スノーボードのコラム

スノーボードは危険なのか?そのリスクと怪我の予防

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17,903 views 2019-4-1 UPDATE

北海道からおばんです。

ライターのこうすけです。

いつもR/ForA MAGAZINEをご贔屓にしてくださってありがとうございます。

私もスノーボードを始めて、かれこれ20年が経ってしまいました。(現在28歳)

年数の割にスキルはイマイチですが、まぁまぁ長くやっていますし、色々なフィールドで滑ってきたつもりです。

ある程度の経験はしてきたのかな、と。

で、スノーボードをやっていると一般の人に言われることがあるんですよね。

「危なくないの?」と。

どうやら世間一般では「スノーボード=危険」という図式が成り立ってしまっているようなんですね。

そこで今回はスノーボードとそのリスク、怪我の予防といったところについて考えてみました。

怪我の出来ない社会人の方、お子さんにスノーボードをやらせてみようか、なんてお考えの親御さんは是非一読していただきたい内容になっています。

どうか最後までお付き合いください。

スノーボードには怪我の危険が伴う

初っ端からはっきり言ってしまいますが、スノーボードには危険が伴います。

「スノーボードには危険が伴います」

大事なことなので二回言いました。

例えばですが、近所のスポーツクラブのコーチが

「このスポーツは絶対安全ですよ~」と言っていたらどうでしょう?

胡散臭いですよね?

それよりも

「このスポーツにはこういう危険が伴います。でも、こういった対策をすることでその危険性は減らすことが出来ますよ」と言ってくれた方が信頼できませんか?

私はスノーボードを愛しているが故、この事をきちんとお伝えしたいのです。

100%安全なスポーツなど無い

サッカーや野球など、国内においてメジャーなスポーツはそもそもそのスポーツが危険かどうかという議論にすらなりません。

それはなぜでしょうか?

あくまで個人の見解ですが「危険性が認知されているから」と考えています。

サッカーであれば対人プレーによる接触などの危険があるのは、素人でも容易に想像できます。

全てのスポーツにある程度のリスクは伴いますし、100%安全などあり得ません。

なぜ?スノーボード=危険というイメージ

ではなぜ、世間一般では「スノーボード=危険」という図式が成り立っているのか。

それは怪我という「結果」のみが話題として先行しているという点にあります。

ただでさえ、ゲレンデや冬山という特殊なフィールドであるうえ、人口の少ないスポーツです。

そこにあった「リスクやプロセス」といった要素が一般の方にはわかり辛く、触れられることはありません。

なぜスノーボードで怪我をしてしまうのか?

スノーボードには多くの怪我のリスクが存在するのは事実です。

しかし、そのリスクを正しく認識することは、より安全にこのスポーツを楽しむことに繋がります。

ここからはスノーボードに潜むリスクについて深堀りしていきます。

両足が固定されている

これは一目見ただけで明らかですね。

我々ヒューマンは猿だったころから二足歩行です。

その両方が固定されているなど、不自然極まりません。

スピードがすごい

滑走中のスピードもなかなかなものです。

最近は便利なものでスマホにスピードメーターのアプリなんてものもあります。

こないだ計ってみたんですが、緩斜面を滑っていても3040kmは普通に出てますし、急斜面では100kmを超えていました。

もう自動車ですよね。

これで転べば交通事故みたいなもんです。

ジャンプやジビングでの衝撃

フリースタイルのスノーボードで多くの方がイメージするのは、ジャンプやジビングなどの過激な一面があります。

生身の人間が50km近いスピードで10m以上吹っ飛んで行くなんて、日常生活ではあり得ませんし、普通に考えたら鉄の上に乗っかるなんてどうかしています。

やってる側としては最高に気分が高揚する場面ですが、はたから見ていたらただのクレイジー。

超エクストリームです。

他者との接触

ゲレンデは自分だけでなく多くの人達が集まる場所です。

週末や連休ともなれば更なる混雑が予想されます。

そこで気を付けなければいけないのが、他のスキーヤーやスノーボーダーとの接触。

スキー板やボードは十分に凶器に成りえます。

環境が過酷

最近ではニュースなどでスキーヤー、スノーボーダーによる山岳事故が大きく報道されるようになりました。

冬山というフィールドにおいては、雪崩や低温など日常ではあり得ないような過酷な自然環境が伴います。

スノーボードの怪我のリスクは減らすことが出来る

ここまでいくつかのリスクについて列挙させていただきました。

しかし、こうしたリスクは正しく認識することで対策を行うことができます。

ここからはリスクを減らすにはどうすればいいのか、という視点でお話していきます。

準備運動をしっかりとする

基本中の基本ですが、意外とやっている人は少ないような気がします。

スポーツではなく、レジャーという認識の人が多いのでしょうか。

少しの準備運動だけで防げる怪我は多いです。

必ず行いましょう。

ヘルメット・プロテクターなどを装備する

装着するだけで怪我のリスクを軽減させることができます。

ヘルメットの着用に抵抗のある方には、ビーニーの中に緩衝材が忍ばせてある商品などもあります。

見た目は完全にビーニーなのに、一定の耐衝撃性が期待できます。

死角には十分注意する

コースの合流地点や、起伏の影にあたる箇所は死角になりやすく、特に接触事故の多い場所です。

周囲をよく確認し、スピードを緩めるなどして細心の注意を払いましょう。

自然を甘く見ない

バックカントリーにおける事故で散見されるのが、冬山に対する知識不足や装備の甘さです。

BCスノーボードはスノーボードの延長と捉えてはいけません。

あれは冬山登山の延長にあるものです。

自身の知識や経験が不足しているなら、迷わず山岳ガイドの同行を依頼してください。

レジャー保険への加入

そこまで対策をしてもリスクが完全に0になることはありません。

万が一の時に備えて、レジャー保険への加入をオススメします。

中には、一日単位で加入が出来るものあり、手続きも簡単です。

自分が被害者だけでなく、加害者になってしまう可能性もあります。

私は毎シーズン必ず加入しています。

自分の技量を過信しない

一番大切なことです。

時には自分をプッシュすることも必要ですが、挑戦と無謀は違います。

スノーボードの怪我やリスクは防げるものが多い

いかがだったでしょうか。

冒頭で述べた通り、スノーボードにはある程度のリスクというのは付いて回ります。

しかしそのリスクを正しく認識し、きちんと対策をすることで防げる怪我や事故も数多くあります。

スノーボードには日常では感じることが出来ない、素晴らしい体験や感動たくさん詰まっています。

より多くの人が安全にこの素晴らしいスポーツを楽しむ事が出来るよう、心から祈っています。

Writer
大谷康介
大谷康介 ライター・エディター

スノーボード歴20年目に突入。
パークディガー、ショップスタッフ、圧雪オペレーターなど、数々のスノーボードの仕事を経験。
北海道生まれ、北海道育ちの生粋の道産子。

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