スノーボードのコラム

スノーボード超初心者が最初にすべきこと

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10,656 views 2018-12-1 UPDATE

スノーボーダーが颯爽とゲレンデでカービングしたり、地形でジャンプしたり、パークでアイテムを攻略したりする姿は、とても魅力的です。しかし、何事にも順序があるように、スノーボードにも上達のためのステップがあります。見ているとすぐに滑れそうなのに、初心者がいざスノーボードを履いてみると、両足を固定されてバランスを保つのもひと苦労……ということは別に珍しいことではありません。
そこで、挫折することなかれ! スノーボードが初めてでも順を踏んで練習すれば、やがてターンができるようになり、スムースに滑れるようになり、トリックにも挑戦できるようになります。
そこで、スノーボード超初心者が最初の課題である木の葉落とし(ヒールもしくはトゥサイドを使いながら左右に進んで斜面を滑ること)をできるようになるまでにすべきことを紹介したいと思います。

1_スタンスのチェック

スノーボードは雪上で滑り出す前からの準備が肝心です。というのも、自分がレギュラー(左足前)かグーフィー(右足前)かをしっかり確かめる必要があるのです。右利きの人がレギュラー、左利きがグーフィーというような単純なものではなく、右利きの人でレギュラーもグーフィーもいます。またスケートボードやサーフィンの時とスタンスが逆になるという人もいます。
誤ったスタンスで練習していると上達も遅れてしまうので、事前のチェックはマスト!
自分がどちらなのかは、以下の方法で判断することができます。

利き目がどちらか

横向き滑るスノーボードでは進行方向側に利き目がないと、実際に見えている感覚と滑っている時の感覚にズレが生じ、滑りづらいと感じます。効き目を知るには、1mほど離れたところに置いた物に手を伸ばして人差し指を立て、指とその物を一直線に重ねるようにします。そして、片目ずつ閉じた時に、両目で見ていた時と比べて人指し指がズレるかズレないかを確認します。この時、指がズレないで見えた方が、利き目となります。
効き目が左目→レギュラー、右目→グーフィーの場合が多い
ー利き足がどちらか
スノーボードではボードコントロールを後ろ足で行うことが多いので、利き足が後ろにあったほうが滑りやすいといえます。利き足を判断するには、両足を揃えて垂直に立ち、後ろから人に軽く押してもらった時に無意識に前に出る足がどちらかを確認します。また、左右どちらの足のほうがボールを蹴りやすいかでもわかります。
利き足が右足→レギュラー、左足→グーフィーの場合が多い
しかしこれらに当てはまらないケースもあるので、雪上で滑った時に違和感がある場合は、自分が感覚的に進みやすいと思った方向でスタンスを決めるようにしましょう。

2_ギアのチェック

初めてのスノーボードではギアがレンタルや借り物という人も多いはずです。
ボード選びの基準はレベルや体型、脚力、ライディングスタイル、またボードの形状やフレックスによっても変わるので一概には言いづらいのですが、長さは立てて置いた時に自分のあご前後、肩から鼻あたりまでに収まる長さというのが定説です。自転車のサイズは24インチでも29インチでも焦げるのと同様に、スノーボードの長さにも扱える許容範囲がある程度あるので、まずはそこまでシビアにならなくても大丈夫ですが、明らかに短すぎor長すぎる場合には滑りづらいので変えましょう。

それよりも重要なのがブーツがしっかり足にフィットしているか、バインディングがきちんとハマるかです。ボードの長さは多少合わずとも滑ることができますが、ブーツが足に合わなければすぐにイヤになってしまうでしょう。
大きすぎ→ブーツ内で足がズレて痛くなる、ボードをしっかりコントロールできない
小さすぎ→ブーツに足が当たって痛くなる、指先をまったく動かせずシビれてくる

また、ブーツは同じサイズでもメーカーによりまったくサイズ感やはき心地が異なります。足の縦の長さだけでなく幅もブーツを選ぶ際には気にすべきポイントです。初めてのスノーボードだからこそ、ストレスなく快適に練習できるよう足に合ったブーツを選びたいものです。

さらに、ブーツのサイズや形状とバインディングが合っているかも実際に滑る前にしっかりチェックが必要。バインディングのストラップでしっかりブーツを固定できるか、ブーツが動かないかなど、安全を確保する上でもとても重要です。また、ビスの緩みがなくバインディングがしっかりボードに固定されているかも滑る前に要チェックを!

3_平らなところでスケーティング

ギアのチェックが済んだら、いよいよ雪上へ!
まず最初にやってみてほしいのが、平らな場所でのスケーティングです。スケーティングの練習をすることでスタンスのチェックも行えます。慣れないうちはなかなかうまくいかないものですが、スノーボードでは欠かせない動きです。スケーティングができなくてもボードを手に持って移動したり、ボードを外したまま乗車できるリフトもありますが、早いうちにスケーティングに慣れるに越したことはありません。横に滑る感覚を初めて体感する場合、ゆっくりのスピードならば片足をつけることは安心材料にもなります。まずは前足をはめた状態で、超スロースピードでボードに乗って横に進む感覚に慣れてください。
前足だけバインディングをはめた状態で進行方向を向き、後ろ足を軽く前に出して雪面をスライドするように蹴ります。そのまま足をボードの真ん中にのせてバランスを保ちましょう。バインディングをはめている前足はボードを真下に踏みつけるようにするのがコツです。
徐々に蹴りだしを大きくして、両足をボードにのせて横に進める時間が長くできるように練習しましょう。

4_ヒールサイドで止まる

いつまでも平らな場所でスケーティングばかりしていても飽きてしまうので、ある程度片足で横に進む感覚に慣れたら緩斜面で止まる練習です。斜面に対してボードを真横にした状態で、いよいよバインディングを両足にはめてみます。そのまま膝を軽く曲げ、カカトにやや力を入れながらバランスをとりながら立ちます。斜面に対してボードが垂直な状態でカカト側にうまく荷重できていれば、そこで止まっていることができるはずです。
両足均等に荷重した状態でカカトでかけているブレーキを緩めるために軽くつま先側に力を入れれば、そのまま板は斜面に対して真横のまま斜面を下に下ることができます。それがいわゆるサイドスリップです。斜面が緩すぎると難しいので、斜度が15°くらいの広いバーンで練習するといいでしょう。ボードへの荷重はとても絶妙なコントロールが必要なので、どれくらいの力でバランスをとりながら止まって立っていられるか、どれくらいカカト側への荷重を緩めれば進んでいくのかを、確かめながら習得します。

5_ヒールサイドで斜面を滑る

両足に均等に荷重しながら斜面で止まる、進むができるようになったら、次はカカト荷重を保ったままヒールサイドで左右に進む練習です。ボードを斜面に対して真横にして両足均等に荷重しながら立ったら、軽く前方の足だけに荷重してみます。すると、ボードは荷重した足側の方向に進んでいきます。左足に荷重すれば左側に、右足に荷重すれば右側に進むということ。一気に荷重するといきなりスピードがついてしまいバランスを崩してしまうので、荷重する時は少~しずつの力で行うこと。ボードが荷重した足側に進み出したら、斜面に対してボードが垂直になるように両足カカト側に荷重することでブレーキをかけることができます。この練習をひたすら行いましょう。どれくらいの荷重でどれくらいのスピードが出るかをしっかり体で確かめながら、スピードコントロールがしっかりできるように! またスピードを抑えながら、止まりたいところで確実に止まれるようにすることです。
ヒールサイドだけでも思いのままにスピードコントロールをしながら左右に滑れるようになれば、もうアナタは立派なスノーボーダーです。ターンができなくても、コースをしっかり自分の思い通りに滑ることができるのだから!早くターンを習得したい気持ちを抑えて、エッジでボードコントロールする力をみっちり鍛えたら、その後の上達も間違いなく早くなるはずです。

さて、ここまでくれば木の葉落としで滑ることができるようになっています。
次のステップは、つま先側(トゥサイド)で同様に止まる→進む→左右に進むの練習。そしてヒール&トゥの木の葉落としをマスターしたら、次はいよいよターンへとステップアップしていけます。
とにかく早くうまくなりたい!いろんな動きができるようになりたい!......のであれば、ここで紹介した5つのステップを確実に行ってください。
やったことがない人にとってスノーボードはハードルが高く見えるかもしれませんが、確実にひとつずつ階段を上っていけば、スムースにゲレンデを滑れる日が必ずくるはずです。
とにかく最初が肝心なので、地道に練習してカッコいいスノーボーダーを目指してください。

Writer
Makiko Kishino
Makiko Kishino ライター・エディター

白馬でスノーボードショップを営む、元スノーボード誌編集者のフリーライター。
田舎ライフをマイペースに満喫しながら、とことん遊びを追求しています。

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