日本の伝統文化を代表する芸者文化。
その優美な姿と洗練された芸能は、国内外問わず多くの人々を魅了してきました。
しかし、芸者文化はハードルが高く、縁遠い存在と思っている方も多いのではないでしょうか。
実際は、芸者文化は思っているほど遠い存在でなく、近年では一般の方や観光客でも芸者文化を体験できる機会が増えています。
本記事では、芸者の歴史やお座敷遊びの流れ、マナーについて解説します。
日本の伝統美である芸者文化の魅力を存分に味わい、日本旅行を特別な思い出にしてくださいね。
Contents
芸者とは?発祥と歴史について
芸者とは、舞踊・音楽・茶道などの日本の伝統的な芸能を習得した専門家であり、宴席で芸を披露します。
地域によって呼び方が違い、京都では「芸子(げいこ)」、関東では「芸者(げいしゃ)」や「芸妓(げいぎ)」などと呼ばれるのが一般的です。(※当記事では「芸者(げいしゃ)」という言葉を使います。)
芸者は江戸時代には男性が半数を占めていましたが、明治時代になると次第に女性が主流となっていきました。(※)
また「旦那さん」と呼ばれるパトロンがつくこともあり、芸者の活動を経済的に支援する役割があります。
また、かつては芸者が一人前になるために客と初めて関係をもつ「水揚げ」という通過儀礼的な慣習がありました。
現在では、「水揚げ」の性的な意味合いは完全になくなり、純粋に技能の習得と成長を象徴する儀式となっています。
芸者になるまでには厳しい修行があり、日本文化の重要な担い手として現代に語り継がれています。
(※)出典:Wikipedia 芸妓
芸者と舞妓の違い
芸者になるには、舞妓(関東では「半玉(はんぎょく)」とも呼ばれる)として5~6年ほどの修行が必要です。
芸者と舞妓の違いを以下の表にまとめました。
芸者 | 舞妓 | |
立場 | 20歳以上の舞妓としてのお座敷での振る舞いが認められた女性 | 15~20歳の芸者を目指して修行している見習いの女性 |
髪型 | かつらを使用
シンプルなかんざしを身につける |
地毛で結う
「割れしのぶ」から2~3年で「おふく」へ変化 色鮮やかで豪華なかんざしを身につける |
帯 | お太鼓を結ぶ | だらり帯 |
着物の色 | 黒やグレーなどのシックな色 | 鮮やかな色 |
化粧 | 大人っぽい女性らしい化粧
口紅は上唇にも塗る 目の上にアイラインを引く |
子どもっぽい化粧
口紅は下唇のみ |
居住地 | 自立し、自分の家をもつ | 置屋 |
舞妓は見習い期間の若い女性で、華やかさが特徴です。
一方、芸者は一人前のプロとして、より落ち着いた大人の女性らしさを表現しています。
芸者たちとのお座敷遊びの流れ
芸者や舞妓とのお座敷遊びは以下の流れで行います。
- 歓談と酒宴
- 芸能鑑賞
- お座敷遊び
実際にお座敷遊びで何をするか疑問に感じている方は、参考にしてみてくださいね。
1.歓談と酒宴
芸者たちが部屋に入ると、まず挨拶をかわし、客と芸者たちの間で軽い会話が始まります。
この時間はお互いの緊張を解きほぐし、和やかな雰囲気を作り出すのに重要です。
酒宴では、芸者たちが客に酒を注ぎ、客も芸者たちに酒を注ぐ相互のやり取りが行われます。
この時間を通じて客と芸者たちの間に親密な雰囲気が生まれていきます。
2.芸能鑑賞
歓談と酒宴のあとは、芸者や舞妓が自らの技芸を披露する芸能鑑賞の時間が設けられます。
通常、日本舞踊や邦楽の演奏が行われるのが一般的です。
舞踏では、季節に合わせた演目が選ばれ、美しい所作と華やかな衣装で客を魅了します。
邦楽では、三味線や鼓、笛などの伝統楽器の演奏が行われ、ときには芸者が歌を披露することもあります。
芸者の演技や演奏を通じて、日本の伝統文化の奥深さを体験できること間違いなしです。
3.お座敷遊び
芸能鑑賞の後は、より打ち解けた雰囲気のなかでお座敷遊びが行われます。
芸者たちと客が一緒に楽しむ遊戯の時間で、「とらとら」や「こんぴら船々」などの手遊びや、カルタ遊びなどが行われます。
これらの遊びは単純なルールなものが多く、言葉の壁を越えて外国人観光客も参加しやすいのが特徴です。
お座敷遊びには日本の文化が多く反映されており、遊びながら多くの学びを得られるでしょう。
芸者たちとのお座敷遊びで守るべき7つのマナー
芸者たちとのお座敷遊びを楽しむためには、以下の7つのマナーを守りましょう。
- フォーマルな服装で参加する
- 芸能鑑賞中は飲食せず集中する
- 芸者たちに対しては礼儀正しく過度な親密さは避ける
- 芸者たちの身体には触れない
- 写真撮影は許可を取る
- 芸者のことは「おねえさん」と呼ぶ
- ご祝儀を渡す
お座敷遊びにおけるご祝儀は、江戸時代から続く伝統的な習慣です。
小さなポチ袋にお札をいれ、芸者たちとの会話のなかで自然に手渡すようにしましょう。
これらのマナーを守ることで、日本の伝統文化への理解を深めながら、芸者と楽しい時間を過ごせます。
お座敷遊びは単なる娯楽ではなく、文化交流の場でもあることを忘れずに楽しんでくださいね。
芸者文化を楽しめる4つのスポットを紹介
芸者文化を楽しめるスポットとして、以下の2つを紹介します。
- 芸者や舞妓のお座敷体験が楽しめるスポット
- 芸者や舞妓になりきれる体験プログラム
体験したい内容に合わせて、参考にしてくださいね。
【訪日外国人向け】芸者や舞妓のお座敷体験が楽しめるスポット2選
芸者や舞妓のお座敷体験は以下のスポットで体験できます。
訪日外国人向けに英語対応などが充実しているので、安心して楽しめますよ。
- 【東京】赤坂 浅田
- 【京都】お座敷体験 宴
どちらも本格的な料亭でのお座敷遊びなので、思い出に残る体験となるでしょう。
【東京】赤坂 浅田
この投稿をInstagramで見る
300年以上の歴史をもつ料亭「赤坂浅田」では、本格的な加賀料理と芸者たちによるもてなしを楽しめます。
HPやパンフレットに、英語表記もあるため安心。
品格ある完全個室のプライベート空間で、唄・踊り・三味線などの伝統芸能をもつ赤坂芸者衆の伝統芸能を鑑賞できます。
お座敷での楽しみ方を簡単に説明してくれるため、初めての方でも気軽に参加可能です。
「初めてお座敷遊びを楽しみたい」という方におすすめの料亭です。
日本の伝統的な文化と料理を五感で体感し、思い出深い体験となるでしょう。
所在地 | 東京都港区赤坂3-6-4 |
公式HP | 加賀料理「浅田」 |
【京都】お座敷体験 宴
京都の「八坂通り 燕楽」では、訪日外国人向けに、季節の食材を使った本格的な料理を堪能しながら、芸者さんや舞妓さんとの交流を楽しめるプランが用意されています。
おでんや生麩、湯葉など、京都らしい食材を使った和食料理を堪能できるのはもちろん。
芸能鑑賞では、美しい衣装を着た舞妓による優雅な舞で、芸者文化を深く体験できるでしょう。
ドレスコードがないため、日本旅行の合間にも気軽に立ち寄れますよ。
写真や動画を自由に撮影できるため、思い出作りにもぴったりです。
所在地 | 京都市東山区小松町594-3(八坂通り燕楽) |
公式HP | お座敷体験 宴(英語版) |
芸者や舞妓になりきれる体験プログラム2選
以下では、芸者や舞妓になりきれる体験プログラム2選を紹介します。
- 【京都】京都舞妓体験処 ぎをん 彩
- 【京都】舞妓体験四季本店
芸者や舞妓になりきり、記憶に残る体験を楽しんでください。
【京都】京都舞妓体験処 ぎをん 彩
この投稿をInstagramで見る
「京都舞妓体験処 ぎをん 彩」は、本格的に舞妓になりきれる体験プログラムです。
一人に対して一人の担当がつき、多様な着物やかんざしから、好みのスタイルを選べます。
化粧についても、一人ひとりの希望やコンプレックスに合わせた仕上がりになると好評です。
日本の伝統文化を楽しみながら、自分だけの特別な舞妓姿を楽しみたい方におすすめです。
所在地 | 京都府京都市東山区下河原通八坂鳥居前下る下河原町499-8 |
公式HP | ぎをん 彩 |
【京都】舞妓体験四季本店
この投稿をInstagramで見る
京都の清水にある「舞妓体験四季本店」は、風情溢れる環境で芸者や舞妓になりきれる体験プログラムです。
伝統的な絹のような白塗りメイクと本格的なかつらを使用し、まるで本物の芸者さん・舞妓さんになったかのような体験ができます。
英語が話せるスタッフがいるので、細かい要望も叶えられるでしょう。
京都の趣を感じられる特別な空間で、夢のような時間を過ごせますよ。
所在地 | 京都府京都市東山区清水2丁目208-7 |
公式HP | 舞妓体験・舞妓変身スタジオ四季 |
まとめ
芸者文化は、日本の伝統芸能と洗練されたおもてなしの精神が融合した、唯一無二の文化遺産です。
お座敷遊びには独特の流れとマナーがあり、事前に理解しておくことで、より深く芸者文化を楽しめるでしょう。
近年では、東京や京都を中心に、一般の方でも気軽に芸者文化を体験できるスポットが増えています。
- 【東京】赤坂 浅田
- 【京都】お座敷体験 宴
- 【京都】京都舞妓体験処 ぎをん 彩
- 【京都】舞妓体験四季本店
日本の伝統文化に興味がある方や、日本旅行で特別な体験をしてみたい方は、ぜひ芸者文化の世界に足を踏み入れてみてください。
北海道から沖縄まで、国内各地のリアルな観光情報を発信中。
穴場スポットやアクティビティをはじめ、その土地の文化・歴史・グルメなどの魅力を、地元ライターならではの視点でお伝えします。
-
相撲のシーズンはいつ?年間スケジュールや観戦の流れを解説
相撲のシーズンはいつ?年間スケジュールや観戦の流れを解説 -
東京の穴場スポット10選!一味違う楽しみ方で特別な思い出を
東京の穴場スポット10選!一味違う楽しみ方で特別な思い出を -
【歴史を感じる】日本の伝統ある古い町並み10選
【歴史を感じる】日本の伝統ある古い町並み10選 -
日本に来たら一度は見たい!風情ある美しい棚田10選
日本に来たら一度は見たい!風情ある美しい棚田10選
関連記事
-
日本の茶道を徹底解説!知っておきたいお点前5ステップ
日本の茶道を徹底解説!知っておきたいお点前5ステップ -
東京の穴場スポット10選!一味違う楽しみ方で特別な思い出を
東京の穴場スポット10選!一味違う楽しみ方で特別な思い出を -
【7日間】日本旅行のゴールデンルートをご紹介|東京~大阪
【7日間】日本旅行のゴールデンルートをご紹介|東京~大阪 -
北海道のおすすめ時期は?【季節別】気候・服装・楽しみ方を徹底解説
北海道のおすすめ時期は?【季節別】気候・服装・楽しみ方を徹底解説 -
新潟旅行でするべきことは?食べて、呑んで、訪れる最高の旅行にしよう
新潟旅行でするべきことは?食べて、呑んで、訪れる最高の旅行にしよう -
日本で最もおすすめな高級ホテル9選!東京、札幌、京都など
日本で最もおすすめな高級ホテル9選!東京、札幌、京都など
Most Popular
-
プロが教えるホットワックスのかけ方『たった6つのコツ』
1969816 views スノーボードで使う道具
プロが教えるホットワックスのかけ方『たった6つのコツ』 -
自分に合ったスノーボード板を探す3つの要点と有名ボードブランド
1776003 views スノーボードで使う道具
自分に合ったスノーボード板を探す3つの要点と有名ボードブランド -
知っていて損はない。スケボーデッキの基本知識と海外ブランド14選。
1295621 views スケートボードで使う道具
知っていて損はない。スケボーデッキの基本知識と海外ブランド14選。 -
【2022年最新】プロから教わるスノーボードビンディングの正しい選び方とセッティング
793040 views スノーボードで使う道具
【2022年最新】プロから教わるスノーボードビンディングの正しい選び方とセッティング -
これだけは押さえておけ。スケートシューズブランド13選!
792552 views スケートボードで使う道具
これだけは押さえておけ。スケートシューズブランド13選!
Tag
- 27club (2)
- 686 (2)
- A BATHING APE (3)
- ACE Trucks (2)
- adidas (13)
- adidas skateboarding (9)
- Alltimers (1)
- Apparel (77)
- Art (25)
- Bag (3)
- Baker (3)
- Bape (2)
- Ben Ferguson (3)
- Berrics (6)
- BILLABONG (4)
- Boo Johnson (2)
- Boots (2)
- BURTON (16)
- BURTON presents (10)
- Cap (3)
- Casper Brooker (1)
- Chris Joslin (3)
- Converse (8)
- DC (5)
- DUNK (1)
- ELEMENT (6)
- Emerica (3)
- FTC (1)
- G-SHOCK (5)
- GO SKATEBOARDING DAY (2)
Recommend
-
【2022年最新】スノーボードウェアの選び方と有名ブランド紹介
-
失敗しないデッキテープの貼り方と有名ブランド紹介
-
知っていて損はない。スケボーデッキの基本知識と海外ブランド14選。
-
あまり知られていないスノーボードのスプレーワックス・簡易ワックスの3つメリットと作業工程
-
ウェットスーツの選び方の知識をつけてサーフィンをより快適に
-
サーフボードの選び方と有名サーフブランド14選
-
話題沸騰中!CBDバームの効果に迫る!ニキビやアトピー、肩こりへの効果とは
-
【2022年最新】スノーボードゴーグルの選び方とオススメブランド6選
-
CBDベイプおすすめの使い方とは?効果やリキッドの関係性を解説
-
NYではすでに人気!?CBD石鹸の効果とは?話題のCBDバス商品について