腐ったような食べ物を好きな人っているのだろうか。
もしくは腐りきった恋愛や友人関係など、そんなものを欲しがっている人はいないはずだ。
それはサーフィンも同様で、だらだらと上達の糸口も見つからずに海に入り続けているより、1回ごとに目標を定め、着々とステップアップしていく方が楽しいに決まっている。
今回のコラムでは世界で活躍するトップサーファー達が自らが海に出る時・日頃の生活で気をつけているポイントをご紹介していく。
上達の糸口を見つけてみて欲しい。
Contents
1,サーフボード
波待ちをしているときに、海面のラインが胸元にきてはいないだろうか。
もし、そうならば、そして君が一般的なレベルのサーファーならば、その板は君には小さすぎる。波をつかむのに苦労せず、波の最後まで沈まずにアクションできるようなボードを探すことは上達へのなによりもの近道だ。
トッププロですら「マジックボード」と呼ばれる自分にぴったり合った1本を探すのに苦労している。
「まぁこれでいいかな」というレベルのボードを長い間使い続けるのではなく、自分にぴったり合った最高の一本を見つけることが上達への手がかりだ。
そして、その1本は探し続ければ必ず見つかるはず。
2,身体の柔らかさ
多くの人がライディング中の重心が高すぎる傾向がある。
これは、身体の硬さが原因のことが多く、とくにお尻と背中から足にかけて固まっている人を多くみかける。体勢を低く保てないということは、身体能力を最大限に発揮することができないし、板をコントロールする力の低下にもつながる。
いったん板の上に立ち上がったら、姿勢を低く保つこと、ただし背中はまっすぐの状態で重心が身体の真ん中にくることも忘れずに。
出来れば日常のトレーニングにスクワットを加えてみてほしい。そうすることで、正しい姿勢を常にイメージでき、また柔軟性と足腰の強化にもつながる。
3,運動
日々のエクササイズがサーフィンにもたらす影響は想像以上に大きい。
毎日サーフィンに行ける環境の人は、それだけで十分かもしれないが、そうではない人はなにかしらの運動が大切ではないだろうか。
ただし、これだけは注意してもらいたい「ミラーマッスル」を作ることに固執しすぎること。
ミラーマッスルとはなにかと言うと、ジムの鏡に写る自分自信を格好を良くしたいためだけの筋肉のこと。
実際にはその筋肉はしっかりと固まってしまっていて柔軟性を損なう原因になったり、その硬さがきっかけでコントロールを失ってしまうこともある。
トレーニングする歳には機械を使った運動ばかりではなく、短距離走選手のような瞬発力をもたらす細くてしなやかな筋肉を作るように心がけよう。
4,準備運動
適切な準備運動というのは意外と難しいものだ。
波が割れているのを目の前にしてビーチでのんびり準備運動なんて誰がしたいだろう。
しかし、この準備運動によってゲットアウトしたあとが大きく変わってくる。沖に出たその瞬間から自分の持つ身体能力を存分に発揮できるからだ。
そして、そのことは怪我の予防にもつながる。適切な準備運動とは5分から10分かけて行うストレッチや簡単な筋肉トレーニング。
ビーチの上でウェットスーツを着た状態でかまわない。
スクワット、ツイスト、ジャンプ、腕立て伏せなどサーフィンに必要とされる筋肉を少し暖めることが大切である。
準備運動が終わった時には少し汗ばむくらいの状態が適切なコンディションと言えるだろう。
どうか、1度この準備運動を試してみて、違いを実感してみてほしい。
5,自分のピークに居続けること
とても多くの人が特に深く考えずに同じ方向にパドルする。その方向とはさっき波が割れたところだ。絶対にそんなことはしないでほしい。沖に向かってパドルアウトする前に、まずは岸からしっかりと波を観察すること、そして、自分のレベルにあった波の割れるポイントを探してみてほしい。
ポイントが見つかったら、そこの目の前まで歩いていき、今度は背中側を向いて、目印になるような建物や木などを設定してほしい。
一度決めて、パドルアウトしたら、今度はそのスポットから絶対に動かないこと。
周りの人たちがパドルして動いていっても自分のポイントに居続ける。
たったそれだけで結果は驚くほど変わる。
昨日までとは別人のようにたくさんの波がとれるはず。多くの波をとるというのは一番の上達への近道。だまされたと思ってぜひとも一度実践してみてほしい。
6,リズム
自分のリズム、呼吸というのは想像以上に大切だ。
ときどき、目の前でブレイクしている波に興奮しすぎて自分のペースを乱してしまうことがある。
これではもったいない。海に入る前には深い呼吸をし、身体をリラックスさせること。
自分の身体を調子のいい状態に持って行く。その状態で海に入ることで、興奮状態では感じれない細かな自分の身体と海とサーフボードの一体感を感じれるだろう。
7,スタンス
間違ったスタンスでライディングしているのは、サーフィンでもっとも多い間違いだ。適切な後ろ足の位置というのは実はボードの一番後ろの方にある。
具体的にどこかというと、3フィンのボードならばそのフィンの真上から、ほんの少しだけ前にずらした位置にあたる。
4フィンなどでもそれはほとんど変わらない。いったん後ろ足の位置がわかったら、それに合わせて前足をおく、スタンスが狭くなりすぎないように気をつけよう。
また、もう1つよく見かける間違いは前足に体重をかけすぎていることだ。
適正な体重のかける比率というのは前足55%、後ろ足45パーセントくらいと言われている。
もちろん、ときには足の位置をずらしたり、もう少し前足に重心をおかなくてはいけないこともある。ただ、この比率と足のポジションはぜひとも頭の中に入れておいてほしい。
8,アプローチ
いったん波をつかんだら、一気に波のボトムまで落ちて行くのではなく、波の上部2分の3あたりのところに居続けることを心がけたい。
ビーチと平行に進むようなイメージで、出来る限りの波の高い位置にいるようにしよう。そこから波を観察し、自分がボトムターンをしたいポイントを探し、波の半分よりやや下くらいの位置を目標に少しドロップダウンしてみよう。
テイクオフした瞬間に波のボトムまで行ってしまうと、スピードを失い、ボトムターンなどのアクションが出来なくなってしまう。
この項目を目安として、波のボトムまで落とさずスピードを維持するように挑戦してみよう。
9,スタンス幅、腕の位置、身体のポジション
2番の身体の柔らかさの項目でも少し紹介したが、サーフィンで身体能力を発揮するためには常に重心を低く保つことを心がけたい。
プロサーファーなどを見ているととても簡単そうに見えるが、正しい姿勢を保つというのは意外と難しいものだ。
しかし、低姿勢を保ことは安定性と力強さを増して、君のサーフィンを助けてくれる。また、腕の位置も肝心である。
腕は高くあげたりせずに身体の近くで低めに保つほうが良い。無駄な力を入れたりせず、リラックスした状態を保ことが望ましい。(バックサイドの進んでいるときは、前の腕は低めに保つが、後ろ側の手は肩と平行な状態でバランスをとるのがいいだろう)
10,かかとからつま先へ
ここまで説明してきた低姿勢や足の位置、スタンス幅などは身に付いただろうか。それでは最後に正しい姿勢からの身体の動かしかたを説明しよう。
まずはスピードを持続するための小さなターンからはじめよう、この時意識したいのが体重をかかとからつま先に向かって動かすこと。
お尻や肩で先攻動作を行い、ボードのスピードを高めて行く。スケートボードをやる人なら、この動きがパンピングを同じ要領なのが分かるだろう。
この小さなターンで加速をつけて、ボトムターンからカットバックと行った大きなアクションにつなげていく。
以上がサーフィン上達のための10のポイントをご紹介してきたがいかがだっただろうか。
しっかりと頭にいれて、ぜひとも海で実践してみてほしい。
credit : GTS Productions / Shutterstock.com
ヨコ乗りが好き過ぎて人生が狂ってしまった三十路女子。
10シーズンに渡るスノーボード篭りとスケートボード生活を終えて、現在サーフィンに夢中。
カリフォルニア、中米、インドネシア、オーストラリアなどいい波いい環境を求めて世界中を放浪中。
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