古いスノーボード3点セットを使うときの注意点

  • 2018-3-14
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8年道具 アイキャッチ

先日押し入れの中を整理していたら、随分前に購入したスノーボード3点セットが出てきた。
約8年ほど前に使っていた物で3~4年位使っていたと記憶しているのだが、なかなか捨てられずにいたのだ。

その3点セットを見ながらふと思う事があった。

『これ、まだ使えるのかな?』

※ここでいう、『使える』とは現状の使用に耐えうる強度と、ストレス無く使用できる性能が残っているかということである。

 

今回の記事では、約8年前に使用していたアイテムをゲレンデで実際に使用し、その使用感をレビューしてみたいと思う。

 

道具紹介

板 と バインディング

8年道具 板バイン

板:Forum Young Blood 148cm

今はもうないForumというメーカーのフリースタイル向けモデル。

柔らかい設計で操作がしやすくとても乗りやすい板だ。
キャンバー構造のため、カービングなどもやりやすく、バックカントリー以外であれば不自由を感じることがなかった印象。

バインディング:FLUX TT

今回の3点セットのなかでは一番新しいモデルと思うが、改めて見てみると使用感が凄い。
トーションが柔らかく、少々ルーズな操作感がお気に入りだった。様々なブーツとの相性が良く、FLUX品質を認識した一品。

8年道具ブーツ

ブーツ:Thirty Two Lashed

今も進化し続けるベストセラーモデル。Thirty Twoのラインナップの中ではセミソフトの部類に属し、主にスリースタイラーに人気がある。

 

現物チェック

滑り出す前に、一度アイテムのチェックをしておく。

ボード

見た目には特段ダメージや劣化はみられない。
8年前に滑った後は一度もメンテナンスしていないので、ソールは相当汚かった。
奇跡的にエッジはさび付いていなかったのだが、角が丸まってしまっており、とても安心して体重を預けられるような状態では無いと感じたが(多少の不安はあるものの)クリーニングとワクシングを施せば何とか使えるだろうと判断した。

 

バインディング

バインディングのチェックは一番入念に行うべきだったが、ずぼらな私は簡単な目視で終わらせてしまった。
(本来は分解して確認すべきであったが、この段階ではその重要性に気付いていなかった)

目視とは言え、ラチェットやラダー・ストラップ等は入念に確認し、ベースプレートやハイバックについてもねじったり、力を加えたりして色々とチェックした。特に劣化によるダメージは見られなかったため、そのまま使用することとした。

 

ブーツ

試しに室内で履いてみるとすぐに違和感に気付いた。
インナーブーツがパキパキと音を立て割れていくのを感じたのだ。内部のフォームが劣化し硬化してしまったのであろう、記憶していたフィット感とは違う感覚だった。
また、ブーツを脱ぐとソックスにインナーブーツの破片がくっついていた。
この時点では、ブーツの劣化が一番ひどいと感じた。

 

滑走チェック

ボード

想像していた通り、劣化による滑走性の低下を感じた。
見た目ではキャンバーが生きていたように見えたが、明らかに反発力が落ち、フリーランどころかオーリーもやり辛い状態だ。

もともとYoung Bloodはオーリーやノーリーがかけやすく、板の反発を利用してどこでもピョンピョン跳ね回れたのだが、劣化した心材ではそのような動きをすることはできなかった。板のしなりが無くなってしまったため、ちょっとした凸凹でも板が震動し、押さえつけるために踏ん張るので足が疲れた。

 

ブーツ

意外にも普通に使えた。

インナーもアウターも劣化しているため、昔ほどのフィット感はないものの、まだ使えると感じた。しかし、素材の硬化が著しいため、ショック吸収やしなやかさという機能が失われてしまっているので、本来の感覚で滑ることは難しいと言わざるを得ない。

 

バインディング

ストラップやラチェットもきちんと機能し、滑走中にズレたり緩んだりすることはなかった。
ここまで酷使していた上に数年放置していたのに細部がきちんと機能する品質には驚かされた。因みに、帰宅後にバインディングを分解したところ、ストラップの付け根に数か所の亀裂と割れを発見した。もし、滑走中にストラップが切れていたらと思うと背筋が凍った。
バインディングに限らず、古いアイテムを使う際には事前に入念な確認をしなければならないと、改めて気付かされた。

 

レビューを終えて思う事

板についてはチューンナップをすることで何とかなると感じた。
特に、短めで柔らか目のフリースタイル向けの板であれば初級者やはじめてスノーボードをする人に譲ってあげても良いかと思う。その際は専門ショップ等でサンディングやストラクチャー入れ、エッジ研磨が必要になると思うが、チューンナップ料金を勘定にいてれも新たに板を買うより割安になるだろう。

 

ブーツについては、劣化が進みやすいアイテムなので、ある程度は諦めが必要かもしれない。
裁縫箇所が劣化し、昔よりも水が浸みこみやすくなる場合もあるので、潔く買い替えてしまおう。

 

バインディングについては、正直に言って、古いバインディングの使用はおすすめしない。
事前に入念な確認(無論、分解して細部まで確認してほしい)をしても、寒いゲレンデに行った途端にストラップが切れてしまうことがあるからだ。
(滑走中にストラップが切れると危険な転び方になるケースが多く、望まない怪我等をもらってしまう可能性もある。)

あまりにも古いモデルの場合は、メーカーからの部品取り寄せが出来ない場合もある。くれぐれも『スノボ旅行に行く直前に確認』などという無謀なことはせず、余裕をもった用具チェックを行っていただきたい。

 

古いアイテムに再利用の道は残されていないのか?

自分が使い続けたいというのであれば、オフトレ用の道具として使うことが良い選択だろう。

千葉Kingsや埼玉Questなどで有名なマット式のジャンプ施設では、エッジ処理(ダリング処理)をした板でないと使用してはいけないことになっている。
このダリング処理というのはエッジを丸める処理のため、ダリング処理後はゲレンデでの使用がほぼ出来ない状態になってしまう。
そのため、専用ボードとして利用してしまうのだ。
基本的にはキッカーを飛ぶための施設なので、カービングなどを行うこともない。つまり、ある程度板はヘタっていても問題ないのだ。
アプローチは人工芝ようなマットの上を滑るのだが、常に水を散布している関係もあり、ブーツが濡れてしまう。
使い古したブーツもサマートレーニング専用にしてしまおう。

 

 

『それでも保管場所に困る』、という方は下取りや中古販売、ネットオークションなどで処分してしまおう。
先に書いたサマートレーニング目的で、安く用具を探している人が結構いるのだ。
欲しい人に譲ってあげて、地球にやさしい処分を心掛けよう。

 

 

この記事の著者

乾 海老雄

乾 海老雄

元スノーボードインストラクターのIT系Webライター

長野や北海道、マウントフッド(アメリカ)、ウィスラー(カナダ)等
様々なスキーリゾートを転々とした後、東京に落ち着く。
現在はWeb制作を行う傍ら、スノーボード系のライティングを行う日々。
妻と娘の3人家族の35歳。

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