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すき焼きとは?材料とレシピを日本人が教えます

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135 views 2024-10-19 UPDATE

すき焼きは、有名な日本料理のうちの1つです。

名前を聞いたことがあっても、「実際にどのような料理なのかは知らない」という方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、日本のすき焼きの基礎知識や作り方について、日本人が詳しく解説していきます。

材料やレシピ、スタンダードな食べ方も紹介していきますので、「すき焼きを再現してみたい」「日本で食べるときに戸惑わないようにしたい」という方は、ぜひチェックしてみてください。

日本のすき焼きは和牛を使った鍋料理

「すき焼き」は、和牛を使った日本の現代的な鍋料理です。

日本では冬の鍋料理として人気があり、高級食材を使っておめでたい日に食べるときもあります。

まずは、すき焼きの定義や歴史などの基礎知識から詳しくみていきましょう。

すき焼きの定義とは

すき焼きは「割下」と呼ばれる醤油・砂糖・酒をベースにしたソースに、牛肉や野菜を加えて浅い鉄鍋で煮込んだ、または焼いた料理です。

肉は「和牛」と呼ばれる日本産の牛肉が一般的で、火が通りやすいように薄くスライスされています。

調理済みのものを食べるのではなく、テーブルでゆっくりと調理の工程を楽しみながら食べるのが特徴です。

「すき焼き」という名称は、江戸時代の農家が鉄板の代わりに、農工具である「鋤(すき)」の幅の広い刃の部分で食べ物を焼いていたことにちなんでいます。

また、薄くスライスした肉を「剥身(すきみ)」と呼ぶことから来ているという説もあるようです。

意外と新しいすき焼きの歴史

実はすき焼きは日本の伝統的な料理ではなく、近現代に広まった家庭料理です。

日本では、飛鳥時代から仏教の教えを遵守してきた歴史があり、明治時代までの1200年間は、「四足動物を食べるために殺す」ことが原則禁じられていました。

江戸時代の終わりにはこっそり牛肉を食べる人もいましたが、嗅ぎなれない獣臭に不快感を示す人が多かったといいます。

明治時代になると、西洋料理の影響から政府が食肉を奨励するようになり、ようやく現代に通ずる「すき焼き」が一般的に食べられるようになったのです。

参照:相州牛推進協議会「牛肉・食肉の歴史」/篠田鉱造「増補幕末百話」

すき焼きの歌について

1961年に発表された坂本九の「すきやき」という曲は、アメリカのビルボードチャートで上位にランクインした経歴を持っています。

実はこの「すきやき」という曲名は、実際のタイトルではありません

売り出す際に、英語圏でも認識されやすいよう短い単語に置き換えられたものです。

日本国内では「上を向いて歩こう」というタイトルで知られており、歌の内容はすき焼きとは関係ないものになります。

すき焼き料理の材料

すき焼きの具材は、日本でも地域によって異なりますが、スタンダードな材料は以下の通りです。

  • 薄切りの牛肉
  • 焼き豆腐
  • 白菜
  • しらたき麺(糸こんにゃく)
  • 長ネギ
  • にんじん
  • 水菜
  • きのこ類(えのきだけやしいたけが定番)

ここに春菊を入れることも多いですが、独特の苦みがあるため近年では好まないという日本人も多くいます。

すき焼きの牛肉「和牛」とは

すき焼きに使われる「和牛」とは、主に日本の高山で放牧されている食用の国産牛で、「黒毛和牛」「褐毛和牛」「無角和牛」「日本短角種」の4品種のみが該当します。

やわらかく風味豊かな霜降り肉として重宝されており、日本だけでなく世界中から高い価値や評判を得ている食材です。

この和牛を薄くスライスしたものが「すき焼き肉」として販売・提供されています。

最も重要:すき焼きのスープやソース

「すき焼き」を再現したいなら、具材よりも味付けにこだわるべきでしょう。

先述したように、同じ日本であっても地域や好みで入れる具材はさまざまです。

牛肉が現代のスタンダードですが、一部では豚肉を入れる地域もあります。

そのため、味付けで「すき焼き」と定義している節があるのです。

すき焼きのスープやソースは「割下」とも呼ばれており、以下の材料で構成されています。

  • 醤油(1/2カップ)
  • みりん(1/2カップ)
  • 酒(1/2カップ)
  • 砂糖(大さじ3杯)
  • だし汁(1/2カップ)

甘みと塩気の絶妙なバランスが、具材やお肉のうまみを引き立てます。

引用:農林水産省「すき焼き 東京都

日本で好まれるすき焼きの美味しい食べ方

日本では、すき焼きに生卵やうどんを加えるのが一般的です。

鉄鍋で焼くまたは煮込んだすき焼きは、テーブルを囲む各々が好きな食材を取り、手元にある生卵が入った小皿に入れます。

英語圏の食文化では信じられないかもしれませんが、生卵をディップしながら食べるのが、日本人として一般的なすき焼きの楽しみ方です。

この食べ方は、牛肉や卵が昔の日本人にとって高級品であり、それを同時に味わうことで幸福感を得たことに由来しています。

また、鍋の締めに「うどん」を入れて食べる習慣や、うどんをメインにした「うどんすき」といった料理も人気です。

すき焼きには関東風と関西風の2種類の作り方がある

実はすき焼きには以下の2種類の作り方があります。

  • 関西風すき焼き
  • 関東風すき焼き

関西風すき焼きと関東風すき焼きの大きな違いは、具材を「焼く」か「煮る」かです。

一般的に「関西」は大阪を含む岐阜県よりも西の地域を指し、「関東」は東京を含む岐阜県よりも東の地域を指します。

日本では、このように東西で食文化が分かれているケースが多いです。

関西風すき焼きの作り方

関西風すき焼きの作り方は以下の通りです。

  1. すき焼き用の鉄鍋を熱し、牛脂を溶かす
  2. 牛肉から焼く(サッと火を通す程度)
  3. 牛肉に割下(すき焼きソース)を加える
  4. 野菜など残りの具材を加える

関西風すき焼きでは牛肉を割下のスープ無しで焼き、後から味付けをします。

また、具材に「麩」や「玉ねぎ」を入れるケースも多いです。

牛脂で牛肉を焼いてから味をつけるので、肉の風味をしっかりと味わえます

関東風すき焼きの作り方

関東風すき焼きの作り方は以下の通りです。

  1. すき焼き鍋を熱し、牛脂を溶かす
  2. 水を煮詰めた割下(すき焼きスープ)を入れる
  3. 沸騰したら牛肉を入れて少し煮る
  4. 野菜など残りの具材を加えて煮込む

関東風すき焼きは煮込み料理なので、肉や野菜のうまみが割下のスープに溶け出し、濃厚な味わいになります

すき焼きと似ている料理との違い

最後に、混同されがちな料理とすき焼きとの違いについて紹介していきます。

「タイのすき焼きは日本とどう違うの?」

「しゃぶしゃぶとすき焼きはどう違うの?」

上記のような疑問を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

タイのすき焼きとは

タイには、日本のすき焼きに似た「タイスキ」という鍋料理があり、現地では「スッキー」という名で親しまれています。

魚介や肉類、野菜などを出汁が効いた半透明のスープと共に煮込むのが特徴です。

そのまま鍋として味わったり、にんにく・唐辛子・レモン汁・パクチーなどの薬味を入れた「タイスキソース」にディップしたりして味わいます。

そのため、すき焼きというよりかは、日本料理でいうところの「寄せ鍋」「しゃぶしゃぶ」「水炊き」などが近いでしょう。

すき焼きとしゃぶしゃぶの違い

すき焼きと似ている日本料理に「しゃぶしゃぶ」というものもあります。

しゃぶしゃぶも薄くスライスした肉を鍋に入れる料理ですが、すき焼きとの違いは以下の通りです。

  • すき焼きより薄い肉を使う
  • 昆布などのマイルドなだし汁(スープ)で煮る
  • ごまだれやポン酢などの薬味につけて食べる

しゃぶしゃぶは、箸で食材を掴んだままだし汁に入れ、泳がせるように左右に揺すって調理します

この動作を「しゃぶしゃぶする」と呼んだことが名前の由来です。

また、しゃぶしゃぶの調理方法ですき焼きを食べる、2つの料理を合体させた「すきしゃぶ」という料理もあります。

まとめ

日本のすき焼きは、割下の味が重要です。

基本的なレシピはあれど、地域によって調理方法や定番の具材は異なります。

ぜひ日本に来た際は、関東風と関西風のすき焼きをそれぞれ楽しんでみてはいかがでしょうか。

Writer

北海道から沖縄まで、国内各地のリアルな観光情報を発信中。
穴場スポットやアクティビティをはじめ、その土地の文化・歴史・グルメなどの魅力を、地元ライターならではの視点でお伝えします。

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