度を微調整しながら、自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。
パウダーラン
パウダーラン(非圧雪状態での滑走)専用のビンディング角度設定は、深い雪の中でもスムーズな操作と安定性を実現するために重要です。
一般的な設定は、前足が15°〜36°、後ろ足が18°からマイナス6°です。
この角度設定により、重心を後ろに乗せやすくし、パウダースノーの中での浮遊感や操作性を高められます。
パウダーラン向けの角度設定では、後ろ足の屈伸の可動域を高めることが重要で、これにより強力なエッジングと伸びのあるターンが可能になります。
スタンス幅は、板に記載されている基本ポジションにセッティングするのが1つの方法です。
この設定により、フリーラン時のパフォーマンスが向上し、パウダーの中でのスムーズなボードコントロールが容易になります。
オールラウンド
オールラウンドスタイルのビンディング角度設定は、さまざまなシチュエーションに対応できるようにデザインされています。
オールラウンドスタイルでは、前側の角度を15~21°、後ろ側の角度を3°~マイナス6°に設定するのが一般的です。
これにより、初心者から上級者まで、あらゆるコースやパークでの滑りを楽しむことが可能です。
オールマウンテンスタイルでは、ダックスタンス(前足の角度が正、後ろ足の角度がマイナス)と前向きスタンス(後ろ足の角度がわずかに正)が一般的に用いられます。
スイッチ滑走を頻繁におこなうスノーボーダーには、+18°/-9°や+18°/-6°などのダックスタンスが適しています。
一方、スイッチ滑走をあまりおこなわない場合は、+18°/+3°や+15°/+3°などの前向きスタンスが理想的です。
このオールラウンドなセッティングは、メインスタンスでの安定感とフェイキーでの操作性を兼ね備え、スノーボードのあらゆるシチュエーションへの対応を可能にします。
自分に合うビンディング角度の見つけ方
自分に合うビンディング角度の見つけ方には、次の3つがあります。
- 屈伸をする
- 手を広げて回る
- つま先とかかとに体重をかけてみる
屈伸をする
スノーボードで自分に合うビンディング角度を見つけるためには、屈伸運動が有効です。
スノーボードの基本姿勢は、どのスタイルやゲレンデコンディションでも同じで、ボードの真ん中に自然に立ち、両手を広げてバランスを取ります。
この際、ひざを軽く曲げ、力を抜いた状態で、ひざの曲げ伸ばしをおこない、両足に体重が均等に乗るよう調整します。
ビンディングの角度を調整したあと、屈伸が無理なくできるか否かがポイントです。
理想のスタイルに合わせた角度に調整したものの、ひざが思うように曲げられない、または足を伸ばしたときにバランスが崩れるなど、違和感があれば角度の調整が必要です。
垂直な角度で屈伸するとひざに負担がかかり、外股気味の角度ではふくらはぎや太ももに力が入ります。
自然にひざを曲げ伸ばしできる位置を見つけ、そこから理想のスタイルに近づけるよう角度を調整していきます。
上記のプロセスを通じて、自分にとって最適なビンディング角度を見つけられます。
手を広げて回る
2つ目のビンディング角度の見つけ方として、両手を広げて体を回す方法があります。
スノーボードでは、両手を広げてバランスを取りながら、ターン時には上半身を使って体重移動をおこないますが、この動作でビンディングの角度が自分に合うか否かも判断可能です。
ビンディングの角度を調整したあと、ブーツを履いてビンディングで足を固定し、その角度で立ってみます。
両手を広げ、体を左右に回してみてください。
その際、左右どちらに回しても違和感や痛みがないか、片方だけが楽に回せるようであれば、ビンディングの角度に調整が必要かもしれません。
バランスが悪い状態でスノーボードをすると、体に不必要な負担がかかるリスクがあります。
このように両手を広げて回ることで、自分の体にとって快適な角度がどの範囲にあるのかを感じ取れます。
つま先とかかとに体重をかけてみる
スノーボードで最適なビンディング角度を見つける3つ目の方法として、つま先とかかとに体重をかけてみる方法があります。
スノーボードでは、ボードのエッジコントロールが重要で、これにはつま先側とかかと側への体重移動が不可欠です。
ビンディングの角度を調整したあと、ボードに乗り、つま先側とかかと側に交互に体重をかけてみましょう。
このテストは、ビンディングの角度が自分のスタイルや身体に合っているかを確認するのに役立ちます。
例えば、つま先もしくはかかとに体重をかけたときにバランスが取りづらい、ふらつく感じがする場合、ビンディングの角度に調整が必要かもしれません。
逆に、どちらの方向にもスムーズに体重を移動できる場合は、その角度が適切である可能性が高いです。
つま先側とかかと側への体重移動がスムーズにおこなえることで、ターン時のエッジコントロールが向上し、より安全で快適なライディングが可能になります。
スノーボードのビンディング角度についてのまとめ
スノーボードのビンディング角度は、滑りのスタイルや体型によって異なり、正解というものはありません。
特に女性や子供など、個々人によって最適な角度が異なります。
フリースタイルなどの上達を目指す場合は、少しずつ角度を変えてチャレンジすることがおすすめです。
スタイル別の推奨角度やプロのスノーボーダーのアングルを参考にし、実際にゲレンデで滑ってみたあと、自分の志向に合わせて微調整していくとよいでしょう。
これらのポイントを踏まえ、自分に合ったセッティングを見つけてスノーボードを楽しみましょう。
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