2020年東京オリンピックの追加提案審議で、一括採用のカギを握るのはスケートボードとサーフィンだ

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2016-07-28-Olympic-programme-report-thumbnail

※先に断っておくが、決して野球・ソフトボール、空手などの競技を批判又はディスっているわけではないので承知しておいて頂きたい。

8月3日にIOC総会にて審議されるオリンピック追加種目が“一括提案”(採用された場合は全ての競技が追加され、不採用の場合は全ての競技が追加されない)されていることは広く知られていることだろうが、”スケートボード・サーフィン”がこの一括提案を採用に導くために大きなカギを握っていると様々なメディアで報じられていることを認知している人は少ないはずだ。

採決の日が近づいている今。

2016年の8月5日から開催されるリオデジャネイロオリンピック(以下 : リオオリンピック)での追加種目の採用の流れから、今回の東京オリンピック追加種目採用の一括提案までの過程を辿っていくことで、2つの競技がカギを握っていると言われる理由に迫っていこうと思う。

まずはリオオリンピックの追加種目がどのような経緯で採用に至ったのかを振り返るところから始めることにしよう。

リオオリンピックので追加種目

審議が行われていた2012年当時、追加競技の候補として挙がっていたのは

『野球、ソフトボール、空手、スカッシュ、ゴルフ、ローラースケート、7人制ラグビー』
の競技だった。
この中から正式種目として認定されたのが、7人制ラグビーゴルフの2競技。

一目瞭然だが、東京オリンピックの追加種目正式採用を目の前にしている競技である、“野球、ソフトボール、空手”に関しては、2016年のリオの追加種目提案で落選している競技なのだ。
あれ?
ローラースケートも同じく落選していない?
と思われるかもしれないが、リオで提案されていたのは今回追加種目として残っているスケートボードではなく、インラインスケート(スピード競技)だったため、競技自体が異なる。

日本では大人気、世界では?

今回の追加種目提案されている競技の中でも、圧倒的に国内で人気を誇るのが『野球』であり、オリンピックの種目として返り咲けば、その経済効果は大きなものになるため、日本のオリンピック委員会は兎に角、野球をねじ込みたかったわけだ。
日本の競技レベルは世界に通用するものであることは周知の事実だろう。

だが、リオオリンピックで野球は採用されなかった。
その要因として、MLB選手がオリンピックに出場できない(それによって放映権を買ってくれる国が少なくなってしまう)、球場を新たに建設すると莫大な費用がかかる(オリンピック開催国が野球をメジャーなスポーツとして通っているなら問題はないが)などの問題や、

・ 運営のコンパクト化
・ 五輪における男女共同参画
・ 大国だけでなく、様々な国点地域を含めた『真の国際化』

という、リオオリンピックで掲げられた開催方針のテーマに対して、 7人制ラグビーとゴルフの2競技の方が適していたなどの、様々な要因が考えられる。

上述した通りだが、日本人からしてみたら『なんであんなに人気のスポーツなのに採用されないの?』になるのだが、世界から見ると『うーん。。。。野球?』となってしまうわけだ。
また、これを言ってしまったら元も子もないが、IOCを構成する委員の多くは、野球に対する熱が少ないヨーロッパ系の人で、そもそも票が入りづらいという事実もある。

現状の課題カバーしているスケートボード・サーフィン

かっこいいスケートボード

深刻化しているオリンピックの若者離れ

世界的に若者のオリンピックに対しての関心が薄れてきているという問題をIOCは抱いており、
その解決策として、サーフィン・スケートボードをオリンピック種目として取り入れて、若者の注目を集めようという考えを持っている。

これはテレビなどの報道メディアが多く報じていたため、ご存じの方も多いことと思う。

会場の設営費が安い

オリンピックという世界的な大会であっても、赤字運営で大会を続けることは難しい。
少しビジネスチックな話になってしまうが、収益を黒字化するには、入ってくるお金(収入)を増やして、出ていくお金(支出)をなるべく減らすことを意識することが大切だ。
会場の設営費に関しては“支出”にあたるが、スケートボードに関しては仮設でも充分に対応できるし、サーフィン何ぞ生命の源、海があれば競技することができるのだ。

巨額の放映権がある

スケートボード・サーフィンは若者を中心に世界的に人気の高い競技であるため、放映権を巡って多くの“収入”が見込まれている。
前述した通り、より多くの“売上”の見立てをスケートボードとサーフィンで立てているのだ。

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TOP photo credit : Sebastien Burel / Shutterstock.com

 

ここまで説明してきたが、今回の東京オリンピック追加種目採用にスケートボードとサーフィンが大きなカギを握っていると感じて頂けただろうか。

回りくどく、話を進めてきたが本記事が最終的に伝えたいことは1つ。
業界に関わっている全ての人は、この事実を誇りに思って欲しいということ。
日本ではまだまだマイナースポーツであり、何かと肩身の狭い思いをしてきたことだろうが、流れは変わり始めている。

しかしだ。

もし仮にオリンピックの種目に追加された場合、それは業界の起爆剤にはなるかもしれないが、そこから業界繁栄を目指していくためには、一人一人が意識を変える必要がある。

チャンスは皆平等に巡ってくるとよく言われるが、個人的にこれは事実だと思う。
そのチャンスを見極め、正しい努力をできたかがチャンスと成果を結び付けるのに必要な要素にはなるが、至極簡単な話だ。

チャンスは目の前。
コツコツと積み上げていく意識を持つことができたなら、5年後・10年後、日本のスケートボード・サーフィン業界は劇的な成長を遂げていることだろう。

7/30 : 追記

IOCは28日に今回のパッケージ提案に関して『ダイナミックで刺激的なパッケージだ』と評価した。
その中でも特に、スケートボードに関しては

若者が親しみやすい都市型スポーツ

という評価をし、サーフィンに関しては

“海のお祭り”の側面がオリンピックに新しい価値を加える

という高評価を下していることが分かった。
その他の野球・ソフトボール、スポーツクライミング、空手に関しても高評価を得ている。

リオデジャネイロの現地時間、8月3日に一括審議される追加種目だが、採用される可能性がこの報告によって更に上がったと読み取れる。
実際にサーフィンとスケートボードがオリンピックの競技に採用された場合、予想される会場や選手、ルールなどを解説した記事が以下だ。

【完全網羅】東京オリンピック、スケートボード・サーフィンの開催予定地・会場、候補選手、ルールなど

是非、上記の記事を参考にして東京オリンピックの追加種目となる可能性の高い、スケートボードとサーフィンに関しての理解を深めて頂ければと思う。

TOP photo credit : lazyllama / Shutterstock.com

この記事の著者

ヤノ タカミ

ヤノ タカミ

R/ForA magazine 編集長
横乗り3Sの業界活性化が地方の経済活性化に繋がり、社会を色々な面で豊かにすると信じて疑っていません。
skateboard,snowboardを嗜む程度にやります。

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