スノーボードで使う道具

ゲレンデで一目置かれるウェア選びはコレだ!

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16,108 views 2017-12-19 UPDATE

スノーボードの買い物の中で、一番難しい買い物がスノーボードウェアだと思う。。。。
(恐らく読者の方の中にも『そのとおり!』と同意して頂ける方もいるだろう)
私はスノーボード歴が20年近くになるのだが、それでも未だにウェア選びだけは戸惑う。正直何を選んで良いかわからない。

ということで、困ったときの駆け込み寺、老舗専門店F-JANCKさんに今回も助けて頂き、間違いの無いスノーボードウェア選びについて教えて頂いた。

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スノーボード選びの際に気を付けたいこと

言わずもがなであるが、普通の洋服とスノーボードウェアは全然違う。
洋服には不要とされる機能や特徴がスノーボードウェアには必要な機能だったりする。
ココでは、見逃してしまいがちな機能や特徴について解説しよう。

洋服との違い

『ぶっちゃけ、スノーボード用のウェアじゃなくて、普段着ているアウターでいいじゃん』と思う方もいるかもしれない。

(かくいう私も10代の頃は普段着で滑っていた)
はっきり言うと、それもアリだ。
しかし、スノーボードウェアというのはスノーボードすることを前提に考えられているので、これより下で説明する色々な機能や特徴を備えている。
また、スノーボードをすることを前提にしているので、立体縫製や基本的な作りなどが普段着と違い各段に動きやすくなっている。
普段着でも出来なくはないし、実際に普段着で滑っている上級者もいるが、快適に滑りたいのであれば、普段着ではなく専用のウェアで滑った方が良いだろう。

防水性

当たり前だがスノーボードをしていれば濡れてしまう。

しかし、スノーボードウェアは外部からの水しぶきや溶けた雪などを想定して作られている。
ウェアのアウターシェル(一番外側の生地)に直接防水・撥水加工を施しているものや、生地と生地の間に特殊な防水フィルム(GORE-TEXなどが有名)を仕込んだものなど、メーカーやモデルによって防水の実現方法が異なる。
結局のところ、ユーザーからしてみれば『どのような技術をつかっていようが、こっちは濡れなきゃいい』となるだろう。
そのようなときには、ジャケットやパンツのタグについている『防水***mm』という数値を確認し、予算内で出来るだけ大きな数値をえらんでみて欲しい。単純に考え、『数値が高いほど、濡れにくい』という判断でOKだ。

パウダーガード

スノーボードウェア独特の機能でもある『パウダーガード』も重要視してほしい機能の一つだ。
ジャケットにもパンツにもついているこの機能なのだが、簡単に言うと『ジャケット(パンツ)が2重構造になっていて内側の生地が体に密着することで、転倒時に雪の侵入を防ぐ』というものなのだ。
基本的にはほぼ全てのジャケットやパンツには装備されている機能と思って頂いて良いとおもうが、一部アイテムには装着されていない。
また、上下同じメーカーで揃えることで、パウダーガード同士を繋げることができ、簡易的なジャンプスーツのように雪の侵入を大幅に防いでくれるのだ。

上下を別々のメーカーで揃えてしまっても問題はないが、より快適に滑りたいのであれば同じメーカーで統一し機能を最大限に活用してみよう。

 

エアベンチレーション

スノーボードは寒いスポーツと思われがちだが(正解なのだが。。。)、実際に滑っていると汗をかくこともある。
結構激しいスポーツなので、あまりにも厚着をしているととんでもなく暑くなるのだ。(季節や気温にもよる)
その時に便利なのが、エアベンチレーションという機能だ。
簡単に言うと、ワキや股など特に冷ましたい部分に開閉可能な通気孔が備わっているのだ。
これは本当に便利で、私も重宝している機能だ。
激しく滑ったあとに、『あちぃ~』と言ってベンチレーションを開け、冷たい空気で火照った身体を一気に冷やす。
これがかなり気持ちいいのだ。
(あくまでも個人的な感想だが。)

 

便利ポケット

ジャケットの内側に色々な小物を収納できるポケットが配置されていたり、腕にリフト券を入れて置けるパスホルダーが
あったりと、あると便利な機能がそこら中に仕込まれている。
これらの便利ポケットもジャケット選びの際は注目して頂きたい。

 

温度調節

先に説明したエアーベンチレーションとは少し違う。
ココで言う温度調整というのは、ジャケットの『厚さ』のことである。ダウンタイプや、厚手生地のウェアは沢山あり、ハイシーズンの寒い日には重宝する。
しかし、『春時期にはとても暑くて着ていられない』という状況になる恐れもある。
先にも記載したが、スノーボードは思った以上に暑くなるのだ。

そこで、一つ選択肢に入れて頂きたいのが、防水性の高い(10.000mm以上)薄手のウェアだ。
この手のウェアは薄手であるため、下に何枚か服を着こむことで温度を調整することができるのだ。寒ければ、ユニクロのウルトラライトダウンなどの薄手のアウターを下に着こむことでかなり暖かい仕様にすることができる。

シーズン中いつでも一着で滑るという方には是非ともご検討頂きたいウェアの一つだ。

 

ココが盲点、もっと早く知っておけばよかった

取材を通して、目からウロコが落ちる級の盲点について解説しよう

柄物

個人的には鬼門としている柄物。
私の中ではお洒落上級者のみが着用を許される伝説級の代物なのだが、簡単なルールを知っておくだけで
素人でも手を出せるアイテムに早変わりする。
それは、柄物+単色(若しくはシンプルな物)の組み合わせにする。ということだ。

この組み合わせというのはお洒落さんからすれば一般常識に近い位の知識なのかもしれないが、少なくとも私は知らなかった。
そのため、私が柄物を選ぶと大阪のおばちゃん(尊敬を込めて)みたいな雰囲気になってしまうのだ。

百聞は一見にしかずという言葉もあるので、F-JANCKおススメセットアップをご確認頂き参考にして頂きたい。

例えば、下の写真。

AAウェア後

ジャケットはAAというメーカーの『HARDY Jkt』というモデル。パンツは同じくAAの『BAKER Pt』というモデルなのだが、注目頂きたいのはこのパンツの柄と全体の纏まり具合。

パンツ単体で見ると、『この柄は、、、ちょっと、、、』と思ってしまったのだが、そこはプロの仕事だ。ウェアのコーディネートをお願いしたスタッフにかかれば、とても良い組み合わせが出来上がってしまうのだ。(これには少し感動してしまった)

単純に『柄+シンプル』という構図で全体が纏まるわけではないのだが、柄物をうまく組み合わせることによって目立ちつつも落ち着いた『デキる奴感』を出すことができるのだ。(この組み合わせをゲレンデでみたら、確実に中級者以上と思ってしまうだろう)

もし貴方が『他の人とカブりたくない!』と強く思うのであれば、上の写真のようにチョイスの難しい柄物を取り入れワンランク上のコーディネートをしてみるのも一つの手だ。

この際、自分のセンスに自信がなくてもウェア売り場スタッフに相談すれば、親身になって貴方の魅力を引き出すウェアを提案してくれるはずだ。

何事もその道のプロに任せてしまうのが一番なのだ。

話はすこし外れるが、よくゲレンデでウェアがカブってしまう人がいる。

その原因は『人気のあるメーカーの人気のラインナップを選んでいる』という理由と、『皆が選びそうな無難な組み合わせをしている』という理由のどちらかが当てはまるからだ。

つまり、大勢が選ぶような無難な物を選んでいるからだ。

カブるにはカブるなりの理由があるのだ。。。。

 

メンズとレディースの違い

『レディースってメンズの小さいやつでしょ?』と考える貴方。
間違っています。全然違います。
という私だが、メンズとレディースの違いはよくわからなかった。(そもそもレディースウェアに興味がなかったのだが)

簡単に言うと、メンズはジャケットの裾が若干長めに作られていて、シルエットがゆったり目に作られている場合が多い。
しかし、レディースは要所要所が絞った作りになっていたり、メンズに比べ裾が短かったりする。
これは、女性服独特のシルエットを引き継いだものなのだが、シルエットが違うが故に全然違う物になっているのだ。
(基本的な機能は同じ、あくまでもサイズ感や着た感じの話しとご理解頂きたい)

『レディースのLサイズだと小さいから、メンズのSを着てみる』という方もいらっしゃるが、シルエットが全然違うので、その点も考慮にいれて選ぶべきだろう。
また、プロテクター等を使用する場合は予めその分も考慮にいれて少し大きめのものを選ぶようにして頂きたい。

 

自分の滑るフィールドを考えよう

ここは結構見落としがちな部分なので注意して確認して頂きたい。

スノーボードウェアにはいくもの種類がある。
例えば、上位モデルの高機能ウェアを選ぶとしよう。
防水機能も充実し、バックカントリーなどの過酷な状況でも快適にスノーボードを楽しむことが出来るような上位モデルは総じて価格が高い。
無論高機能なので価格は高くなるのだが、ここで一つ考えて頂きたいのが、『そこまでの機能必要ですか?』ということだ。
もし、ゲレンデ内のみを滑走するというのであれば、バックカントリーやプロユースのウェアはどう見てもオーバースペックになってしまう。
個人的な意見だと、ゲレンデ内を滑走する位であれば防水10,000mmもあれば十分だと考える。
また、ボックスやレールなどにぶつかり破れてしまったときの精神的ダメージは計り知れない。
『デザインが気に入った』『どうしてもこのブランドのこのラインナップがほしい』という特別な理由がない限りオーバースペック過ぎるウェアというのは選ぶべきではない。
価格やデザインも重要なのだが、『一体自分がどこで滑るのか』をきちんと考慮に入れ、適材適所なウェアを選んで頂くのが重要なポイントになることだろう。

 

F-JANCKおススメセットアップ

メンズ編

ジャケット:TEMPLETON [GASSTATION]

テンプルトンウェア 前 テンプルトンウェア 後

パンツ:TEMPLETON [CAPPUCHINO]

テンプルトンウェア パンツのみ前

F-JANCKが独自に販売しているTEMPLETON(テンプルトン)はフリースタイル向けのデザイン。
作りもしっかりとしており、動きを妨げない作りになっているのもポイントだ。
なにより、市場に出回っている数が少ないのでゲレンデで見かけることは、あまり無いだろう。

 

 

ジャケット:VOLCOM [BRIGHTON]  パンツ:VOLCOM [L GORETEX]

Volcomウェア 前 Volcomウェア 後

パンツとジャケットを別々に見ると、両方とも派手な印象を受けるが、合わせてみるとバランスのとれた印象になる。

モデル:Yutakenさん

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レディース編

ジャケット:241 [SEEKER]

241 前 241 後

パンツ:241 [SEEKER]

241 パンツのみ 前

Gore-tex採用の高機能セットアップ。ジャケットが明るめでパンツが暗めという組み合わせは定番となっている。
※レディースで紹介しているが、これは男女ともに使えるモデル

 

 

ジャケット:BURTON [PROWESS]  パンツ:BURTON [VIDA]

バートンウェア前 バートンウェア後

シンプルなジャケットのデザインと柄物のパンツデザインが良い感じにマッチしている。ウェアコーディネート初心者は是非ともお手本にして頂きたい。

 

 

ジャケット:PICTURE [DANN]  パンツ:PICTURE [SLANY]

Picture ウェア 前 Picture ウェア 後

海外で人気のメーカー。細めのシルエットでスタイリッシュな印象を与える。見た目とは違い立体的に裁縫されており、動きやすい仕上がりになっている。

 

 

ジャケット:AA [HARDY]  パンツ:AA [BAKER]

AAウェア前 AAウェア後

先でもご紹介したが、派手なはずのパンツが良いアクセントになって全体を良くまとめている組み合わせだ。これも参考にしたい組み合わせだ。

モデル:Yasuminさん

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最後に、
今回の取材で目からウロコがぽろぽろ落ちた。
スノーボードギア選びについての知識はある程度持っていると思っていたが、ウェア選びについては全然知識が足りなかった。
正直、ブーツや板などウェア以外のアイテムに関しては、ネットやカタログなどである程度の情報収集は可能なので、来店する前に自分の中でベストアイテムを決めることができると思う。
しかし、ことウェアに関しては専門スタッフのセンスには脱帽した。
常日頃、色々なメーカーのウェアを見ているセンスは本当にすごい。

もしウェア購入を予定している方がいれば、専門店のウェア販売担当に色々と相談してみてほしい。
自分一人では選ばないような柄や色のセットアップを選んでくれることだろう。
(しかも、持ってくるウェアの全てにハズレが無い!)

 

今回取材にご協力いただいたF-JANCKさんは神田神保町の老舗スノーボード専門店だ。
ビルの2階3階がウェア専門フロアになっており、神田神保町屈指の品揃えとなっている。
ここにくれば、必要なアイテムのほぼ全てがそろってしまう。そんなお店なので是非とも立ち寄ってみてほしい。

DSC07653

F-JANCKのホームページ

 

 

 

Writer
乾 海老雄
乾 海老雄 チーフライター

元スノーボードインストラクターのIT系Webライター

長野や北海道、マウントフッド(アメリカ)、ウィスラー(カナダ)等
様々なスキーリゾートを転々とした後、東京に落ち着く。
現在はWeb制作を行う傍ら、スノーボード系のライティングを行う日々。
妻と娘の3人家族の35歳。

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